2007-09-01 入国審査時における外国人の指紋照合の義務化
ニューカレドニアからの旅行の帰りに初めて知ったのですが、外国人が日本へ入国する際に指紋照合が義務化されるそうです。入国審査時指紋照合制度を最初に採用したのは米国だそうです。その際には諸外国から不満の声があがりました。例えばブラジルでは、ブラジルに入国するアメリカ人からのみ指紋の採取を行なうという対抗措置とも思える行為を行なっているそうです。http://easy.mri.co.jp/20060822.html
つまり、相手が採用すればこちらも同じものを採用するという「相互主義」です(国際政治では毎度おなじみのもの)。よって、日本が入国審査時指紋照合制度を採用すれば、諸外国が日本人に対して入国審査時指紋照合制度を採用することは充分考えられます。相互主義を採用する国が出てきても、「日本が先に実行しているのだからやむを得ません日本国民の皆様、承服してください。」ということになるのは、目に見えています。
この制度は、対テロ監視を目的としたものであり、確かに対テロ対策にはなるとは思うのですが、対テロ対策以外にもいろんなものに活用(悪用)できそうです。例えば、http://easy.mri.co.jp/20060822.html
によれば、
「先行する米国では、9.11の影響を受けて、2003年以降はこれを大幅に拡張した「CAPPS 2」を導入する試みが行なわれた。 CAPPS 2は、公共および民間データベースを検索して個人情報を読み取り、米国に出入国する旅行者の情報を取得する。そして、取得したデータを分析して、対象の旅行者の危険性を数字でランク付けする機能も含まれていた。まさに、対テロ用強力個人データベースシステムとでも呼ぶべきものであった。同システムがアクセスするデータベースは、米連邦捜査局(FBI)、全米犯罪情報センター(NCIC)、米国務省のデータベースはもとより、米国税局(IRS)、米社会保障庁(SSA)、州の自動車登録局、クレジット・ビューロー、銀行の記録などにも渡ると見られていた。更には、日本の「住民基本台帳ネットワーク」のデータなど、世界各国で始まっている住民のデータベースも利用されるものと見られていた。また、航空会社や旅行代理店などが管理する、旅行者の予約記録(PNR)のデータも取得可能となる見込みだった。」
ということです。
国税局の情報、クレジットや銀行の記録情報、さらには「住民基本台帳ネットワーク」のデータなど、世界各国で始まっている住民のデータベースまで分析することが、はたしてテロリストの判別に役立つのでしょうか。住基ネット採用時に問題提起されたプライバシーの問題と同じ問題が生じるはずです。また、アメリカに追従するしか脳の無い日本政府のことですので、アメリカが「CAPPS 2」を復活させれば日本政府もそれに前習えするでしょう。
今回の一番の問題は、住基ネットのときのような、賛否両論に分かれた議論がなんらなされていないことです。この法案がいつ通ったのかさえ、国民の大部分が知りません。日本政府の言い分としては、「外国人に対しての指紋照合制度であり日本人は無関係の法案のため、住基ネットのときのような議論は不要である」程度の反論が考えられます。しかし、前述したように、相互主義は世界政治の常識です。後々日本人に付けが回ってきます。このような法案を、我々が知らないうちにこっそりと通していいのでしょうか?
