半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3173 読破61冊目「みんなの道徳解体新書」

「みんなの道徳解体新書」(パオロ・マッツァリーノ ちくまプリマー新書
著者はイタリア人で日本文化を研究している人です。
道徳の副読本を中心に道徳教育について,批判している内容です。
有名な資料「手品師」については,次のように批判しています。<引用始まり>
もし,約束をすっぽかされたことで少年が手品師を恨んだら,その少年のほうを叱るべきです。きみは相手の都合を考えない,心の狭い人間だよ,と<引用終わり>

こんな感じで,いろいろな道徳資料を批判しています。
教育関係者ではない人が読むなら面白いでしょう。

道徳授業無用論的な内容ですから,現場教師にとっては,言いたいことを言っているだけの自分勝手な内容と受けとめました。

週1時間,年間35時間やらなければいけない教師にとっては,あまり得るものがない本です。

現場のことを十分に理解していないで批判ばかりするテレビのコメンテーターと同じ匂いがします。

みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)

みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)