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2008-07-31

[]主に同人作家さんに向けたバックアップ講座

■初めに

同人作家さんの間でもデジタル化が進みFTP入稿も増えた昨今ですが、バックアップを取らない人が案外多いみたいで、毎度コミケ時期になると、

「データが飛んだ」「保存前にフリーズした」「データが壊れて開けない」

等々がmixi日記とかで見掛けまして、私のマイミクにも今月だけで2名ほどいます。

そういった人の為にあんまり金と手間を掛けずにそこそこのバックアップ環境を構築する為につらつらと書くのがこのエントリーの主旨です。

だからバックアップと言えば

「同じディスクの違うパーティションに、気がついた時にファイルをコピーしておく」

といった程度の認識の人たちに向けた内容ですので、和(巫女)の人みたいなバリバリの環境を組める人にはペラペラな内容ですので無視しちゃってください。(笑


■自動データ保存編

「作業途中でPhotoshopが落ちて1時間の作業が無駄に…orz」

ということが無いようにこまめにCtrl+Sで保存するように心掛けよう、と注意しても中々身に付かない人も多いと思います。で、そういう人は自動でソフトにやって貰いましょう。手作業を限りなく減らすことがミスを起こさない大前提です。

  1. Windows自動化ソフト「UWSC」をインストール
  2. アプリケーション識別のスクリプトをダウンロードし、中身をカスタマイズした上で拡張子をuwsにしてuwscをインストールしたフォルダに保存
  3. UWSCを起動し、作成したスクリプトを読み込んで再生

これで後は普通に作業するだけです。スクリプトの変更内容ですが、上記スクリプトはデフォルトだとExcelとペイントと秀丸が自動保存アプリとして登録されているので、例えばPhotoshop、sai、Painter、Illustratorの4つのアプリケーションで自動保存を実行したい場合は、

Const ApplicationCount = 4;

とアプリケーション数を3から4に増やし、

TargetApplication[0] = "Photoshop";

TargetApplication[1] = "sai";

TargetApplication[2] = "Painter";

TargetApplication[3] = "Illustrator";

とアプリのタイトルを登録。

そしてデフォルトだと実行間隔が2秒になっているので、

Sleep(600);

10分(600秒)とかに変更すれば良いかと。


注意点として、下手にレイヤーを統合しちゃったらいつの間にか保存されちゃう、ということがあるのでレイヤーの統合はあまりしない方が良いかと。どうしてもしたい場合はUWSCを一時停止した上で別名保存すると良いでしょう。


■データバックアップ編

「HDDが壊れて原稿オワタ\(^o^)/」

という方々もよく見掛けます。ご愁傷様だとは思いますが、何故別ディスクにバックアップを取っておかないのか疑問で仕方ありません。別パーティションでも同じディスクなら一緒に逝っちゃう危険性があるので別のディスクに保存するのが吉です。RAIDを組んだ外付けHDDを常備しろとは言いませんが、大事なデータなら外付けのバックアップ用HDDを買って、フリーのバックアップソフトで定期バックアップしておくだけでかなり違うと思います。

  1. 外付けのHDDを用意するか、内蔵のHDDを購入してPCに組み込む
  2. 作業中のデータはBunBackup等フリーのバックアップソフトで外部HDDに定期バックアップ
  3. 完成データは念の為光学メディア等、上書き不可のメディアにもバックアップ

外付けのHDDは1万円も出せば新品で500GBのモノが買えます。容量は500GBもあれば充分でしょう。1万円くらいデータが飛んだ時のことを考えれば何とか捻出出来る範囲だと思います。PCと外付けの2つのHDDが全く同時に壊れることは非常に稀なのでこの方法だけで大抵の人は大丈夫だと思います。

注意点として、作業用データを格納するフォルダは一つに纏めた方が良いです。分散するとそれだけソフトの設定が面倒になります。ちなみにBunBackupのインストールから使用方法まではAll Aboutの記事が判りやすいのでオススメです。もう少し突っ込んだ記事もあるのでそちらも併せてどうぞ。


■雷対策

二つのHDDが全く同時に壊れることがあるとすれば雷です。瞬停でも結構ダメージが来ますし、もし自宅に落ちようものなら目も当てられません。で、どうすれば良いかですが。

