八日目の蝉(2011)/★★★★★

永作博美に100%感情移入。号泣しました。
八日目の蝉 [Blu-ray]
完全に永作博美に持っていかれたので終盤は号泣。「この子はまだ・・・・」と写真館の場面で声を上げて泣いてしまいました。
母親の扱いがあまりにも酷いという意見もありますが、もともと愛人側(永作博美側)に焦点を当てた作品なのでこれ位の扱いをしないと感情移入しづらいという作劇上の都合だと思います。
井上真央の無表情ぶりも良かったのですが、何といっても小池栄子の演技が素晴らしい。
序盤にダレそうな所を小池栄子のキャラクタでぐいぐい引っ張っていきます。
もう一人光るのがエンゼルさんこと余貴美子。奇抜なキャラクタに見えますが、案外いそうな感じもします。(耳元で「わかるなぁルツさんやったら」とささやくあたりなんかゾクゾクしました)

その笑顔に出会ってしまったがゆえに逃避行を続ける羽目になった野々宮希和子。4年間の逃亡生活は幸せだったのではないでしょうか?
子供と暮らすためその4年間に全人生をかけました。
特に小豆島での幸せな生活は、楽しそうであればある程先のない絶望感に満ちており、言いようのない悲しみが込み上げてきます。

原作は未見ですが、過去と現在が入り混じる奥寺佐渡子の脚本が素晴らしい。
監督の成島出は「孤高のメス」も良かった。要マーク監督です。

挿入歌のDaughtersでも聞きながらもうしばらく余韻に浸りたいと思います。

観ることが出来て良かったです。