『千里の道もGAMBAから』

2005-08-19 『不条理家族 夫婦と嫁編』  

(ガラガラ)

「お義父さん、お義母さん。ご無沙汰です。夏のご挨拶に参りました。」

「おかあさん、誰かお客さんやで〜」

「いややわ、おとうさん。嫁のユキさんですがな。

えらいお久しぶりで。 寛永八年以来ですかいな?」

「お義母さん、相変わらず ツカミ 冴えてはりますね〜 

これ、つまらないモノですけど。 ヒロシさんと私からお中元です。」

「『紙おむつ』 やったらまだ早いで。」

「あら、コッチの袋は亜美のでしたわ。お義父さんのお好きな和菓子です。」

「あお〜げ〜ば〜 とお〜とし〜」

ハイハイ。そうそう。『和菓子の恩』ですわ。」

「若い反射神経が憎らしいっ!」 

「おとうさん、それ百ペラペン言うてるからですがな。素人にも読まれますねん。」

「ほんまにココいうたら、いつも違う星に来たみたいですわ。」

「それって うめぼし かな?」

(一同乾いた笑い)

「せやけどガンバが調子良いからお二人ともご機嫌さんですねぇ〜」

「おっ? 判るか、ユキさん。」

「そりゃあ、両手皿回しでお迎えされたら誰でも判りますわ。」

「さすがは・・・ なんやったかいな?おかあさん。」

「『新地消防士』 でっしゃろ? 

それよりユキさん、ご飯食べて行けますねやろ?もう暮れ六つやし。」

今日はユキさん来てくれはったさかい、寿司でもとるか? おかあさん。

もろた和菓子の金額内で。」

「気持ちいいB型ですね、お義父さん。『ガンバ攻撃サッカー』やわ。」

「ほらユキさん、まずは一献。 『大黒正宗』やで。」 

そうッスね! て、今のん似てました?」

「おとうさん、とりあえず突き出しに なすの浅漬け置きますわね。」 

「おい、おまえ、そないな所に置いたらオフサイドやがな。」

「おとうさん 古いわ、古川橋やわ。

 オフサイドのルール変わりましてんで。」

「そうか? さすがFIFA公認のおまえやな。」

「お義母さん、ふぃふぁ てっ?!」

「『古川橋 いっちょうめ フットボールで 遊ぼう会』 やんな? おとうさん。」

「フットボールまで英語でいったら最後もアソシエーションとか言いませんのん?

てか、ここ、古川橋 ちがいますけど?」 

戦後60年か・・・ 時の立つのは早いモンやな、おまえ。」

「ほんま、おとうさん、光陰矢のごとし ですわ〜」

「『工員矢野 ゴト師』 とかいう駄ジャレは?

・・・来ないんですかっ?ここで!」

「ユキさん。やっぱりうちの家風に合わんな・・・」 

「おとうさん、今更そんな事。

 ヒロシになんぼ見る目が無い いうたからって。」

「そやったな。何事も習うより慣れろ、やな。

フェルナンジーニョかて最初は使えるかどうか判らんかったもんや。

ワシらもユキさんの性格とビジュアルに慣れなイカン。」 

「どーせ、私、ビジュアルはブスです。面白くも無いですっ!」

「そない卑下せんでも。

確かに初対面の時、ユキさん緊張して『おたぁーさん』て言いはって。

アタシら「おとうさん」か「おかあさん」か、どっち呼ばれたんか判らんかったけど。」

「けどおまえ、『おたぁーさん』いうたら皇族みたいや〜 言うて喜んどったがな。」

「いつもおとうさんの後ろをついてく 『後続』ですねん!

ってこのボケはユキさんでも理解できますやろ?

レベル下げたわ、おとうさん。JFLやわ。」

「今のは伝わったな。伝送サッカー部 やがな、これ。」

「ところで、孫の修斗は機嫌ようサッカーやってますか?

 順調にガンバのサポにも してますかいな?」

「それそれ、おとうさん。大事やな。

アタシらの孫やさかい、大脳皮質運動野は保証付きやもんね。連合野と感覚野も優れてる 思うわ。」

「でも 脳幹が駄目やったらアカン 思いますわ。」

「うわー キッツイ返し 喰ろたわ〜 今のは宮本のオウンゴール並みやったな、おとうさん。」

「・・・セレッソに宮本コールされて・・・あれは史上に残る屈辱やった・・・ おえぇぇ〜〜」

「おとうさん、思い出して気持ち悪なったがな。 吐くんやったらキッチン行ってや。」

「うおえぇぇぇーーっぷ。 キッチン・ハイター って。 エヘっ!」


「も、もう、そろそろ おいとまいたしますわ。」

「あらあら、まだお寿司のガリが残ってますやないの。

 昭和人間やったらビニールの葉蘭以外 残したらあきませんで。」

「甘酢チュ〜チュ〜やな?おかあさん。 あれは吸うんやな?

 噛んだらいかん、て 一子相伝として修斗にも伝え・・」 

「ハイ、今度は師走にでもまた寄らせて頂きます。お歳暮でも持って。」

「おかあさん、罠やで。 修斗のクリスマスプレゼントへの呼び水、呼び水。」

「これこれおとうさん。

せやけど去年あたしらに表計算ソフト送って来たんは嫌みかいな?ユキさん。」

「すみません。あれは配送の手違いですの。」

「あの カルーセルかマクセルアクセルランドセルか、そのエクセルに、やな、」

「知っとんねんやったら早よ言えよっ!」

「ユキさん遅いわ〜ツッコミ。 クロスあがったら即ヘッドやないと。

 おとうさんヴィッセルまでいくトコやったわ。 危ない危ない。」

「その頃には、ガンバが優勝してたら良いですね!」

「たら! たら!

 ワシの辞書には「たら」は無い! ああうぅぅ〜」(バタン)   

「きゃー お義父さんっ!」

「おとうさん! 

 こんなトコで心室細動 起こしてたら優勝決定戦なんか見られませんで!」

「そやった。 あの世へ行くのはもう少し松代! エヘッ!」

「なんか ものっそい ムカつく・・・

 あ、いいえ。

 そしたらお義父さん、お義母さん、えらいお邪魔しました。

 アセロラゼリー色のマグロのお寿司も、うっすいうっすいお味噌汁もご馳走さまでした。」

 

(ガラガラ)


もしもし。ヒロシさんですか? 今、定期訪問終わりました。

お二人のご様子ですか? 前回と一緒ですね〜 症状は。ええ。

『新地消防士』 いえ 心理療法士 の私としましては、これからの事も相談して ええ。