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space journal

2011-12-01

[]g86レクチャー@新建築!!!

g86が久しぶりにしゃべります!

第六回 彌田徹+辻琢磨橋本健史/403architecture[dajiba] × 鎌谷潤+山道拓人/g86

■日時:2011.12.2[金]18:00-20:00(開場:17:30)

■会場:吉岡ライブラリー

東京都文京区湯島2-31-2新建築社1階内)

■入場料:無料

■定員:50名

■応募:下記メールアドレスにイベント名、氏名、職業/所属学校、年齢、性別、メールアドレスを明記して応募して下さい。応募先着順。

■主催:株式会社建築

■予約受付: event@japan-architect.co.jp

『JA』82号のテーマ「日本の都市空間」を主題にした連続シンポジウム企画がスタートします。

若い建築家のみなさん、ぜひ、アーバンデザインについて一緒に考えましょう!

本企画は、今回ご寄稿いただいた建築家の方々に、ご提案いただいた「都市空間のアイディア」を起点にして、

誌面では2頁だけだった都市と建築のアイディアをさらに突っ込んでお話しいただこうというものです。

ところどころ、新作披露なども入ることでしょう!

シンポジウムゼミの中間くらいのイメージで、日本の都市空間をめぐって熱い議論をしてゆきたいと思っています。

また、お招きした建築家の方々には、それぞれ、20羽の折り鶴をお持ちいただくことになっています。

徐々に育っていき、50組をお招きした時点で、千羽鶴が出来上がる仕組みです。

ライブラリーへお越しの際は、それもお楽しみ下さい。

第六回は、403architecture[dajiba](彌田徹さん+辻琢磨さん+橋本健史さん)、

g86(鎌谷潤さん+山道拓人さん)の若手2ユニットをお招きし、

JA82で掲載したそれぞれの提案をもとにディスカッションしていただく予定です。

皆さまのご参加をお待ちしております。

2011-08-30

[]vol.27 森山 茜

今回は、ストックホルムで活動を始めた森山茜さんのインタビューです。日本で建築を学んだ後、スウェーデンテキスタイルを学んだ森山さんの作品遍歴と、いま考えていることについてお聞きしました。

※このインタビューは2010年の7月にストックホルムで行いました。


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ストックホルムのスタジオ


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photo: Jonas Isfält

森山茜(もりやまあかね)

1983年生まれ。

2008年京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科(博士前期課程)建築設計学専攻修了

ペトラブレーゼの主宰するInsideOutside(オランダ)でのインターンを経て、スウェーデン政府給費留学生として2010Konstfack/University Collage of Arts, Crafts and Designテキスタイル学科修士課程修了。在学中より、建築空間におけるテキスタイルを用いた作品を発表する。

現在はストックホルムにて活動中。主な作品に「O邸のカーテン」(建築設計:中山英之)、展覧会「Go Blanc」(ストックホルム)など。

ホームページ http://akanemoriyama.com/


interview

聞き手:坂根みなほ(g86)


建築からテキスタイル

坂根|今日は、日本からスウェーデンに至る経緯も含めて、時をさかのぼって話を伺っていこうと思います。

 茜さんの京都工芸繊維大学大学院での修士設計作品である「mille-feuille」(トウキョウ建築コレクション 2008 宮本佳明賞受賞)という作品は、布を重ねることで空間をつくっていました。また、修士 1 年の時にインターンをされていたオランダのインサイド・アウトサイドは、テキスタイルランドスケープデザイナーであるペトラブレーゼ率いる事務所であることなど、当時からテキスタイル建築の関係について考え始めていたと思います。

まず、修士の時の話から聞かせてください。

森山|学部修士ともに建築意匠の研究室で学びました。学部の卒業設計が終わって、これから自分が建築にどう関わって行こうか模索していた時に、先輩からたまたまペトラブレーゼという女性が率いるインサイド・アウトサイドというテキスタイルインテリアと同時にランドスケープのデザインを手がける事務所の存在を教えてもらいました。

 建築に対して独自の切り口でデザインを行う集団で、そのスタンスがとてもいいな、と思いました。とりあえずこの人達がどんな人達でどういう風に働いているのか会って確かめてみたいな、と思い、インサイド・アウトサイドへインターンをさせてもらいたいという手紙とポートフォリオを送りました。幸運にも受け入れてもらえ、早速行ってみたら想像以上に素敵な仕事場だったんです。

