「空爆」か「爆撃」「空襲」か
「ガザ空爆」で検索すると約50万件、「ガザ爆撃」なら約34万件、「ガザ空襲」は約22万件がヒット。「空爆」「爆撃」「空襲」いずれも似た意味だが、日本では、太平洋戦争の記憶からか、とくに「空襲」には被害者側の視点がまとわりつく。大戦末期、日本の都市上空を悠々と飛ぶ米軍機を見上げる恐怖のイメージである。
「空爆」という言葉が多く使われるようになったのは比較的新しく、1980年代のイラン・イラク戦争以降。それ以前は、多くの場合「爆撃」と記述されたのだった。空からの攻撃は爆弾投下だけではなく、ミサイル、ロケット弾、機銃掃射ともあるし、多様になった現代の戦闘状況を的確に表すには「空爆」の方が適切だという判断だろう。
軍事的にはもっと細かい言葉の規定があるのだろうが、どんな言葉を使うかで、表現者のスタンスがはかられる。「ガザ空爆」か「ガザ空襲」か。メディアの言葉をそのまま繰り返すのではなく、細かい言葉のニュアンスにも神経を使いたい。
「空爆」の定義は、次の本を参考にした。時間のたつのを忘れる本。
- 作者: 大森洋平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/12/04
- メディア: 文庫
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これも、この本からのインスピレーション。
「感動をありがとう」「感動をもらった」は、1990年代以降の言い方。「そもそも感動は身の内から湧き出るのであって、他人とやり取りするものではない」(「考証要集」文春文庫)。感動は、主体的に自分の心に湧く心のありようだからこそ意味がある。お仕着せの常套句では感動も軽薄なものになる。
— 古田 彰信 (@furutaakinobu) 2014, 9月 8