●今年の夏はとても暑くて光が強く、強い光を見ると興奮してしまう質なのでテンションが上がって張り切りすぎてしまったようで、九月の中頃すぎから無理をした疲れが出てしまったのか、我ながらどうも低調なのではないかという感じがずっとつづいていた。しかしそれも、十一月の末くらいから少しずつ回復傾向に転じているような気がしてきている。
今の時期は午後になるともう夕方みたいだし、朝から重くどんより曇っているような日がつづくとどうにも内にこもる感じになりがちなのだけど(悲しさとは、比喩ではなく、冬の寒くて曇った日のことを指すのではないか、と思う)、たまに早く起きて、よく晴れた日の午前中に外に出ると、強いというのとは違う、冬の晴れ間にしか見られない光の澄んだ響きがあって、高まるというのではなく、抑えられた静かな興奮が空間のなかにひろがるのを感じる。