 いい音楽と空気が流れる中で皆テキパキ仕事していて、楽しくて笑いの絶えない場所でした。彼女たちの働き方がそのまま建築へのスタンスとして作品につながっていると感じました。建築設計事務所とはまた違うアプローチの仕方、そして働き方をしていたと思います。側面とみなされがちなところから建築のことを真剣に考えている。そういうふうに建築に関わっていくのが自分にあっているな、と実感しました。

 インターンを終えて日本に戻った時に、まず一番可能性があって面白いと思ったテキスタイルという素材から初めて、それがどう建築に関われるのか自身の手で確かめながら探りたいと思いました。なんとなくピンときた学校がスウェーデンストックホルムにあったので、そこに志願することに決めました。

 なので、修士制作は最初から大学院修了後にスウェーデンの学校のテキスタイル学科へ持っていって会話ができる作品と考えていました。私が建築からテキスタイルの分野にきてどういうことが出来るのか、こんな面白い事が出来るかもしれないということを、言葉もバックグラウンドも違う人達と共有できる何らかの面白いものを提示したいと考えました。


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修士制作作品"mille-feuille"


坂根|どういう作品だったのですか。

森山|テキスタイル建築を作ることの可能性を利用した陶磁器の美術館の提案です。テキスタイル建築においてどんな可能性があるかとい うところから自問自答を繰り返して1/10,1/20,1/50 のスタディ模型を沢山作りながら進めていきました。

 でも作っても作ってもゴールか見えず、途方にくれてばかりだったのですが、製図室で私の机の前を通りがかった人を捕まえてはそこに転がっている模型を見せて意見を聞いたりしながら、少しずつ手がかりを見つけていきました。そこにいてアドバイスをくれた友人達、そして叱咤激励をしてくださった先生方のおかげでなんとか前に進んだプロジェクトでした。

坂根|そのスタディというのは、布がこう垂れ下がるとこういう空間になるとか。

森山|建築空間をテキスタイルという素材からの視点で捉え直すと、光や経験がどうなるかという探求です。その一連のスタディは今でも実寸大で続けていることです。

坂根|その作品でコンストファック(Konstfack University College of Arts, Crafts and Design / スウェーデン国立芸術大学)に志願したんですね。コンストファックに入ってからのテキスタイルの勉強では、マスターコースでしたが基本的なテキスタイルの勉強は自分でしたんですか?

森山|学校に入る前に織りの短期講習にいったり、入学して最初の数ヶ月に、基本的な染織などの技術を学ぶコースがありました。クラスメイトはすでにテキスタイルに関する豊富な知識があったのですが、私は全てが初めてだったので本当に何も知らない赤ちゃんのようでした。

 もちろんテキスタイルには様々な技術あり、歴史があるとても奥の深い世界なので、2年間なんてテキスタイルを知ろうとするには本当にわずかな期間です。ただ、私はある特定の技術の職人になるために来たのではなく、テキスタイル側から建築的視点にどういうものが必要かを提案出来るようになることが第一に重要だと考えました。建築に対してテキスタイルの側から見えるものがあるはず、と。とはいっても、いろんなことがわからないことだらけですね。

 ファッションやアートの経験の豊富なクラスメイトや先生方に沢山の事を教わりました。温かい周囲の状況に本当に感謝しています。テキスタイルだけでなく、様々な国籍や分野の人が混ざった学校はとても刺激的でしたし、いろんな立場から把握して自分のしていることを説明することの大切さも知りました。建築の分野では常識のことがテキスタイルの分野では全く通じなかったり、日本では当たり前のことがスウェーデンで当たり前ではないと発見したり。


O邸

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O邸(建築設計:中山英之 カーテン製作:森山 茜)


坂根|中山英之さんが設計した O 邸のカーテンを制作することになったのはコンストファックに入って1年経ったころですね。森山さんにお話がきた時点で設計は割と進んでいたのでしょうか。

森山|そうですね。その時点で既にファサードがカーテンというのはとても重要な要素でした。

坂根スウェーデンにいる茜さんと日本にいる中山さんとの間で打ち合わせが始まったんですね。カーテンのイメージは中山さんから伝えられましたか?

