2006-09-24
■コンシューマーゲーム機の年末商戦と2011年商戦
PLAYSTATION 3 20GB HDDモデルは49,980円−下位モデルもHDMI標準搭載に。「喜んでもらえるかな?」 (AV Watach)
さらに、2006年のE3でのPLAYSTATION 3の仕様発表時には、「HDMIを上位機種にしか付けない」としていたことについて質問が及ぶと、「(HDMI無しの発表をした)E3段階ではHDMIのテレビは無かった(少なかった)。色深度も各色8bitで、アナログでつないだ方がきれいで、“また、余計な機能を”と怒られると思っていた。しかし、 HDMIはものすごい勢いで普及し始めようとしている。“HDMIが無いと最高のデジタルオーディオが鳴らせない”という意見も頂いた。我々の予想を超えてHDMIの需要がある、時代がもっと早まると感じた」と状況の急激な変化を説明。
マイクロソフト「Xbox 360メディアブリーフィング」開催 日本向けタイトルを拡充、年内に110タイトルをリリース (GAME Watach)
E3で発表された周辺機器「HD DVDプレーヤー」についても発売日と価格が正式発表された。11月22日発売で、価格は20,790円。フルセットのXbox 360本体とあわせて考えれば、約6万円でHD DVDプレーヤーが手に入る。Xbox 360本体をコアシステムにすれば、もっと安上がりということになる。
PLAYSTATION 3の下位モデルの値下げが発表されましたが、これはきっとBlu-rayを普及させるための戦略商品としての役割が改めて社内で認められた(=当初の本体の赤字をより大きく被ることに本社トップが腹を括った?)というあたりなのでしょう。ユーザーとしては買いやすくなることは大歓迎です。
この判断は、HD DVDプレーヤーとしてのXbox 360の価格変更・発表を睨んでのことでしょう。SD解像度のWiiは何の影響もないでしょう。それに、おそらくWiiの商品寿命はPlayStation 2のそれより短いだろうと個人的に予想していますから、眼中には入りえないでしょう。
据え置き型ゲーム機と各社の戦略のトレンドを見れば、遅くとも2〜3年後には任天堂もHD解像度のゲーム機を発売せざるを得ません。
据え置き型ゲーム機のトレンドを振り返ると、1994年発売のPlayStationは3DCGの導入が目玉ですが、これはSD解像度でのリッチな全画面書き換えへの挑戦という面も忘れてはいけません。このためにPlayStationは当時のゲーム機としては非常識な量のシリコンを搭載したのです。ここには大きな技術的な壁があり、作品の表現力の制約を取り払う効果もあるからです。
1998年発売のDreamcastや1999年発売のPlayStation 2はSD解像度での全画面・フルレートのムービー再生能力の獲得が技術的な目玉でした。後者はDVDプレーヤーの機能を持った点(ハードウェアアシスト)が特徴でしたが、前者はそれに先立つ発売だったためCinepak圧縮方式の採用とCPUパワーによる伸張処理によりほぼ全画面のムービー再生を実現させました。もちろん、処理能力の大幅な向上はムービーのみならず、3DCGを含むゲーム画面の描写品質の向上にも寄与しています。
2005年発売のXbox 360と2006年発売予定のPLAYSTATION 3はHD解像度の対応で、前者はHD DVD対応(ただし2006年より対応予定)、後者はBlu-ray Disc対応も重要なポイントとなっています。SDからHDへの転換は、記録メディアよりもむしろ本体に内蔵するシリコン(半導体回路)の技術的な課題が大きく、アーキテクチャーの全面変更はほぼ必須と言えます。
さて、ここで任天堂の戦略を振り返ってみると、まず低価格であることが最優先にされているように見えます。Wiiはゲームキューブの最初の価格と同じ2万5千円となったことから、HD解像度対応の任天堂次世代機も2万5千円とされるでしょう。
さらに、任天堂機は製造原価を抑えるためと思われますが他社機と比較して少ないシリコンで実現されているように見えます。現時点でHD解像度を実現するにはXbox 360やPLAYSTATION 3と同等のシリコンが必要であり、目標価格が実現不可能です。おそらく任天堂としてはHD解像度の処理がぎりぎり可能なシリコンのコストが落ちてくる頃に新製品の投入を図ると思われます。ファブレスのメーカーが順当に投入できるタイミングは3〜5年先になると予想されますが、他社機対抗を考慮すると1〜2年の前倒しを図る可能性も想定できます。
他社機対抗で重要となるのは、おそらくHD解像度(ハイビジョン)テレビの普及速度でしょう。2011年の地上アナログテレビ放送の停波(デジタル移行)に伴うテレビの買い替えがそれなりに進みそうで、視聴者がハイビジョン放送へ馴染むであろうこと。ゲーム機に求められる画面品質も同時か多少遅れてハイビジョンになるだろうということです。(SD解像度のゲームは携帯ゲーム機や携帯電話で十分ということになるでしょう)
PLAYSTATION 4が2011〜12年頃、Xbox次世代機が2010〜2011年頃、任天堂次世代機は2008〜2011年に登場するとして、PLAYSTATION 4とXbox次世代機にはどんな新しい技術要素が投入されるのかを想像することは興味深いでしょう。その頃に投入可能なシリコンが一つの鍵になります。
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