  • 大前提:雷が鳴るような時はコンセント抜いて何もしない

まぁ、これを守っておけば大方大丈夫なんですが、締め切り等切羽詰まってどうしてもやらなければならない時というのはあると思います。そんな時の為の用心として、

  1. 保険としてサージ電流対策がなされたコンセントを買っておく
  2. 金銭的、住居スペース的に余裕があるならUPS無停電電源装置)を入れておく

以上2つをオススメします。UPSは家庭で使ってる人はあまり居ませんが、いざという時には頼りになります。ただ買って何年も経ってると内部バッテリーが昇天している可能性があるので、定期的にバッテリーは交換しましょう。


■ハードウェアバックアップ編

データの他によくあるのがPCのハードが壊れるという展開。

「熱暴走のせいか、ウンともスンとも言わない…orz」

ということはよく聞きます。実際私も私も弟から深夜1時にヘルプの電話が掛かってきたことがありますし、自分自身も昨年末にPCがイカれて困ったことがあります。そういった時の為に何をするかというと。

  1. 設定をミラーリングした予備PCを用意する

これでOKです。ATOKやブラウザといった基本的な設定を一通り終えたPCがあればほぼロスなしに移行できます。外付けのバックアップ用HDDからデータを読み込めば即座に対応可能。プログラムを置く場所とか、ディレクトリ構成は同一にした方が無難です。そうしないと相対リンクが崩れてしまって動作がおかしくなる可能性があるので。

予備PCは別に最新のPCである必要はありません。最近だと3,4年前の機種で充分だと思います。多分中古で買うなら4,5万もあれば充分なスペックが買えるでしょう。友人知人から不要なものを譲って貰って予備PCを作っておくのも手ですね。

それとメインPCですが、ハード的におかしくなる前に少なくとも数ヶ月に一度はメンテナンスすることをオススメします。単に箱を開けてホコリを取るだけで劇的に早くなることが多いので、おかしいな? と思ったらLet'sお掃除。


■最後に

「壊れる前のバックアップ」

という訳でバックアップは重要ですが、そもそもPCが壊れないようにメンテナンスすることも重要だということを忘れないで下さい。勿論ウイルスに罹るなんてもってのほかですので、アンチウイルスソフトは当然です。


上記方法はバックアップとしてはまだまだ序の口のレベルですが、何もやらないのより全然良いはずです。よく言われますが、何かあってからでは遅いんで用心はするに越したことはありません。

「こんなこともあろうかと!」

という台詞を貴方も一度言ってみたくはありませんか?(笑

JohannJohann 2008/08/02 02:54 実用的なアドバイスですね。分かりやすくて参考になります。ありがとうございました。

HanayamaHanayama 2008/08/04 23:24 雷対策はネットワーク関係のケーブル(LAN、電話)やTVのアンテナ線なども要注意。専用のサージ対策アダプタがあるほか、一部のUPSにもポートがある。
FAX複合機などを使っている場合は、電話線→複合機→USBケーブル→PCで壊れる可能性もあるらしい。ただし、こちらは事例を聞いたことがない。外付けHDDも同様?
ディスプレイやスピーカーなどのインターフェース機器が壊れると作業ができない点にも注意。特にUSBハブのACアダプタは忘れがち。
予備機は定期的にセキュリティアップデートを適用しておかないと、いざと言うとき時間を取られる。メイン機と一緒に昇天しないようケーブルを抜いておくのも忘れずに。
外付けHDDよりもUSBメモリなどのほうが壊れにくいが、寿命を向かえたUSBメモリは静かにデータが壊れることがあるので注意が必要。また、メモリーカードは静電気に弱いので静電気体質の人は注意を。「安全な取り外し」はWindowsやMacの場合は神経質にならなくてもよいが、他のOSでは普通に書き込みがなかったことになることもあるので注意(1CDLinuxでデータのサルベージをする際に注意!)。余談だが、iPodを接続しているとUSBストレージは遅くなると言われている。
Macの人はAppleのネットワークストレージが手軽に利用できるので、これもバックアップにはおすすめ(ただしAppleクオリティ)。また、タイムマシンは超手軽なので利用できるならおすすめ。
ラップトップ(ノート)PCはUPSを内蔵しているようなものなので、デスクトップより停電には強い。UPSと異なり長時間の停電にも対応可能。ただし、サージ対策は必要。なお、安価なUPSはバッテリが交換できないことがある。その場合は使い捨てになる。
あとは、RAIDはハードウェアのバックアップであって、データのバックアップにならない点に注意。ないよりはあったほうがいいが、データ破壊には無力だったり、HDDが同時に壊れることは多いのでバックアップが不要になるわけではない。

