ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012)/★★★★☆

素晴らしい3D体験をありがとう

文学小説の映画化も動物映画も苦手な私ですが、"『アバター』を越える3D"見たさに川崎のIMAXで観てきました。
IMAXは前売り券も使えないので入場料は\2,200です。やはり高いですね。


結論から言うと「見ておいてよかった!」。高い入場料を払った価値は十分ありました。
迫力は十分だし『アバター』と違って前に飛び出してくる演出もあったりして3Dを存分に楽しむことができました。
3D版のBDが出たら買ってしまいそうです。


予備知識なし。事前に知っていたのはCMとタイトルだけだったので、

  1. どうやってトラと227日も共存するの?
  2. 食べ物はどうするの。トラが飢えずにいられるの?
  3. 飲み水はどうするの?
  4. トラや動物はどこまで本物なの?

など興味しんしんでした。


実際に見ると、それなりの解決策は提示されていましたが、それよりは次々と起きる出来事や絵画のような光景の連続に目を奪われました。
特に夕日の光景は美しすぎて、むしろ『奇蹟の輝き』を思い出させるようなビジュアルでした。(意図的にデザインされていた事は後で分かりましたが)


エピローグにあたる保険会社の人が話を聞きに来たという場面でもう1つの物語が語られます。
実はそちらが事実だったと言うオチのようですが、すでにパイとともに2時間近く究極体験を共有した身としては、正直この話が真実かどうかはどうでもよくなっていました。


トラや巨大クジラ、光るクラゲや空と海の境界線が分からないような光景。ミーアキャットの群れや飛び魚の大群。
いままでに見たこともないよう美しい光景やスペクタルを堪能した身としては、それらがどんな暗喩で、どんな意味があったかというのは、どうでもいいことのようにも思えます。
劇場で、3Dで、IMAXで、素晴らしい体験できた事に感謝です。
ありがとう。アン・リー


■余談その1
動物のほとんどはCGだそうです。確かにオープニングの構図はあまりにハマりすぎて嘘くさく見えました。
ただ画面を見ている限りでは全然CGには見えません。技術の進歩はすごいです。
(1か所、トラがボートを飛び降りるシーンでおやっと思う場面はありましたが)

■余談その2
なんちゃって3D(3Dの意味がない)映画はたくさんありますが、本作は本当に3Dを生かした作品だと思いました。嵐の場面の没入感も半端ないのですが、手前に飛び出してくる演出も随所にあって楽しめます。
私はシマウマが飛び出してそのままボートが船を離れる場面が一番ビックリしました。

■余談その3
3Dの予告編で『マン・オブ・スティール』『ダイハード/ラストデイ』『オズ はじまりの戦い』をやっていましたが、『オズ』が一番3D感がありました。というより3Dで観ないと意味がないぐらい3D的な演出が随所にされています。
逆に『マン・オブ・スティール』は3D感がほとんどなく、2Dの方がむいているように見えます。ただその予告を見ているときになぜか涙がつつーと。予告編で涙が出た経験は初めてです(それも自分の意志とは無関係に)。これはどうゆう意味があるのでしょうか?
こちらも楽しみです。