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不識庵の面影

2016-05-28

映画「スポットライト 世紀のスクープ」

先月末、映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観ましたが、この後に劇場で5本の映画を鑑賞しており、ブログを書くペースが追いつきません。


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もっとも、追いつく必要はありませんね。兼好法師よろしく「徒然ブログ」な訳ですから・・・

三度の飯よりも好きな銅像鑑賞もブログ「今年も銅像巡り、はじめます!」を書いてから、既に20体以上の銅像を鑑賞していますし、書籍やCD然り、です。

休日は予定が目一杯でもあり、これからブログは月1〜2本程度の更新できれば良しとしなければという感じです。

ここ最近、週末は劇場で我が人生の重要関係人と映画を愉しむことが定番となっています。

映画を観ることもさることながら、鑑賞後にお互いの価値観や感性の親和性や「え、そうですか!」といった相違を愉しんでおります。

私はドキュメント風映画を好みます。

そう、実話に基づいた映画は脚色はあるとはいえ、大筋で「ほんとうにあった話」ですから、感動的な作品が多いもの。

この映画「スポットライト 世紀のスクープ」も、そんな映画でした。


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   劇場プログラム


ウィキペディアには次のような文章が掲載されています。

「映画は2003年にピューリッツァー賞を公益報道部門で受賞した『ボストン・グローブ』紙の報道に基づき、米国の新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙『スポットライト』チームによる、ボストンとその周辺地域で蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描く。
マーク・ラファロマイケル・キートンレイチェル・マクアダムスジョン・スラッテリースタンリー・トゥッチ、ブライアン・ダーシー・ジェームズ(英語版)、リーヴ・シュレイバービリー・クラダップらが出演している。
本作は2015年、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション外部門で披露されたほか、テルライド映画祭やトロント国際映画祭の特別招待部門でも上映された。
北米ではオープン・ロード・フィルムズの配給で2015年11月6日に公開された。
日本ではロングライドの配給で2016年4月15日に公開される予定。本作は数多くの組合賞や批評家賞を受賞したほか、様々な媒体によって2015年最良の映画の一つに挙げられた。
第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演男優賞 (ラファロ)、助演女優賞 (マクアダムス)、脚本賞編集賞6部門にノミネートされ、作品賞と脚本賞を受賞した」


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   数えきれないほどの受賞に輝く!


カトリック司祭による性的虐待事件という暗澹たるテーマですが、「宗教とは何か」を仕事柄考える機会も多いため、この映画は観なければと考えていました。

「事実は小説よりも奇なり」と申しますが、大きな組織には権力抗争あり、また隠蔽体質ありは世の常とはいえ、宗教団体で起きている不祥事は敬虔な信者さんへの「精神的な詐欺行為」以外のなにものでもありません。

映画「スポットライト 世紀のスクープ」の公式HPのイントロダクションは次のとおり。

「2002年1月、アメリカ東部の新聞『ボストン・グローブ』の一面に全米を震撼させる記事が掲載された。
地元ボストンの数十人もの神父による児童への性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。1000人以上が被害を受けたとされるその許されざる罪は、なぜ長年にわたって黙殺されてきたのか。
この世界中を驚かせた"世紀のスクープ"の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、アカデミー賞6部門(作品賞/監督賞/助演男優賞助演女優賞脚本賞編集賞)にノミネートされるなど、名実ともに全米で絶賛を博す社会派ドラマ、それが『スポットライト 世紀のスクープ』である。
本作は、このジャンルの金字塔というべき名作『大統領の陰謀』を彷彿とさせる生粋の“ジャーナリスト映画”でもある。
虐待被害者の生々しい証言に心揺さぶられたチームの皆が、元少年たちの悲痛な叫びを世に知らしめようと、寸暇を惜しんで奔走する様を力強く描出。“間違っていることは間違っている”と報じたい、“正しいことは正しい”と表明できる社会でありたい、ただその一心で、立ちはだかる権力と対峙しながらも記者魂を貫く彼らの姿は爽快ですらあり、閉塞した現代を生きる観客の共感を誘うことだろう。≪スポットライト≫が報じたこの調査報道は、2003年に栄えあるピューリッツァー賞(公益部門)を受賞している」


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   禁断の世界をこじ開ける(劇場プログラムより)


“間違っていることは間違っている”と報じたい、“正しいことは正しい”と表明できる社会でありたい。これは家庭や会社にも言えることです。

しかし、『名将言行録』に掲載された鍋島直茂の「わが気に入らぬことが、わがためになるものなり」という名言は上に立つものが、諫言の難しさを理解しているかを「戒める」ものです。

主観において嘘と真の区別はないため、諌める方は「覚悟」がなければ「諫言」などできないのです。

しかし、普段から耳触りのいい言葉しか聴いていないと耳逆らうことは稀であるため、諫言する者の方が「異常」に感じられるのです。

青臭いと自分でも思いますが「処世術」という言葉は大嫌いです。

しかし、いい意味で「諦める」ことは大事だと最近は考えることが出来るようになりました。

「諦」とは四諦というブッダの言葉からも解るとおり「言偏」に「帝」です。他人はいざ知らず、自分にとって恥ずかしくない生き方であればいいのですから・・・



閑話休題



映画「スポットライト 世紀のスクープ」のストーリーを公式HPから引用します。


「2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。
マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。
その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。
デスクのウォルター・ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。
やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった・・・」


