「空爆」か「爆撃」「空襲」か


 「ガザ空爆」で検索すると約50万件、「ガザ爆撃」なら約34万件、「ガザ空襲」は約22万件がヒット。「空爆」「爆撃」「空襲」いずれも似た意味だが、日本では、太平洋戦争の記憶からか、とくに「空襲」には被害者側の視点がまとわりつく。大戦末期、日本の都市上空を悠々と飛ぶ米軍機を見上げる恐怖のイメージである。


 「空爆」という言葉が多く使われるようになったのは比較的新しく、1980年代のイラン・イラク戦争以降。それ以前は、多くの場合「爆撃」と記述されたのだった。空からの攻撃は爆弾投下だけではなく、ミサイル、ロケット弾、機銃掃射ともあるし、多様になった現代の戦闘状況を的確に表すには「空爆」の方が適切だという判断だろう。


 軍事的にはもっと細かい言葉の規定があるのだろうが、どんな言葉を使うかで、表現者のスタンスがはかられる。「ガザ空爆」か「ガザ空襲」か。メディアの言葉をそのまま繰り返すのではなく、細かい言葉のニュアンスにも神経を使いたい。


 「空爆」の定義は、次の本を参考にした。時間のたつのを忘れる本。


 


これも、この本からのインスピレーション。