あとがき(?)

1.
そういえば当時の早稲田は低迷期にあり、現在の日大同様「予選会常連」の誹りを受けていた.
日大も10年後はこのように語られる日が来るのであろうか?


2.
1区区間賞は第一工大のキメリ.この年の第一工大ケニア人2人、モロッコ人1人の3人の留学生を使ったが、
8区12位以外の日本人選手が軒並み区間15位以下に沈み10位・・・ながらも、亜細亜・法政・順天堂・専修には勝っている.
京産大亜細亜を除いた3大学に勝っている.
2年連続で関東独占となった今年の成績と比べると隔世の感すらあり、
箱根駅伝の影響による関東一極集中がますます進んでいることが明白になっている.どこまで進むのだろうか.


3.
この記事を書く最初のモチベーションになったのは4位山梨学院という結果でもある.
山学は2010年まで続く連続シードの真っ最中であったのだが、オーダーはこのようなものであった.

大越3(16-16)-森本4(7-13)-荒木3(10-13)-向井4(8-13)-前岡4(15-14)-親崎4(12-14)-金子3(16-15)-モグス1(1-4)

(様式、引用元などは上記と同じ)
ひどいとしか言いようがない.
日大が拓殖が東経大第一工大が云々などと言っても何の効力もない時代が確かにあったのだ.
モグスはこの結果を見てチームを一喝、それが翌年の箱根2位につながったという伝説的逸話があるが、それも当然だとうなづける結果である.
ただ、山学はモグスがいる間、全日本では留学生頼りの駅伝から脱却することはできなかった.特にモグス3年次の8区55分台→総合6位という結果は目を覆わんばかり.
その後高瀬、井上を生んだ現時点でも、山梨学院は本文で書いたような留学生と日本人の相乗効果のモデルケースであると明言し、
「留学生は傭兵である」という厳しい意見に反論することがまだまだできていないのかもしれない.


4.
ここまで書いたのは良いのだが、途中で2009年にも日大は優勝していたことに気づいてしまった.
オーダーは以下のとおり.

井上4(12-12)-佐藤1(11-11)-堂本2(2-9)-ベンジャミン1(1-4)谷口4(3-2)-丸林4(7-3)-横松1(7-3)-ダニエル4(1-1)

(様式は上記と同じ、引用元:http://hakonesaijo.web.fc2.com/2009-zen-result.htm)
世は新山の神・柏原竜二に熱狂していた2009年、東洋大は1区に柏原を使ってロケットスタートを狙い、見事第一工大・ジュグナに次ぐ2位の好スタートを切った.
しかし後続が伸びず、5区安田で首位に立った明治が7区遠藤の区間賞で首位をキープし、最終区に臨む.
対する日大は中盤ベンジャミンとともに一気に盛り返し、最終区ダニエルが56分台の激走で逆転、
2人の留学生を擁した日大が2005年以来の3回めの優勝を果たした.
2位は6区7区で踏ん張った東洋、明治は最終区の細川が区間13位の誤算で3位に終わる.
2005年と比べると堂本と谷口が良いぐらいで、留学生偏重が強まっていることがよくわかる.
留学生を除いた戦力においては既に下り坂にあったのではないか.
この大会を最後に、日大は徐々に総合順位ですらも下り坂に向かっていく.
今年の9位という結果を底とすることができるのだろうか.


5.
ちなみに日大は05年、09年ともに箱根予選会を免除されている.
そもそもこの駅伝でシードを取ること自体が箱根予選会出場校には難しいのだが(1年に1校あるぐらいか?).

6.
2009全日本の山学は足のケガか何かでコスマスが走っていないが5位に入っている.かなり吃驚した.
やっぱりモデルケースだと胸を張っても・・・いやいや.
できれば来年度の好成績をもって高らかに宣言したいところ.是非ともやってもらいたいものだが.
簡易的にオーダーも貼っておこう.
後藤15.15高瀬4.8松本10.10大谷6.8小山7.8松枝2.6岩田6.5中川4.5
後藤と松本の2人以外が区間7位以内でまとめるという「らしからぬ」(失礼)駅伝.
箱根も1区松枝から高瀬(日本人として久々の2区だった)、コスマスとつないで上位をキープ.
5区の大谷康太が柏原につぐ区間2位で走り、大谷ツインズは『もうひとつの箱根駅伝』の主役の一角を担ってしまった.
復路は6区田口の3位から始まって無難にまとめた以外に言うこともあまりないが総合3位.
近年失敗ばかりの箱根の山で好成績を残したのが功を奏しているようだ.
全日本で日大が優勝すると山学の成績がいい.これは日大の復活を応援したくなってきた?