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   ただ真実のために・・・(劇場プログラムより)


絵画や彫刻、音楽同様、映画も鑑賞する者によって「名作」ともなり「駄作」ともなるのです。

私は書籍限定でAmazonに「へっぽこレビュー」を書いていますが、評価は5段階あるのですが、私は「5つ星の書籍」のみ紹介しています。

勿論、同じ「5つ星」でも微妙な相違はありますが、それを3、4、5と判定することはナンセンスです。

この5段階評価は「お客様アンケート」でもありますが、基本は「よい」か「よくないか」ですし、「ふつう」は「よくない」と同義です。事実、Amazonのレビューに対する評価は「参考」になったか、ならなかったかの二択ですから。

千差万別、百人百様、十人十色、三者三様ですから、評価は「私にとって」という前置きが必要ですし、公序良俗に反しているものがAmazonで売られている訳もなく、「よくない」ことを、ことさら吹聴する必要性を私個人としては意味を見出せません。

ちなみに私にとっての最上級の表現は「金額に代え難い満足感」。

映画「スポットライト 世紀のスクープ」は「金額に代え難い満足感」が得られた作品でした。

この映画に関する評価はさまざまですが、バチカン放送のコメンテーターは「誠実」で「力強い」作品と讃え、グローブ紙の報道こそが米カトリック教会に「罪を完全に受け入れ、それを公に認め、すべての責任を取る」ことを促したと評しています。

また、バチカン日刊紙オッセルヴァトーレ・ロマーノ」は本作がアカデミー作品賞を受賞した際、「反カトリック的な映画ではない」「同作は、敬虔な人々がこうした恐ろしい現実の発見に対峙したときの衝撃と絶大な痛みを表現することに成功している」といった内容のコラムを掲載しているそうです。


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   仕事に必要なのは使命感(劇場プログラムより)   


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この映画の原案となったのはボストングローブ紙の600本以上の報道記事をまとめたノンフィクション『スポットライト 世紀のスクープ カトリック教会の大罪』

この日本語翻訳本には映画監督脚本家の序文が寄せられているそうです。

その内容は、いま新聞は茨の道を歩んでおり、販売部数が十数年間で半分以下まで落ち込んでいるという事実が記され、こうした現状において時間と労力と資金がかかる昔かたぎの「調査報道」はもはや不能ではとの疑問もあるが、だからこそ映画を撮影したのだと書かれているそうです。

この映画の「もうひとつの主題」が滲んでくるようです。


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   教会の暗部を解明していく!(劇場プログラムより)


この事件が明るみに出たボストンは、都市部に住む380万人のうち200万人以上がカトリックで、米国で唯一人口の半分以上がカトリック教徒が占める大司教区の要。

政治家、警察、法曹、企業の重役に信徒も多く、「聖職者が起こす不祥事」の隠蔽が日常茶飯事であったようです。

勿論、ボストンだけが特別な都市だったわけではなく、1950年から2015年に米国だけで1万7259人の性的虐待を受けた被害者が6427人の司祭を訴え、教会は結局和解のため計30億ドル(約3249億円)以上の和解金を支払い、12の司教区が破産を申請しているのです。

映画で取り上げられたジョン・ゲーガン神父は、数十年にわたり、名乗り出ただけでも200人近い子供たちがレイプされたと教会に苦情を申し立てていたといいます。

さらに、この神父が卑劣なのは貧困家庭や片親の子供たちを狙っていたことにあります。

こうした家庭では神父は絶対的に信頼できる存在であり、信者としても「無防備」であること熟知していたからだといいます。


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しかし、なにより問題なのは教会が組織として隠蔽していたという事実です。

不祥事を起こした司祭は教区を転任するなど「たらいまわし」にされることで、多くの場合転任先で不祥事を重ねていくのです。

教会付属の治療機関に入院させられた司祭もいたようですが、出所しても新たな赴任先で不祥事を起こしたものも多かったようです。

加害者である司祭にはゲイも多くいたようですが、勿論ゲイだから性的虐待に走るわけではないでしょう。

同性愛がキリスト教や聖職者として正しいか否かではなく、聖職者による性的虐待という犯罪行為を教会が組織ぐるみで隠蔽し続けてきたことが問題なのです。

もっとも堕落しきった日本の出家者たちからみれば、まだ信仰に使命感をもった聖職者が多いようにも感じます。

日本仏教においては非僧非俗を打ち出した宗祖の親鸞聖人以来の伝統で真宗のみが「肉食、妻帯、有髪」を認められていたのです。まあ、キリスト教のプロテスタントの牧師さんが結婚が認められているのと同じですね。

日本仏教は大乗仏教とはいえ、真宗以外は出家し戒律を堅持しており「肉食、妻帯、有髪」は認められていませんでした。

しかし、明治以降、「我が子による世襲」が常識となった寺院に「法灯」を継いでいけるのか、はなはだ疑問です。

出家しても家で生活する僧侶を道元禅師や弘法大師は想像し得たでしょうか?

