干合(その3)


 日干以外の天干同士の干合は、年上と月上がほとんどです。
 まれに、年上と時上、あるいは月上と時上の干合をとる場合もありますが、それは日干が干合して、昨日申し上げた妬合や争合している場合のみですから、ここでは省略させていただきます。


 さて、年上と月上の干合は、すべてエネルギーの増減を問います。
 どちらかがエネルギーが弱くなり、あるいは両方とも弱くなるとみます。


 たとえば、年柱が丙申、月柱が辛酉とします。
 この場合、年上丙と月上辛が丙辛干合しますが、辛のエネルギーはあまり弱まることはありませんが、丙のエネルギーは約半減するとみます。


 理由は、まず丙からその地支申を十二運でみて、「病」となり、辛からその地支酉をみて、「建禄」で、申の上に乗っかっている丙は弱く、酉の上に乗っかっている辛は根があるとして強いとみます。
 次に月令をみます。
 丙から月支の酉をみて「退気」となり、辛から月支酉をみて「当権」です。
 辛は月令も得て強い状態です。


 地支に通根し、月令も得ている辛がしっかりしているのに対して、丙は地支に根がなく、月令も得ていないので弱々しい状態です。
 干合は一種の“綱引き”の状態ですから、この丙と辛の干合は、丙が辛に引っ張られているとみることができます。


 命式で、丙が忌む神であればこの干合は何もいうことはないのですが、もし丙が喜神であれば干合によってエネルギーが弱まるわけですから、この丙辛の干合は忌むべき干合となり、その原因をなす辛が仇神となります。


 もうひとつ例をあげますと、年柱が戊申、月柱が癸卯のような場合です。
 年上戊と月上癸が戊癸干合します。
 この場合は、戊から申を十二運でみて、「病」、癸から卯を十二運でみて、「長生」で、癸のほうがやや地支に根があるとして強いとみます。
 月令は戊は月支卯に引いて「進気」となり、癸から月支卯をみて「退気」となります。
 この場合は、戊のほうが有利となります。


 つまり、この戊申と癸卯の戊癸干合は、十二運では癸が勝ちで、月令では戊が勝ちとなり一勝一敗で、エネルギーの増減は両者半減するとみます。
 戊と癸が命式全体にどのような作用を与えるかによって、この戊癸の干合の吉凶はいちがいに判定できませんが、いずれにしても日干のわれに対して両者とも顧みない存在となりますので、あまり喜ばしい状態とはいえないわけです。


 命式内に干合があればあるほど、エネルギーの増減をみていくのに訳の分からない状態となるわけですから、とても吉命であるとはいえないわけで、干合していない干(天干と地支蔵干)は〝実なる干〟であるのに対し、干合している干は〝虚なる干〟として精神的に何か問題があるとか、心情的に現実離れした掴みどころのない人とみることがあります。