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2007-01-24 ユリア801式

[]人は己が信じたいものを信じる

LCDのデッドピクセル・スタックピクセルの生き返らせ方

http://yoosee.net/d/archives/2007/01/09/002.html

上記エントリに対するはてブの反応

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://yoosee.net/d/archives/2007/01/09/002.html

否定的なコメントがほとんどなく、盲目的にTipsとして信じている人が多いのに驚愕。マイナスイオンやゲーム脳を信じている人たちを「思考停止」とか馬鹿にしている人たちも実は思考停止している罠。


「こんな簡単な方法で直るならパネルメーカーもそれで既に直してるはず」


というちょっと考えたら判る結論でもちょっと専門的なことになると思考を放棄させてしまうんですね。先日のあるある大辞典といい、やはり人は自分が信じたいものを信じるんだなぁ。(斯く言う私も門外漢なものだと簡単に騙されるんでしょうけど)


以下補足的にちょっと技術的になる反証を書いてみます。


1 デッドピクセルの復活方法

ここでいうデッドピクセルとは常時非点灯のドット(滅点とか私たちは呼んでますが)のことでしょう。

>デッドピクセルとは、ピクセル自体が点灯しない状態を言う。これは液晶裏側のバックライトのピクセルが死んでいる状態で、ピクセルは黒色(無発光)になっている。

そもそもこれから間違っており、

>液晶裏側のバックライトのピクセルが死んでいる状態

この文章からすると液晶のピクセルごとに微小なバックライトがあると思っているみたいですが、そんなことはありません。

基本的にバックライトはCCFLやLEDといった光源を導光板で面光源として用いられます。最近ではLEDを複数配置して画像に合わせて光量を制御する技術とかもありますが、それは例外ですし、それでもピクセル一個にバックライトというわけではありませんしね。

>圧力をかけることによってバックライト液晶部分の未充填状態を解消するらしい。

バックライト液晶部分という用語自体ありえませんし、むちゃくちゃです。原文を見つけられなかったので原文から間違っているのか誤訳なのか判りませんが、液晶ディスプレイの原理を全く知らない人が適当に思い込みで作った理論としか思えません。

ちなみに漫画的で判りやすい液晶ディスプレイの原理はこちら参照。


◆◆ 東芝松下ディスプレイテクノロジー ◆◆ 液晶豆辞典

http://www.tmdisplay.com/tm_dsp/mame/lcd.htm


2 スタックピクセルの復活方法

スタックピクセルとは説明を読む限り常時点灯のドット(輝点と私たちは呼んでますが)のことでしょう。

>スタックしたピクセルに表示部分を重ねてしばらく点滅を続けさせる。ハイコントラストのRGBピクセルを次々に変化させて表示させることで、ピクセルを活性化させるという方法のようだ。

ピクセルを活性化させるって…(笑)物理的にショートorオープンした金属配線の回路って通電しまくったら勝手に直るもんなんですか? まぁ、様々な色を長時間表示させることはメーカーでもやってますよ。主に潜在欠陥を炙り出すためのエージング処理として。


以下ちょっと専門的な話。

液晶の点欠陥についての基礎知識はwikipediaの項目がかなりよく纏まっているのでそちらを参照すると良いでしょう。

ドット落ち - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88%E8%90%BD%E3%81%A1

上記URLで書かれている通り、滅点、輝点になる原因はTFT回路の成膜工程における異物混入でのショートorオープンといった回路的な問題の他にもやカラーフィルターの色レジスト抜けや液晶配向膜の乱れといったものもあり得ます。

こういった点欠陥(に限らず線欠陥)はTFT製造起因のものは工程の途中にある検査工程で既に判明し、その際にリペア可能ならリペアしちゃいます。

回路的な問題でショートしている場合はレーザーで焼き切る方法がありますね。オープンの場合だとレーザーCVDを用いる方法がもっとも知られているのではないでしょうか。他にも最近だとオムロンが金属膜のレーザー転写法を開発したりとリペア方法の開発は余念がありません。何しろ上手くリペアできたらその分歩留まりが向上するんですから。


それとそもそも液晶パネルは電圧をかけない状態で黒表示のノーマリーブラック(NB)と電圧をかけない状態で白表示のノーマリーホワイト(NW)の2種類の分類されるので電気的な原因で点欠陥が起こった場合、TFTがショートしちゃった場合でもNBかNWかで滅点になるか輝点になるかはまるっきり逆なんですけどね…

だからもし万が一ディスプレイになった状態で点欠陥を直す方法があったとしても輝点と滅点の直し方は同じになる場合があるはずなんですです。つまり「この方法を使えば直すことが可能だが、輝点が直るか滅点が直るかはパネルによる」という注意書きがあるはずなんですよ。まぁ、そんな方法ありえないんですが。


結構前にもPSPのドット欠けを直すのに爪楊枝でつつくというアホな迷信がありましたね。あれにしたってパネルに圧力をかけることで層間剥離原因によるオープンが0.00001%くらいの確率で直るかもしれないというものでしょうし、そもそも圧力かけることで逆に不良が出る可能性が圧倒的に高いでしょう。まぁ、ホコリがパネルについててそれを滅点だと思ってたんだけど爪楊枝でつつくことでそれが取れて直ったように見えた、ということはあるかも知れませんね。(笑

khwarizmikhwarizmi 2007/01/24 23:21 デッドピクセルのところはセルに気泡が入って常時非点灯になったのを,押せばその気泡が充填されるから直ると言いたかったのではないかと.
もちろん押しても直らないとは思いますし,気泡なんて入るの?と言う疑問もありますが一応.

furanfuran 2007/01/25 00:50 液晶は光源ではないので当然バックライトに液晶部分なんてありませんから未充填も何もあったもんじゃないんですけど…
というかそもそも液晶の充填は真空中で行われるのですが…
そして万が一億が一液晶が充填されてなかったとしてもノーマリーホワイトの場合だと輝点(この場合だとスタックピクセル)になるのでやはりムチャクチャです。

khwarizmikhwarizmi 2007/01/25 07:09 セルに気泡が入っていた場合にはノーマリーブラックのTN以外だと補償板を考えなければ常時非点灯のはずですが.(クロスニコルなので)

furanfuran 2007/01/25 09:00 あぁ、それもそうですね。すみませんボケてました。
しかし気泡だなんて偏光板貼る場合くらいしか聞いたことないなぁ…
セルに液晶入れずにモノが出来てきた工場の能力疑うことはありましたが。

uronuron 2007/01/25 09:01 スタック(と呼ばれているもの)は使用中に新しく発生することもありますが、これも物理的なショート/オープンなんでしょうか?経験的にはこういうのが発生してその後自然に消えたという経験はあるんですが。

furanfuran 2007/01/25 12:31 「衝撃気泡試験があるくらいだから気泡も生じる可能性があるかもしれないけど、それにしたって押せば直るだなんてありえない」とは同僚の言。
>uronさん
焼きつきという可能性も0ではないですが、一番あり得そうなのは微小な水がちょっとついたとかそんな理由じゃないでしょうか。

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