私は仏教系大学出身なだけに、僧侶の犯罪や珍事件を見聞きするたびに心が痛みます。


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   報道とは何かを考えさせる映画(劇場プログラム裏表紙




不識庵

2016-05-16

映画「64―ロクヨン 前編」

劇場公開直後に映画「64―ロクヨン 前編」を観ました。

この作品が映画化されると知ってから、待ちに待った映画です。


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   お気に入りの劇場で鑑賞しました


おそらく今年に入って鑑賞した映画の中で私にとってイチバンの作品でしょう。

この映画は、横山秀夫氏の同名小説を映画化したもの。


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ちなみに、この小説はNHK土曜ドラマにおいて昨年4月から5回にわたって放映されていますが、平成27年度の「第70回 文化庁芸術祭賞大賞(テレビ・ドラマ部門)」を受賞しています。

普段はTVを見ない私ですが、偶然ですが第一回目を見るともなしに見て、残念ながら第2回目を見逃しましたが、第3回から最終回まで観ていました。

ストーリーは既に判ってはいるものの、「映画」でも鑑賞したいと思わせる作品であり、公開されるまで待ち遠しくて仕方ありませんでした。絶妙なストーリー展開、「理想と現実」の乖離に進退窮まっていた私にとって「人生」や「仕事」を考えさせられる内容に強く惹かれたのです。

TVドラマでは「昭和を強く感じさせる顔立ち」であることが決め手となって、ピエール瀧が主役(地方警察の警務部広報官役)に抜擢されたそうですが、萩原聖人柴田恭兵吉田栄作木村佳乃などがキャスティングされていました。


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今回の映画は豪華キャストで制作されていますが、TVドラマも見応え十分でした。

どうでもいいことですが、我が家には10年ほどテレビという電化製品はない状態が続いており、TV番組は必要に応じて、もっぱらタブレットで観ています。

ニュース以外、定期的に観ている番組はNHK大河ドラマ「真田丸」しかありませんが・・・

勿論、テレビが購入出来ないほど困窮している訳ではありませんし、観もしないBS料金まで含めて、ちゃんとNHKの受信料は支払っています。

実際、テレビを観る時間的余裕がありませんし、録画するという行為は社会人となってからというもの、ついぞございません。

どうも漫然とTV番組を観るのは性に合わないのですし、録画しても観ないであろうことは私の性格上あきらかです。

膨大なCDや書籍や図録を愉しむのもままならない状況です。


閑話休題



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   映画プログラム


瀬々敬久監督(脚本も久松真一氏と共同で担当)による映画「64(ロクヨン)前編」は筆舌に尽くしがたい味わいのある作風でした。

原作が秀逸であること、キャストも私が御贔屓している佐藤浩市奥田瑛二永瀬正敏筒井道隆をはじめ、赤井秀和、小澤征悦椎名桔平、吉岡秀隆、三浦友和などなど超豪華な顔ぶれであることにも起因していますが、やはり「どんな映画になるか」は監督、脚本家の力量に負うところが大きいことは言を待ちません。


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   貫録十分、主役を演じる佐藤浩市


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   奥田瑛二の渋みのある演技がたまりません


もう、後編の公開が待ち遠しい・・・この映画の良さを「へっぽこブロガー」の筆力では十分に表現しえないのがもどかしい。

公式HPには「日本映画界最高峰の超豪華オールスターキャストが集結。究極のミステリーが感動の人間ドラマとして、ついに映画化!!」と銘打たれたイントロダクションがありますが、以下のとおり。

「『半落ち』『クライマーズ・ハイ』など数々の傑作を生み出してきた横山秀夫が7年ぶりに世に放った衝撃作『64(ロクヨン)』は、2012年『週刊文春ミステリーベスト10』第1位、2013年『このミステリーがすごい!』第1位などに輝き、瞬く間に文壇を席巻した。
そんな究極のミステリーが、日本映画界を代表する超豪華オールスターキャストによって、前後編2部作のエンタテインメント超大作『64ロクヨン―前編/後編』として、ついに映画化」


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   警察という大組織の中での葛藤・・・


小説をほとんど読まないので、原作との違いは判りかねますが、寺尾聰主演・佐々部清監督の映画「半落ち」、堤真一主演・原田眞人監督の映画「クライマーズ・ハイ」も大好きな作品です。


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お気に入りの映画はDVDも購入します


物語を創造する小説家に敬意を表しつつ、「映画」を鑑賞させていただいております。

私は観ておりませんが、NHK土曜ドラマでも「クライマーズ・ハイ」が制作されており、佐藤浩市氏が主演していたそうです。

イントロダクションの続きです。


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   ぶつかり合う大義・・・何が正しいのか


「かつては刑事部の刑事、現在は警務部の広報官として、昭和64年に発生した未解決の少女誘拐殺人事件、通称『ロクヨン』に挑む主人公・三上義信に、日本映画界が誇る名優・佐藤浩市。三上の部下として奔走する広報室係長・諏訪に綾野剛。諏訪と共に三上を支える広報室婦警・美雲に榮倉奈々。広報室と対立する県警記者クラブを取りまとめる東洋新聞キャップ・秋川に瑛太。『ロクヨン』事件被害者の父・雨宮芳男を永瀬正敏。三上の刑事時代の上司で、かつて『ロクヨン』追尾班長も務めた捜査一課長・松岡勝俊に三浦友和。そのほか、夏川結衣、緒形直人窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二仲村トオル、吉岡秀隆、などベテランから若手まで主演級の俳優陣が、いずれも物語の重要な役柄として出演。

さらに、エンディングで流れる主題歌『風は止んだ』を担当したのは小田和正

そして、『ヘヴンズ ストーリー』(2010年)で『第61回ベルリン国際映画祭』国際批評家連盟賞を受賞するなど世界的にもその実力が評価されている鬼才・瀬々敬久が監督を務めた」

エンディングで流れる主題歌「風は止んだ」は、もう名曲です!

