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旧ブログ:異色な物語その他の物語

2013-11-08

『青い薬』 フレデリック・ペータース


 主人公はジュネーブ漫画家。旧知の女性に再会し、意気投合してつき合いはじめる。それはどこにでもある男女の出来事なのだが、女性はその息子と共にHIV感染者だった。




 自伝的な作品らしい。愛する女性を支えながらも感染に怯え、連れ子への対応にとまどう主人公が等身大に描かれ、ともすると硬い内容になりがちなテーマが穏やかにほどよい情感で語られ大変身近に感じられる。観念的なパートもあり、その辺に好みは分かれると思うが素晴らしい作品である。
 惜しむらくはビビッドなテーマにも関わらず日本で訳されるのに12年経っていることで、海外コミック出版のブームが無ければ出版されることも無かったことは理解しつつも、ちょっと残念に感じてしまう。



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2013-11-03

『皆勤の徒』 酉島伝法


 話題の新人による同じ設定を背景にした遠未来SF連作短篇集。表題作は第二回創元SF短編賞受賞。ちなみに作者はデザイナーイラストレーターで本文中の挿画も本人。
 無理矢理一言で言えば、黒丸訳(ま、他は無いんですが)ニューロマンサー誤変換を連想させる独特な言語感覚で奇怪なイマジネーション喚起するといった作品。主人公らしき生命体は一見人間のようでもあるが、読む進むと体も認識も大きく異なり、虫やら内臓やら気色の悪いイメージがテンコ盛りで登場する(そういうのが苦手な方は無理かも)。また漢字を中心としていることもあり(またイラストでも)、社・鳥居といった日本的な要素が取り入れられているのも特徴か。とくにかく強烈なインパクトの作品で、正直設定については(丁寧な解説を読んですら)おぼろげにしかつかめなかったが面白かった。
「皆勤の徒」 なんか仕事がツラい感じの主人公。デカい社長コワい。
「洞(うつお)の街」 分類学部で学ぶ学生が主人公。といってもみんな超不気味なんですが(笑) 片仮名がとりわけ少なく、日本的な要素が特に目立つかな。
「泥海の浮き城」 のっけから城同士の結婚ですからね。異世界ファンタジー的に読むことも出来るのかな?イマジネーションという意味ではこれが一番かな。その分かなり手強い。
「百々似隊商」 4作の中ではSF的な部分と異世界ファンタジー的な部分が比較的分かりやすく書かれており(解説の通り)一番親しみやすい(はずの)作品。まあでも相当歯応えありますよ(笑)。

 言葉遊びの部分はユーモアがたぶんに含まれていて、変な小説が好き(でグロテスクがOK)な人は自分のようになんとなくの理解でも十分楽しめると思います。いやこれまたユニークな人が出てきたな。

 
 
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2013-10-31

『バルタザールの遍歴』 佐藤亜紀


 第二次大戦前、ベルリン。一つの肉体を共有する双子であるバルタザールとメルヒオールは傾いた公爵家に生まれ、無為な日々を過ごし転落の道をたどる。身内にも見放され、ウィーンを追いだされた二人は・・・。

 この一つの肉体を共有する双子という設定に首を捻りながら読んでいくことになるのだがこれが重要な伏線となる。前半は没落貴族の頽廃的な暮らしと濃密な人間関係が読みどころとなるが、後半流れ流れて地中海アフリカにほど近いへき地の島へと舞台は移動すると
ファンタジー的なアイディアであっと驚かされナチスも絡んでノワール小説の様な様相を帯びてくる。強い自我を持つ主人公たちが生き生きと闊歩する多面的な魅力のある小説だ。



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2013-10-21

映画‘ゴールデン・ボーイ’TV視聴


 ええともう寒い位ですね(苦笑)、夏休みキング映画特集最後。

 教師から一目置かれるくらい優秀な高校生トッドは近所に住む老人が元ナチス高官であることを突き止める。そのことを口外しない代わりに彼がナチスでこれまで行った残虐行為の数々を話すよう持ちかける。怖ろしい告白を聞くうちにトッドは次第に自らの異常性を自覚するようになる一方、老人も過去の嗜虐的な日々に回帰するようになる。やがて奇妙な二人の緊張関係は破滅的な様相を呈していく。

 なかなか面白かった。ブライアン・シンガー監督イアン・マッケラン(ナチス元高官役)出演作品ということからか、ゲイな映画だった。トッド役のブラッド・レンフロも繊細なイケメンでなかなか好演していて二人のやり取りが全体を通じて映画の推進力となっている印象がある。ただちょっと検索すると評価は分かれているねえ。バッドエンディングな感じもよかったけんだが、原作の方が面白いという意見も結構あり。原作読まないとなー。
 ブラッド・レンフロは初めて見た俳優さんで、この時設定どおり16歳で将来有望そうに見えるが、ドラッグでわずか25歳で亡くなっているのが惜しい。wikiの写真は日米とも18歳なのに既に容貌に衰えが感じられるのが悲しい。大和君という日系の息子さんがいるらしい。

2013-10-20

映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』


 

元怪盗で今は平和に3人娘を男手一人(+バナナ生物ミニオン)で育てているグルーが反悪党同盟の捜査官ルーシーと世界を揺るがす陰謀をつきとめる話。(吹き替え版、2D)
 前作は観ていないのだが、ウェルメイドなファミリーコメディでギャグのテンポが良く大変面白かった。洗練とベタのバランスが取れた音楽のセンスがなかなかよい。



 吹き替えに関しては聞いていられないとまでは思わなかったものの、あまり感心しなかった。メインの二人が声優どころか専門の俳優でもないというのはどういうことか。その点俳優がやっている役はさほど気にならず、芦田愛菜にはその対応力にまた驚かされたくらい。

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