2010-04-13 「CO2 25%削減」という「意思決定」は「正しく」なされたのか?
「CO2 25%削減」という「意思決定」は、「正しく」なされたのか?
かなーり間があいてしまいましたが、仕事に少し余裕がでましたので、前回の続きを書きます。
今回は、この日本において、「CO2 25%削減」を進めようという動きは、誰が何に基づいて判断したことなのか、正しいプロセスですすめられているのか、ということについて考えたいと思います。
「CO2 25%削減」とは、2009年の民主党のマニュフェストに記載されていたものです。
よって、CO2 25%削減は国民に支持されたマニュフェスト、ということになります。
そしてそのマニュフェストを政策に落とし込み、実行しようとしている、というのが現在の状況です。
「CO2 25%削減」は、このような経緯を経て、鳩山首相の 2009年9月22日の国連演説での表明で明らかになりました。
私は、この進め方において考えなくてはいけない3つの論点があると思います。
1つ目は、「二酸化炭素25%削減」というマニュフェストを、国民が選択した、と果たして言えるのか、ということです。
2つ目は、国民は、科学的な仮説である地球温暖化の予測を十分に理解していたのか、そして二酸化炭素25%削減ということによっておきるメリット・デメリットを十分に理解していたのか、ということです。
3つ目は、マニュフェストを政策として実行する際、今後も25%削減を進めていくという国民の民意を問う意思決定のポイントを儲けるべきなのではないのか、ということです。
それぞれ一つづつ検証したいと思います。
■「二酸化炭素25%削減」というマニュフェストを、国民が選択したと言えるのか
結論から言えば、これは難しいのではないかと思います。
マスメディアはひと時、何かに取り付かれたかのように、地球温暖化を防止しよう、
そのためには二酸化炭素の削減が必要である、とまるでプロパカンダのように繰り返していました。
このマスメディアの宣伝により、国民はあまり疑いもなく地球温暖化のために二酸化炭素25%削減が必要だ、と思い込んでいた節があります。
ですが、直接、民主的な手段を使って、国民に二酸化炭素25%削減を実行することを問い、国民がこれを選んだとは言い難い状況です。
なぜならば冒頭でも述べたとおり、「二酸化炭素25%削減」はたくさんあるマニュフェストの1つであり、国民はこのマニュフェストを直接選択したわけではない。
よって、1つ目の検証の結論としては、「国民は二酸化炭素25%削減というマニュフェストを選択したというのは難しい」としたいと思います。
■国民は、科学的な仮説である二酸化炭素による地球温暖化の予測を十分に理解していたのか、そして二酸化炭素25%削減ということによっておきるメリット・デメリットを十分に理解していたのか
これも結論から言えば、十分に理解していたとは言い難いと思います。
地球温暖化の予測には幅があること、科学的にかなり不確実性が大きいこと、ちょっとした仮定の違い、まだわかっていないことの影響により、予測が大きく外れてしまう、という類のものであることを明確に理解している人はあまりいないのではないかと思います。皆。科学者という"権威"、マスメディアという"権力"の言うことをそのまま鵜呑みにしているように思います。つまり、自分の頭で考えていない状態だと思います。(日本人にこれを求めるのは刻かもしれません。特に科学の分野においては)
科学者、マスメディアはみな二酸化炭素は地球温暖化の原因である。地球温暖化になると、北極の氷が解ける、ツバルが水没する。なので二酸化炭素を削減しよう、という安直なロジックを国民に植え付けました。
そして国民はそれを素直に受け入れているように見えます。
私が腹立たしいのは、科学者までもがマスコミに加担し、国民をあおっていた事です。
彼らは基本的には預言者ではありません。観測される事実をもとに、ありえる可能性はすべて網羅的に考えることです。ですが、今回の温暖化の一連の論議では、マスコミに主に取り上げられたのは、コンピュータシミュレーションを基に、二酸化炭素の増加は温暖化を引きこす、という主張をしている科学者です。
コンピュータシミュレーションによる温暖化の予測は、科学者の裁量でいかようにも変更できます。そしてその科学者の想像を超えるような発見が後にあれば、いとも簡単に覆ってしまう類のものです。
最近、欧米の科学雑誌が、二酸化炭素による地球温暖化説の中心であるIPCCの結論について懐疑的な記事を乗せていますし、その他、IPCCの二酸化炭素-温暖化説には怪しいところがたくさんあることが指摘されています。
またデータの改ざんを行っていたというようなありえないことが行われていることがわかってきました。
これらからいえることは、現時点では、二酸化炭素による地球温暖化は、科学における1つの仮説に過ぎない、ということです。一番の問題は、それがさも事実であるかのように、国民に対して伝えてしまったことです。
まず、マスメディア、が国民に伝えるときの正しい態度は、ある主張がある場合は、その反対の意見も理由とともに伝えることです。たとえ、国外の権威ある機関が発表していたとしても、それを鵜呑みにするのではなく、自分たちの目と頭を使って、自分たちなりの見解を考えること、国民に伝えること、これがあるべき姿ではないでしょうか。国民から視聴料を徴収しているNHKですらこれができないので、日本にはこのような成熟した、正しいマスメディアは存在しないということなのでしょう。
また科学者も幼稚であると思います。自分の主張する説がマスメディアの思惑と一致し、マスメディアに取り上げられていることでうれしがっているのでしょうか。