歌詞もグッときますし、この曲が映画のラストで流れ・・・感極まります。映画予告の最後で一部聴くことができますが、以下の動画では映画の主題歌となった経緯や歌詞の一部を観ることができます。


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   小田和正の歌声に感極まります


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「風は止んだ」のCDは是非購入せねばなるまい・・・

オフコースを本格的に聴いていた訳ではありませんが、小田和正氏の歌声には惚れており、「愛を止めないで」「時に愛は」「I LOVE YOU」「YES YES YES」はお気に入りの歌ですし、ソロになってから明治安田生命の企業CMソングとして使われていた「たしかなこと」は、たまらなく好きで自分の葬儀に流して欲しいくらい。


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イントロダクションには驚くべきことが書かれています。

「主人公・三上義信は、警察という組織の中で生きる個人としての葛藤を背負い込みながら、広報官として常にマスコミからの外圧にも晒されている。さらには父親として、娘の家出失踪という家族の問題も抱えながら。そんな三上が、『ロクヨン』事件の真相に辿り着いた先に見たものとは―

映画『64ロクヨン―前編/後編』は、『ロクヨン』事件の真相を巡る究極のミステリーであることはもちろん、三上を取り巻くすべての登場人物たちの心情が複雑に絡み合う重厚な人間ドラマである。

そして、原作とは異なる映画ならではのエンディングに、見る者すべてが慟哭する」

「原作とは異なる映画ならではのエンディング」とあります。

原作を読んでいないだけにNHK土曜ドラマのラストが原作どおりか判りかねますが、う〜ん、気になる・・・はやく後編が観たい!

ちなみに、公式HPのプロダクションノートも順次公開されるという念の入りようです。

そこにも「横山秀夫の集大成を映画化。そして原作とは異なる結末」という見出しの第一話だけが公開されています。

ちょっと長いのですが引用します。


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   後編には、どんな結末が描かれているのか・・・


映画『64―ロクヨン 前編/後編』の原作『64(ロクヨン)』は横山秀夫のデビュー作『陰の季節』に始まるD県警シリーズ3作目にしてD県警初の長編である。書き下ろし、「別冊文藝春秋」での連載、また書き下ろしの期間を経ていよいよ完成目前となった09年、単行本の発売日まで決定する。

しかし、冒頭から読み返した横山が“この出来では読者からとてもお金をいただけない”と判断して出版を中止。その後改稿を重ね、12年10月にようやく発売となった。出版後には、週刊文春『2012年ミステリーベスト10』国内部門、宝島社このミステリーがすごい!2013年版」国内編で、ともに第1位を獲得。

横山も、自身の集大成と位置付ける警察小説の金字塔である。その映画化に当たって、主演の三上義信役に抜擢されたのは佐藤浩市。かつて『逆転の夏』(01年)、『クライマーズ・ハイ』(05年)と横山作品を映像化したTVドラマに主演していた彼は、今回の原作も出版されてすぐに読んだとか。

横山さんの小説は一人称で書かれている。しかも『クライマーズ・ハイ』並みにボリュームがあって、感情の起伏がジェットコースターに乗ったように変化していきますから、この三上という主人公を演じるのは大変だろう。ある程度覚悟がないとできないと感じていました”と佐藤は言う。

過去のドラマで俳優としての彼に信頼を寄せていた横山秀夫は、このキャスティングを歓迎したという。三上の視点で綴られる膨大な量の原作を群像劇として映画の脚本にするため、原作者と脚本を書いた久松真一瀬々敬久との間で、何度も意見のキャッチボールがなされていった。久松真一によれは脚本の改稿は22回にも及んだという。

横山秀夫は“小説では主人公の心理変化を秒間隔で書いていけるという利点がありますけれど、三上が見たもの聞いたもの以外は書けなくて、彼がすべてを知るまでには時間がかかるんです。映画は、前編は小説をトレースした感じがしますけれど、後編になると三上以外の主要登場人物たちの心理が表現されて、作品としてすごく立体感が出ていました。作家としてはちょっと悔しいですね(笑)”と作品の印象を語っている。

特に原作とは異なる映画独自の結末には、そこにたどり着くまでに何度も瀬々監督やプロデューサーらと意見を闘わせたそうで、“随分話し合いました。こう撮りたいという瀬々さんの思い、こう演じたいという俳優さんたちの思いが非常に強いことが分かりました。じっくり話し合って本当に良かった。みんなの強い思いが詰まった、とても幸せな映画になったと思います”と賛辞を寄せている」

このプロダクションノートの続編も早く読みたいものです。

とまれ、「前編/後編」という「蛇の生殺し」公開はやめてくれ〜と叫びたい、そんな今日この頃です。


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   映画「64ロクヨン 後編」の公開は6月11日!