furanfuran 2008/08/05 20:56 >Johannさん
いえいえ、そんな大したことないんで。少しでも参考になれば幸いです。
> Hanayamaさん
色々とフォローありがとうございます。
雷のLAN周りは失念してました。UPSもそこそこ良い奴なら確かにネットワークに繋がりましたね。うちはノートPCなんでUPSはなく、会社でそれなりのを使った経験しかないので安価なUPSのバッテリーが使い捨てというのは知りませんでした。参考になります。
予備マシンの定期的なアップデートは必要ですね。できれば週一くらいで起動しておきたい所。ディスプレイ関係は経験上いきなり壊れるよりも何かしら予兆があってから壊れることが多いので、その時に対応して欲しいというのと、絵を描く人なら色味とかの問題からセンシティブでいてくれるはず、みたいな期待が。まぁ、理想論ですが。
外部HDDより確かにUSBメモリの方がある程度安全だとは思いますが、同時に紛失し易いのもUSBメモリであり。そういった意味では据え置きタイプの外付けHDDの方が安全かな、と。整理整頓されている部屋できっちりしている、という人ってあまり見掛けないんですよね…
RAIDに関してはその通りで、だからデータのバックアップ用の外付けHDDのハード的なバックアップとして用意しておけば上策だろうなぁ、ということを書いたつもりです。まぁ、上記記事は基本的に初心者向けなんでそもそもRAIDなんて難しい言葉はあまり出したくないってのが本音なんですが。(笑

Taiyou-nekoTaiyou-neko 2008/08/05 23:36 先日の落雷でルーターとハブ、録画中のRD-X5のネットワークカード、HDDが崩御されました。雷サージ対策は季節柄必須ですね・・・。BunBackupは設定が面倒なのでRealSyncを使っています。関連ツールでスクリーンセーバー起動中にバックアップを取る事もできるそうです

よねよね 2008/08/06 11:46 修羅場中のバックアップって困るんですよね。

〆切間際にバックアップ開始→うぜぇよ遅くなんだよ→バックアップ停止
→HDDお亡くなり→バックアップ止めてた→オワタ

修羅場中に毎日バックアップ停止して、
一週間以上前のバックアップしか残っていないことに愕然とする作家。


誰のことかなー。

はせがわはせがわ 2008/08/07 00:30 外付けに割とこまめにバックアップしてます。
さいわいにして(残念なことに?)今まで
「こんなこともあろうかと!」って
なったことはありません(笑)

HanayamaHanayama 2008/08/08 03:20 > furan
> 色々とフォローありがとうございます。
なんだか空気が読めないフォローでごめんなさい。ちょっと専門用語が多かったかなと反省。さすがにRAIDはと思ったんですが、記事中で使っていたので思考停止してました。そんなわけで書き直し。

○サージ(雷)対策
雷は結構対策が面倒臭いです。LANはモデムとルータの間にサージ対策アダプタをいれても、他に対策が不完全なマシンがあるとそこから壊れる可能性も。メインマシンにもう一個付けておくと安心ですが、このアダプタ案外高いんですよね……。
あとはTVのアンテナ。Windowsな人はPCでテレビを見てる人も多いのでは? PCがつながってなくても、HDDレコーダ経由でなんてことも考えられます。
SOHOな人はFAX+プリンタ+スキャナの複合機(ブラザーの製品とか)を使っている人もまだまだいると思います。電話線→複合機→USB経由でコンピュータに、なんてこともあるらしい(実際に聞いたことはないですが)のでご注意を。
このLAN、TV、電話はそれぞれ専用のサージ対策アダプタがあります。また、一部のUPSにもポートがあります。UPSは家庭だとAPC ES 500とか725が定番だと思いますが、詳しくないので何とも。アダプタは結構値段がするので、500みたいなタップ型のUPS買った方がいいと私は思います。