大人の科学者は、自分の研究を無邪気に述べるのではなく、それに基づいて意思決定する人たちがいることを意識すること、自分の発言に責任を持つこと、科学としての可能性をすべて伝えること、ができなくてはいけないのだと思います。(話がややこしくなって伝わりづらくなる場合には、それを乗り越える必要があります)
というわけで、国民はマスメディアと科学者の偏った言説により、二酸化炭素による地球温暖化説がどのくらい確からしいのかについて十分に理解していない、と言えるのではないでしょうか。
次に、二酸化炭素を削減することのメリット・デメリットについてですが、これも十分に理解していたか疑わしい。
デメリットは、二酸化炭素削減は産業界の活動の制約となり、景気が悪くなるかもしれない、というような理解で、メリットは地球温暖化防止、ぐらいにしか考えていないように思います。
私は、デメリットとしては、産業活動への制約になるということ以外に、他国が日本の呼びかけにそっぽを向いてしまったら、日本はこの主張をどうするのか、取り下げたとしたら日本は信用を失うでしょうし、進めれば日本だけが損をしてしまう、ということを考えました。
メリットとしては、代替エネルギーへの転換の圧力となるのではないか、ということがあげられます。これは地球温暖化防止のためでなはく、石油といういつか必ず枯渇するエネルギーに依存している、というハイリスクな状況から抜け出す、という意味で必ず必要なことだと思います。
ほかにももっとたくさんメリット・デメリットはあるかと思いますが、これらが十分に議論し尽くされたかといえばそれは難しい。マスメディアや政治の世界でこうした言説を見かけたことはほとんどありません。(一部ではありましたが)
ですので、2つ目の検証についても、国民は、科学的な仮説である二酸化炭素による地球温暖化の予測を十分に理解していたのか、そして二酸化炭素25%削減ということによっておきるメリット・デメリットを十分に理解していたとは言い難いのではないかと思います。
■マニュフェストを政策として実行する際、今後も25%削減を進めていくという国民の民意を問う意思決定のポイントを儲けるべきなのではないのか
上記の考察から、日本国民は、二酸化炭素25%削減について、そのよい面、悪い面、影響、確からしさを十分に理解した上で、二酸化炭素25%削減を選択したとは言い難い状況だと思っています。
そこで、メリット、デメリット等を十分に検討した上で、再度日本国民の総意を問うべきだと思います。しかしこの話題のみで総選挙、というのもコストに見合いません。なので、マニュフェストの再検討を行うための新しい仕組みが必要なのではと思います。
現在はICTが発達していますので、これを活用して低コストで国民の総意を得ることは難しくないとおもうのですが・・・
■私の問題意識
今頃二酸化炭素25%の話をするなんて、鮮度が落ちている古い話をしていると考える方もいらっしゃるかも知れません。(実は私にはそのような感覚があります。しかい25%の議論が起こってから1年もたっていないし、25%削減が本格化していない状況で、その感覚はおかしい気もします)
私が問題としているのは、鳩山政権の、マニュフェスト掲げた事柄を実行するそのプロセスにあります。
私は、地球温暖化の例から、マニュフェストの実行に際して、政権を獲ったその後の検証、国民の民主的な同意のプロセスがバッサリと抜け落ちているのでは、という指摘をしたと思っています。
今後の政治のあり方において、マニュフェストに掲げたことが、本当に国民のコンセンサスが取れているのか、実効性、メリット・デメリット、戦略の検証を十分にすることが、政治への信頼と回復し、日本をよい方向へ進めていくために絶対に必要なことだと思っています。
その前に、国民の側このような問題をしっかり考え、判断するための素養と、飽きずに最後までやり遂げる気概が必要なのですが、それがあれば、日本は今頃もっと違った国になっていたでしょう・・・・
(終わり)
- 5 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGLL_jaJP317JP317&q=なぜco2削減なのか
- 3 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=各国が占めるGDP&ct=&pd=1&sr=0000
- 2 http://d.hatena.ne.jp/keyword/選挙
- 2 http://d.hatena.ne.jp/keyword/総選挙
- 2 http://docomo.ne.jp/cp/as-rslt.cgi?pno=1&key=CO2+GDP比&sid=000
- 2 http://docomo.ne.jp/cp/as-rslt.cgi?pno=1&key=GDP+イギリス+イタリア&sid=000
- 2 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=信用の法則&start-index=7&adpage=3&ct=2097152&sr=0104&t=20100421234333
- 2 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=二酸化炭素+25&start-index=7&adpage=3&ct=2097152&sr=0101&t=20100421231821
- 2 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=CO2削減 意味はある?&ct=&pd=1&sr=0000
- 2 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?query=CO2+25%&ct=&pd=1&sr=0000