情報の海の漂流者

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生活保護関連統計資料等まとめ1〜生活保護の全体像

福祉関係の資料を集めだして半年。
丁度いい機会なので関係資料をまとめてみる。
多分グラフ化することには意味がある。
いつかコピペして使う予定。

戦後の生活保護世帯数の推移


【元データ】『平成21年度版保護のてびき』p2にコメントを付けたもの。
生活保護世帯数は景気の影響を受けて変動する。ここ最近生活保護世帯が急増しているように見えるのはバブル期を基準にしているからだという点もある。

平成19年度生活保護世帯の類型


高齢者世帯が約半数を占める。


【元データ】国立社会保障・人口問題研究所
「生活保護」に関する公的統計データ一覧
「世帯類型・保護受給期間別被保護世帯数の年次推移」よりグラフを作成。

生活保護廃止の主な理由(H.20)


【元データ】平成20年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)からダウンロードできるエクセルファイル。
廃止理由の一位が死亡、第二位が失踪であることに、暗然とさせられる。
高齢世帯を中心に、生活保護が常態化していることが伺われる。

都道府県別生活保護率


【元データ】『生活保護制度をわかりやすく解説した、ハンディタイプの一冊!「保護のてびき[平成21年度版]」(amazon)』より『福祉行政報告例』を孫引きし、「Epi Info」にて地図作成。
なお、元資料には指定都市や中核都市のデータも掲載されている。
福岡県が特に高いが、その事については後述の『生活保護vsワーキングプア』内で詳しく触れられている。

生活保護費内訳


【元データ】厚生労働省:全国福祉事務所長会議の資料についてを縮小したもの。
医療費が約半数を占めている。

注)認知症(痴呆症)は精神疾患に含まれるらしい。
【参考】高齢者と生活保護と認知症については生活保護ケースワーカー奮闘記〈2〉高齢化社会と福祉行政 (MINERVA21世紀福祉ライブラリー)(amazon)が詳しい。

【参考】病類別医療扶助人数の内訳については「福祉行政報告例」参照のこと
また、「保護のてびき[平成21年度版]」(amazon)p32に、病類別医療扶助の推移についてのグラフがある。

【参考資料】精神病床における認知症入院患者数の年次推移


【元データ】厚生労働省:全国福祉事務所長会議の資料について

【参考資料】社会的入院

社会的入院(しゃかいてきにゅういん)とは本来の治療目的で病院に留まるのではなく、治療の必要なく長期入院を続ける状態、または、その状態の患者のこと。長期入院中に身寄りが亡くなるなど経済基盤の崩壊、長期の入院により社会性や生活習慣が衰える、ホスピタリズムにより精神が荒廃した為に自立生活が困難になるなどの理由で退院後の生活が成り立たないため長期入院を続けるといった社会問題の側面も持つ。また、家族などの引き取り手に拒否される、自宅で面倒を見られないために惰性的に入院を継続させられている高齢者介護の虐待的問題にまで使用される。
社会的入院 - Wikipedia

  1. 社会的入院については「社会的入院」の研究―高齢者医療最大の病理にいかに対処すべきか(amazon)が詳しい。
  2. 社会的入院と医療費の問題は生活保護に限らない。一般世帯でも高額医療費還付の問題等により、公的負担金額は高い。
    1. 【参考】厚生労働省:障害者自立支援法
  3. 【参考】社会的入院からの復帰については財政破綻した夕張市の医療改革を取材したNHKの「夕張 年老いた町で〜医療再生に賭けた700日〜」が詳しい。

【次】2〜生活保護と外国人