日本が、日本であるべき姿は何なのか、非常にわかりつらい世の中です。
日本人としてこれだけは知っておきたいこと (PHP新書)
全面的に賛同するわけではないけれど、日本とは何かを考えるには良い本です。
小泉流に、2面性のみ、是か非かを問う方法で、戦前を評価してはいけません。かといって、理想郷のようにとらえてもいけません。その点では、非常に分かりやすい本であると思います。
感想としては。
皇室を中心とした日本社会を再考する場合、一方で、皇室や神宮を支えている地域の社会、神社、民俗を考えなければいけません。人口的に、戦前の民俗と現在の民俗は非常に異なります。保存すべきところ、これだけは譲れないところを明確にすることが、右翼系学者さんとしての責務ではないかと考えます。いかがでしょうか。
現在の日本の姿は、コンクリートに根を覆われた枯れかけの大樹のような感触をうけます。
失礼ながら。かつて、神社を中心としていた地域社会は、あと数年で瓦解します。
維持していたとしても、おそらく、人ひとりがいなくなったら。すぐに無くなってしまうような、脆弱な基盤をもつ社会でしょう。
いくら行政が、と言っても、結局、行政が頼る地域内の役職は一カ所に集中し、その集中先は案外、神社と重なるところが多いのです。