不識庵

2016-05-15

映画「追憶の森」

映画「追憶の森」を鑑賞しました。

ここ最近、立て続けに劇場で映画を観ていますが、「百聞は一見に如かず」とはよくいったものです。

映画の予告編は実に上手く作られており、「これは観ねばなるまい」と身震いするような映像のオンパレード!

しかし、です。

実際に観てガッカリする映画も意外と多いものです。

たとえば、映画「フィフス・ウェイブ」の予告はこんな感じです。


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しかし、実際にはトンデモ映画でしたね、ホント。

こんな映画がある一方、映画「アイアムアヒーロー」は予告を観なければ鑑賞しなかった映画。


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これぞ、エンターティンメントという作品でした。

原作はすでにコミックが20巻も出ている連載中の漫画だそうですが、ほとんど漫画を読まない私ですが「たかが漫画されど漫画」。

漫画はアニメ同様、クール・ジャパンを牽引する日本が誇るべき「文化」だと感じます。


今回、ご紹介する映画「追憶の森」の予告編は、渡辺謙さんが語りかけるイントロダクション付、こんな感じです。


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結論からいえば「観てよかった映画」です。

最近、観てよかった映画は「追憶の森」以外に2作品ありますが、観るペースに「へっぽこブログ」が間に合いません。

ちなみに、稀代の映画通として知られる一条真也先生が推奨されている映画「レヴェナント:蘇えりし者」は、私自身ストーリーが好みではないのと関係人が鑑賞を拒絶していることもあって未鑑賞です。

さて、TSUTAYAをはじめ、いまや映画もDVDレンタルで鑑賞する方も多いようですが、私は「やっぱり劇場で観る派」です。

勿論、気に入った映画のDVDも購入しますが、基本は妻と一緒に観るロードショーです。

最近では「夫婦50割」という気の利いたサービスもありますし、数回で1本無料で鑑賞できる特典もあります。

またレイトショーでは限りなく貸切状態で大スクリーンで鑑賞できる醍醐味はたまらぬものがあります。

特に感動的な作品をロードショーで観た時の「お得感」は筆舌に尽くせません。

映画「追憶の森」の公式サイトのイントロダクションは以下のとおり。


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   映画プログラム


「『評決のとき』から20年にわたりハリウッドの第一線を走り、『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞®主演男優賞に輝いたマシュー・マコノヒー。『ラスト サムライ』でアカデミー賞®候補になって以来、日本を代表する国際派スターとして活躍する渡辺謙。
演技力と存在感で映画界に確固たる地位を築いた2人が初めてタッグを組み、驚きと感動に満ちた異色のミステリーを誕生させた。
舞台は富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海
そこを人生の終着点にしようと決めて日本にやって来たアメリカ人アーサー(マシュー・マコノヒー)は、原生林が鬱蒼と生い茂る森の中で、出口を求めてさまよう日本人タクミ(渡辺 謙)と出会う。
怪我を負い、寒さに震えているタクミをアーサーは放っておくことができず、一緒に出口を探して歩き始める。
しかし、まるで森の魔力に囚われてしまったかのように道はどれも行き止まりで、方向感覚を失った2人は厳しい自然との闘いを強いられる。
その過酷な状況下、運命共同体となったタクミに心を開いていくアーサー。やがて彼は、樹海への旅を決意させたある出来事を語り始める・・・」


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   愛は思わぬところで、あたなを待っている


アメリカ映画で「なぜ青木ヶ原樹海なのか?」が気になりますし、御贔屓の渡辺謙さんが出演していますから、もう鑑賞決定です。

予告を観るかぎり、妻帯者としては切なくなる感じ・・・しかし、きっと救いがある映画であることが仄かに伝わってくる予告映像に期待大。


公式HPのストーリーを見てみましょう。

富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海。その鬱蒼とした森の中に、恐る恐る足を踏み入れるアメリカ人男性がいた。
彼の名はアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)。
片道切符を手に日本へやって来た彼が樹海を訪れた目的はただひとつ―それは、自らの人生を終わらせることだった。
森の開けた場所に腰を下ろし、ゆっくりと永遠の眠りにつく準備を始めるアーサー。そんな彼の目の前に、傷ついた身体をひきずりながら森の出口を求めてさまよう日本人男性(渡辺 謙)が現れる。
『ここから出られない。助けてくれ』と懇願する男を放っておくことができなくなったアーサーは、寒さに震える男に自分のコートを着せかけ、出口に続く道へと誘導する。
しかし、さっき通ったはずの道はなぜか行き止まりになっており、既に飲んでいた薬にふらつきながら歩いていたアーサーは崖から転落して怪我を負ってしまう。
それは、アーサー自身の人生を象徴するかのような出来事だった」


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   青木ヶ原樹海で出逢った男は何者なのか  


「アーサーは結婚生活に問題を抱えていた。
原因は3年前の彼の浮気。
それ以来、妻のジョーン(ナオミ・ワッツ)は酒に逃避するようになり、事あるごとにアーサーを責めた。
さらに、大学の非常勤講師に転職して収入が激減したアーサーと、不動産仲介の仕事で高収入を得ているジョーンの間に生じた経済的な格差が、夫婦の溝をいっそう深めた。
ジョーンに対する愛情が消えたわけではなかったが、自分の努力だけではどうにもならない状況にアーサーは苛立ち、苦悩する日々を送っていた。
そんな中ジョーンの病気が発覚。夫婦の関係には新たな道が開けるはずだった」


