火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

今年最初の読了。年が明けてから買った本だけど、一気に読みきってしまった。
タイトル通り火星を縦断する話。著者がNASAで火星探査を研究している現役の科学者なので、最新の火星に対する知見満載。他の人のブログなどでは人物描写に重きを置きすぎだろうという意見が多かったが、実際その通りだった。ハードSFではあるのだけど、半ば冒険小説の側面もあるのでこういう描写が多いのもありかなと思った。
残念なのは文字通り火星の地表での話だけ、サポートする地球側の描写はおろか行き帰りの宇宙船の話とかがばっさり省かれていたことか。やはり著者の専門は惑星探査であってロケットは分野が違うと省かれてしまったか。時代設定が2028年となっているので、ISSは出来ていることになっているが、それ以外の画期的なロケットなどは登場していない設定のようだ。やはりあとは金だけか。