●エリー・デューリングのプロトタイプを、ブリコラージュとあわせて考えるといいのではないかと思った。プロトタイプは、ブリコラージュによってつくられる、と。ブリコラージュによってつくられたものが、たまたま、世界のある鍵穴にぴたっとハマってしまった時、それが結果としてプロトタイプとなる、という風に。しかしそれは、ちょっと変形すると今度は別の鍵穴にもハマることがある。神話というものがまさに、ブリコラージュでつくられたプロトタイプということか。
(『野生の思考』についての「100分de名著」をなんとなく観ながら思った。)
『野生の思考』にある、呪術的思考が科学的な思考のベースとなっているという考えを、もっと華麗に展開させたのが、分類にはトーテミズムがベースにあり、物理学にはアニミズムがベースにあり、数学にはアナロジズムがベースにあるとする、セールの『作家、学者、哲学者は世界を旅する』なのだなあ、とも思った。