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   この夫婦に一体何が起こるのか


「アーサーが樹海で出会った日本人は、ナカムラ・タクミと名乗った。
森をさまよう中で小川をみつけたタクミは、『下流に向かって進もう』とアーサーに提案する。
しかし川は途中で途切れ、寒さに震えながら歩く2人の頭上には無情にも雨が降り注ぐ。
雨風をよけるために2人は洞窟の中に避難するが、洞窟の中に石と鉄砲水が流れ込み、押し流されたタクミは意識を失ってしまう。
ぐったりしたタクミを励まし、必死に介抱するアーサー。
偶然にもテントを発見した彼は、その中に残されていたライターを使って暖を取り、ひと時の安らぎを得る」


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   樹海を彷徨う「ふたり」はどうなるのか


「その夜、タクミと共にたき火を囲んだアーサーは、樹海への旅を決意させた出来事を語り始めた。
『絶望して来たんじゃない。悲しみでもない。罪の意識で来た。僕たちは相手への接し方を間違っていた』。
タクミに心を開いたアーサーの口からは、深い悔恨の言葉がほとばしり出る。
だが、その時アーサーはまだ知らなかった。
コート、タクミの妻子の名前、岩に咲く花、水辺、『楽園への階段』、『ヘンゼルとグレーテル』―樹海で起きたすべての出来事が1本の奇跡の糸で結ばれることを・・・」

この映画はひとことでいえば「グリーフケア・ムービー」といえる作品ではないでしょうか。

日本人なるがゆえに「奇跡」への布石が判ってしまうことは致し方はありませんが、こんなことがあったら「愛する人を亡くした人」のこころは癒されるだろうと心底感じました。

ネタバレになるので多くのことは書けませんが、私たちが何気なく「やり過ごす」ことの中にこそ、「ほんとうに大切なこと」があるのと同時に、人には避けることのできない「災難」もあるのです。

例えば交通事故死。

警察庁の資料によれば、昨年1年間における交通事故死者数は4117人で15年ぶりに増加しているとあります。

交通事故死者数が増加した要因としては、事故に遭った際の致死率が高い高齢者(65歳以上)の人口が増加していることなどが要因として挙げられており、昨年は高齢者の交通事故死者数が一昨年との比較で54人増の2247人であり、交通事故死者に占める高齢者の割合は54%を超えたと報じています。

少子高齢化の影響が交通事故の死亡者にも及んでいます。

当たり前といえば当たり前ですが、自動車を運転する者としては心してハンドルを握らなければなりません。

一日当たりの交通事故による死亡者は約11人です。

もっとも人の死は「統計学」で語るものではありませんが、自分自身が、あるいは愛する人が交通事故に遭わない保証はありませんし、最悪の場合、即死することも・・・つまり、今日の会話が最期の会話となる可能性もあります。

道元禅師は「愛語能く廻天の力あることを学すべきなり」という言の葉を遺しておられますが、まさに「肝に銘じ、魂に銘ず」です。

況や天災をや、です。

今回の熊本地震しかり、5年前に起きた東日本大震災しかり・・・まさに天のみぞ知る、です。

私の郷里である新潟も古来、地震の多い土地柄です。

私が生まれてからでも、昭和39年の「新潟地震」、「新潟県中越地震」(平成14年)、「新潟県中越地震」(平成19年)と3回も被害に遭っています。


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清貧の僧侶として有名な良寛さんも、晩年に大地震に見舞われています。

文政11年(1828)11月12日、私の実家がある三条市を中心に起こった地震です。

マグニチュードは7と推定されており、死者1400人余り、倒壊家屋は11000戸と記録に残っています。

良寛さん、齢71才でしたが、親しくしていた蔵元の山田杜皐(とこう)が末子を地震で喪い悲嘆に暮れていました。

良寛さんが、その杜皐に宛て以下の内容の手紙を出しています。


地震は信に大変に候 
野僧草庵は何事もなく親るい中 
死人もなく 
めで度存候
うちつけにしなばしなずてながらへてかゝるうきめを見るがはびしさ 
しかし災難に逢 時節には災難に逢がよく候 
死ぬ時節には死ぬがよく候 
是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候
かしこ

(『良寛全集』下巻 東郷豊治編著 東京創元社


「災難に逢う時節には災難に遭い、死ぬ時節には死ぬのが宜しい。自然の摂理をわきまえ心を定めることが、災難を逃れる妙法」という良寛さんの凄味はどうでしょう。

良寛さんは、杜皐が子を喪ったことには触れず、さり気なく突如と来る災厄に対する覚悟、すなわち「死ぬ覚悟」を説いています。

禅僧である良寛さんの深い慈愛に満ちた言の葉は、私のような凡夫にも腑に落ちる一文です。

愛別離苦・・・唯一の例外なく、愛する人と死に別れなければならない時がきます。


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閑話休題


とまれ、自分のこと、愛する人々のことを考えさせられる映画でした。

この物語の制作背景については公式HPに詳細に「“ブラックリスト”入りの脚本」という見出しで詳細に掲載されていますので、ご興味のある方はどうぞ。


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   光の向こう側には何が待ち構えているのか・・・


一般公開に先立って開催されたプレミアイベントに渡辺謙さんが登壇し、次のようなコメントを述べています。

「シリアスな映画ではあるけど、ふと立ち止まって、初夏の風の匂いなどを感じてもらえるような映画です。本日ご覧いただけることを本当に嬉しく思います」

「オファーがきたときは、東日本大震災のときでだったんです。この映画は死生観なども反映されている作品なので、そのときは、それを背負いきれる心の余裕がなく、お断りしました。
でも、一昨年にまたオファーをいただいて、そこでガス(・ヴァン・サント監督)が決まったと聞いて、その後マシューも決まって、じゃあ受けようということになったんです」