忘れがちなのが、周辺機器です。コンピュータが無事でも周辺機器が動かないと作業できません。無線なものは忘れやすいです。
ディスプレイを忘れている人はたまにいます。あとは「ディスプレイを繋いでいるとUPSバッテリが持たないから」とか。Mac系の人はキーボードショートカットで保存する人が大半だと思いますけど、できればディスプレイも気にしてやってください。お願いします。大抵の環境では一番修理費が高く付くパーツですし。
USBハブを使っている人は、ACアダプタも忘れずに保護してあげてください。充電池の充電器も専用物は壊れるとお手上げです。音系の人はスピーカーなども忘れずに。

予備機があれば安心ですが、メイン機と一緒に昇天しないよう、普段はケーブルを抜いておいてください。あとはセキュリティアップデートをたまにしておかないと、いざという時作業ができません。新しい周辺機器を買ったらドライバのインストールも忘れずに。Wacomのドライバは安定版を入れておきましょう!

○停電とか
ノートPCはUPSを内蔵しているようなものなので、デスクトップより停電に強いです。UPSと異なり長時間の停電にも対応可能。ただし、サージ対策は忘れずに。なお、安価なUPSはバッテリが交換できない(もしくは交換用バッテリが現実的に入手困難とか)ことがあるので、懐or地球に優しい人は注意してください。
最近はずいぶんとよくなりましたが、海外だと地域によって電源が原因でノートPCが壊れまくるので、取材旅行などの際にはご注意を。

○バックアップ
バックアップはHDDよりもUSBメモリやメモリーカードのほうが壊れにくいですが、フランさんが仰るように紛失には注意。上向きポートのついたUSB延長ケーブルに差しっぱなしにしておくと無くしにくいかも。洗濯しても無事だったりする半面、特にメモリーカードは静電気にめっぽう弱いので注意してください。
半永久的に使えるHDD(かなり壊れますが)と違って、USBメモリには寿命があります。大半の製品では寿命を迎えると、エラーも出ずにデータが壊れるようです。頻繁に使う場合でも半年から一年ぐらいで買い替えれば大丈夫だと思いますが、頭の片隅においておいてください。
いわゆる「安全な取り外し」はWindowsやMacだと、うっかり抜いても大抵大丈夫です。でも、他のOSでは普通に書き込みがなかったことになることも。故障時とか、Knoppixのような1CDLinuxでデータを救出する際は注意してください。
バックアップするデータの量が多くて時間がかかる……という人は、他のUSB機器を抜いておくと早くなると言われています。特にiPodが遅くなるとか。速度はe-SATA > FireWire > USBだと思います(FireWireは最近のMacにはありませんけど)。

最近はネットワークストレージも安価に使えるようになっています。Macの人はAppleのネットワークストレージが手軽に利用できますが、Appleクオリティなので色々と我慢が必要です。あとはタイムマシンは最強バックアップソリューション(言い過ぎ?)なので、利用できるならおすすめです。タイムカプセルもおすすめ(ちょっと遅いけど)ですが、ちゃんと保護してあげてください。

最後に、バックアップは上書きせずに全部とっておくと、いざと言うとき助かります。自分に絶望したことがあるひとにはおすすめ。

○難しいこととか
複数台で作業するバリバリな人は、夏場に空調が壊れるとコンピュータが壊れる確率が上がるので注意してください。最近のディスプレイは熱すぎます。
RAID(ミラーリング)はシステムのバックアップであって、データのバックアップにならない点に注意。ないよりはあったほうがいいですけど、データ破壊には無力だったり、HDDが同時に壊れることも多いです。「修羅場中にHDDが壊れても作業を強行できる」程度です。RAID5で泣く人は多いので、少なくともRAID6をおすすめ。RAIDな外付けHDDは相応に信頼性が高いですが、お値段も高いです。
和の人みたいな大容量全自動多重バックアップ環境を作るには、高価なハードを買うか、高価なソフトを買うか、自分で何とかする必要があります。何とかする場合、Mac OS XはUnixなので、Macだけでもなんとかなると思いますが、UnixもしくはLinuxの知識は必要でしょう。Windowsの場合はまあ多分なんとかなると思いますがわかりません。

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