「今回の熊本での震災や難民問題やテロなどが様々な問題が多発する中で安住の地はどこにあるのだろう、どうやったらそこへ辿りつけるんだろうと、みんな悩み続けていると思います。
その中で、どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、ガスが優しく描いています。
この映画は、ふと立ち止まってみてもらいたい映画です。こうしなければいけないとかこうあるべきだと、今世の中でがんじがらめになっていることが多いと思うんです。
だけど、一旦立ち止まって、今自分の周りには誰がいるのか、誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います」

この映画に描かれている世界を信じれるかどうか・・・理屈抜き、「こころの眼」で鑑賞すべき映画です!



不識庵

2016-05-14

イネディット(INEDIT)

今宵はとっておきのビールを愉しんでいます。

外では浴びるほど酒類を飲むのですが、家ではほとんど飲まないといっても過言ではありません。

とはいえ、気になるアルコール類は衝動買いしてしまうので、家が酒蔵状態になってはいますが・・・

先日、個人的に若人たちの志を聴く機会がありましたが、酒席ということもあって実に愉しい会話が出来ました。

ご一緒した妙齢の女性が、どんどんビールをおかわりする光景には感服!

それはそれは気持ちいい飲みっぷりでした。

最後は冷酒で〆ましたが、ビールといえばスペインの高級ビールとして名高い「イネディット」を購入したはいいが、既に一か月が過ぎようとしています。


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   INEDIT、どんなテイストなのか・・・


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   スペインの高級ビールです


そこで今宵、お気に入りのコリン・メイのCDをBGMに抜栓することにしました。


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ブログ「三日月(FUTAGAMI)」でご紹介したお気に入りの栓抜きで抜栓することにしました。


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   三日月(FUTAGAMI)で抜栓  


こうした「ボク宝(ほう)」が数百点はありますが、モノへの想いも大切にしたいですね。

「用の美」は使うことによりモノを活かすことで、そのモノが本来持つ美しさを存分に引き出していくこと。

「これぞビールのドンペリ!」「シャンパンのようなビール」「ビールの概念を覆すビール」など、素晴らしい賛辞を集めるビールですが、高級ビールといっても良心的な値段で、私のようなものでも気軽に購入できる値付けです。

このビールの生みの親は、スペイン人シェフのフェラン・アドリア氏。

1962年生まれですから今年で54歳。

スペインのルスピタレート・ダ・リュブラガート出身の料理人ですが、コスタ・ブラバのロザスにある「エル・ブジ」の料理長といえば、おわかりでしょうか。

レストラン「エル・ブジ」 (エル・ブリとも)は、イギリスの『レストランマガジン』で「世界のベスト・レストラン」で4年連続1位となった名店。

客席はわずか45席・・・しかし年間200万人もの予約希望者がいる「世界で最も予約の取れないレストラン」であるのは周知のとおり。

しかし・・・2011年7月30日に閉店してしまいます。

ご興味のある方は日経トレンディネットの「世界NO.1レストラン『エル・ブリ』が完全閉店の本当の理由」という記事をどうぞ!

ちなみに、このレストランは『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』という題名で映画化されています。


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フェラン・アドリア氏は「セレブを迎えるワインはあるがビールがない」として、「エル・ブジ」のソムリエたちとバルセロナのビールメーカー「ダム社」とビールを共同開発。それが2009年に世に出された「イネディット」というビールなのです。

「世界最高の料理の味を損ねることなく、料理を楽しみながら美味しく飲めるビール」が開発のコンセプト。

原料は上質でピュアな水、大麦麦芽、小麦、ホップ、コリアンダー、オレンジピール、酵母を使用、ラガービールとホワイトビールの醸造法を組み合わせて醸造されます。

このイネディットは「エル・ブジ」とは対照的に手軽に入手することができます。私は某輸入小売店で買い求めましたが、Amazonでも購入できます!

このビールは「香を楽しむ」ためにワイングラスで飲むべしと紹介されていますが、普段自宅ではワインなぞ飲みませんのでワイン・グラスがありません。

グラスは形状(機能)だけならばワイングラスは100円ショップでも買えますが、今宵は学生時代からのお気に入り、バカラローハン・シリーズのゴブレットでいただくことにしました。

ちなみに、このグラスも「ボク宝(ほう)」に認定されています。


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   バカラの真紅のBOXは実に美しい


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   学生時代からのお気に入りのグラス


もっとも、Amazonでは、このゴブレットをワイングラスとして紹介しています。

周知のとおり、バカラ社は1764年にフランスのロレーヌ地方のバカラ村で創設されたクリスタルガラス製品を製造するメーカーです。

創設以来、最高のクオリティを誇る制作技術によって世界中に影響を及ぼし、「王者たちのクリスタル」と称されるほど。

製造された製品のうち、消費者の手に渡るのは6〜7割程度といわれますが、それはバカラの品質基準が極めて厳格であるため。

また、フランスの「M.O.F」(最優秀職人、日本でいえば人間国宝?)を50人以上輩出しているそうです。

ローハンはフランスの町の名前だそうで、1855年のパリ万博で名誉大賞を受賞したシリーズ。

繊細なエッチングがビューティフル、かなり薄い仕上げになっており、不覚にも以前に割ってしまったことが二度ほどあります。

まあ、「気分は贅沢に!」ということで、このグラスにイネディットを注ぎます。


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   エッチングの美しさに惚れ惚れします   


ひとくち口にすると香りが鼻に抜けていく!その感じがたまりません

クリ―ミーな泡立ち、これがビールなのかという口当たりには驚きです。かすかにオレンジの味覚を感じますが甘すぎず、適度なキレもあります。

ささやかな至福の時、とでも申しましょうか・・・僅か数百円で、こころ豊かになれるシアワセは格別ですね、ホント。

日常の瑣事を愛すること、つまらない「こだわり」を捨てること、人生を豊かにしていくのは存外難しいことではないようです。

最近は飄々と吹く薫風を愉しみながら、素敵な関係人と過ごす時間を大切にしています。


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   満月の如くハートフルな味わい!


「純白のメルセデス、プール付のマンション、最高の女とベッドでドン・ペリニヨン」という浜田省吾の歌詞にある「欲しいもの」でいえば、有難いことに私にとっての「最高の女」はおりますが、そのほかは夢のまた夢、というようり興味はありません。

B級グルメで十二分に満足できる私は、三ツ星レストランは無縁の存在。

しかし、このイネディットは時折、ちょっとした贅沢として愛飲することになりそうです。


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   人生は二度なし、味わっていこう!



不識庵



イネディット 330ml×4本

イネディット 330ml×4本


フライ・アウェイ

フライ・アウェイ

2016-05-10

今日は残された人生の最初の一日目!

5月10日。

今日は私淑する一条真也先生の御生誕記念日です。

誠におめでとうございます。


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このブログ不識庵の面影」は、平成24年5月24日から始めたアマゾンへのレビューのうち、「一条本」レビューの再編集記事「天下布礼(一条本)」をメイン・コンテンツとしています。

ブログは平成24年8月30日から始めたのですが、その意味では「不識庵の面影」の生みの親は一条真也先生とも言えましょう。

昨年の5月10日以降も数多くの上梓された「一条本」から、「人として何が正しいか」という気づきを戴いております。

本当に有難いことです。


親といえば、私の母は昭和12年生まれで今年79歳になりますが、おかげさまで新潟で元気に暮らしております。

父は平成14年5月29日に69歳で往生の素懐を遂げましたが、昭和7年の生まれですから存命であれば今年で84歳・・・

厚生労働省の人口動態調査によれば、平成27年の出生数は約100万8000人、死亡数は約130万2000人と推計されています。1日当たり2980人が生まれ、3567人が死んでいることになります。

ちなみに婚姻件数は63万5000組ですが、離婚件数は22万5000組。1日当たり1739組が結婚し、616組が離婚している計算です。

当たり前ですが、毎日が誰かの誕生日であり、祥月命日であり、何らかの記念日なのです。

大したことではありませんが、ふと「記念」という漢字が「言」「己」「今」「心」に分解できることに気づきました。

まあ、言葉遊びのようなものですが、「記念」とは「いま、自分のこころが言わずにはおれない言葉」と解釈すれば「感謝を表明する言葉」=「ありがとう」となると考えました。

「大いなる見えざるチカラによって生かされている命」であることに毎日気づくことができれば「ついてる、ついてる、ありがとう!」です。

しかしです。

一日一日を振り返ることも大事です。

我が母校の校歌「かくて過ぎぬる今日も亦 我向上の我なるか」という歌詞が社会人となった久しい今でも、ふと口をついて出ます。

敬愛する稲盛和夫翁「六つの精進」には「反省のある毎日を送る」という一条が掲げられています。

「一日を終えた後、その日を静かに振り返り、反省をする習慣を持ちましょう。
例えば、その日の行いが、『人に不愉快な思いをさせなかったか』『不親切ではなかったか』『傲慢ではなかったか』『卑怯な振る舞いはなかったか』『利己的な言動はなかったか』と振り返り、人として正しいことを行えたか問いかけてみます。
もし自分の行動や発言に反省すべき点があれば、改めなければなりません。
反省のある毎日を送ることは、人格を向上させ、人間性を高めていくことにつながります。
日々の反省が、自分の悪い心を抑え、よい心を伸ばしてくれるからです。
常に進歩向上できる人は、「反省のある毎日」を送っている人なのです」
稲盛和夫OFFICIAL SITEより)


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毎日の反省とは、すなわち「365日、人生を振り返る人たれ!」という教えなのです。

「明日という日」は明日になれば「今日になるわけ」ですから、永遠に明日には生きられないという厳然たる事実に気づいて、今日という日を大事に過ごさなければと感じます。

いずれにしても今日は「残された人生の最初の一日目」であることだけは確かなのですから。


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不識庵