森山|中山事務所からは最初に『トラッドで、レディーメード感があって、でも少しアバンギャルドがプラスされた』ものを目指したいという言葉がありました。お互いに徐々にイメージを共有しながら模索していき、どういう生地なのか、どういう色なのか、どう開閉するのか…

 色んな素材や方法を試しましたね。最終的にはとてもシンプルなものになりました。

坂根スウェーデンと日本の間でのやりとりは大変でしたか。

森山|メール、スカイプそしてサンプルの郵送を通して進めていったのですが、距離や時間の差はむしろプロジェクトを楽しくする要素だったと思います。何か対話の糧になるような素材を見つけたらすぐに切手を貼って封筒で送るようにしていましたし、ストックホルム東京という、時間の流れや空気が全く違うところで、同じ京都の一つの空間について一生懸命考えているという状態はとても発見的でした。

 ストックホルムで実寸大のスタディをし、素材を探しにいき、東京からはイメージを伝えるスケッチや模型、現場の写真、時には古い雑誌の切り抜きが送られてきたり。取り付けの時までに実際に会っての打ち合わせはありませんでしたが、そのことによる大きな問題はなかったと思います。


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ストックホルムでの原寸大スタディ


坂根|ドレープが綺麗ですね。

森山|高さが約 7m あるカーテンなので、劇場のカーテンのようにロープを裏から引いてカーテンを畳むようになっています。どのポイントで裏側からのロープを吊ればいいのかなど、実際に試してしてみなければわからなかったので、実寸大を作ってみたりもしました。

 また、どう布の自重を支えながら建築本体とつなぐか、ということを考えたとき、ジーンズのジョイントの部分のデティールがなぜ強いからということも考えたりもしました。そうやってファッションのデティールを参考にするような部分は服と繋がっているなと実感しました。大分試行錯誤しましたが、掛かった時は本当に嬉しかったです。あのカーテンをこれからも使い続けていただければとても幸せに思います。


draped flower

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draped flower


坂根|そのプロジェクトの後、コンストファックでの修士制作が始まったんですね。私も設営を手伝わせて頂いて完成を見る事が出来ましたが、とても楽しくて素敵なプロジェクトでした。

森山|スウェーデンの王室専属のフローリストとお話をする機会があったのが制作のきっかけでした。彼は国王が世界中を旅する時について行き、現地で王の出席する晩餐会などの花のアレンジを行う人です。場所や状況によって選ぶ花の香りや色から、どんな花がこの国では尊敬されているとか、色んな国の花の状況を事前にリサーチをするという話を聞いて、「旅と花」の組み合わせって面白いなと思いました。

 O 邸のカーテンはスウェーデンで制作したものをトランクに詰めて日本に持っていったのですが、その時にも布は移動できるのがいいなと感じていたんです。そんな背景があって、花のカーテンを作ったのがこの作品です。このカーテンには小さな花入れが挿せるようになっていて、そこには水と共に生きた花を生けられるようになっています。花入れの位置自体がパターンになっていて、それがカーテンの襞を作るようになっています。

 カーテンを色んな場所に持って行って、そこに好きな花をいける。花は場所や季節によって違うし、そこに生けるのは一輪でもいいし沢山でもいい。どんな時に、どんな場所にいるか、どんな人が生けるかでカーテンの様相が全く変わってくる。

坂根|カーテンを持ち運ぶという考えは面白いですね。

森山|例えば引っ越しをして新しい部屋にきたとき、窓にカーテンがかかるとちょっと落ち着きますよね。

坂根|そうですね、自分の空間になるような。

森山|そういう手段になるかもしれませんね。

坂根|構造は織りではなく編みの構造を用いていますね。

森山|最初は織で作っていたのですが編まれた構造は少し伸びたり縮んだり動く余裕があって、そのルーズな感じと生きている花の相性が良かったんです。伸びるということを積極的にとらえて作りました。


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坂根|花も造花ではなくて生花を使っているので緊張感がありますね。

森山|一輪の花があると何もない部屋でもなにか取り持っていることってありますよね。J.L.ゴダールの「小さな兵隊」にそんな部屋がでてきたのを覚えていています。

坂根|例えばお祝い事があったときに花を飾るとか、花を生ける行為そのものが日常に花を添える行為ですね。普通のカーテンがただ開け閉めして部屋を隠すようなものであるのに対して、より人間のライフスタイルを作り出すカーテンになるのがとても良いと思いました。食卓に花を添える感覚でカーテンにもっと関われる。

森山|そうですね。それがどんな花でも、花を生けてそれが空間の一部になることが楽しくなれば、と思っています。例えば、初めての場所でもスピーカーから自分の好きな音楽を流したらその空間がぐっと自分に近く感じると思います。

 同じように、もし自分の選んだ花が空間の一部を作ることができればそこに流れる空気をどこか自分に近いものにできるのでは、と考えています。そして周りの人と素敵な音楽を共有するのが楽しいように、このカーテンを通して花の色や香りを周囲と共有できればいいな、と考えています。


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坂根|朝から近所で野花を摘んで来てカーテンに挿しましたね。特にタンポポが良かったです。

森山|そうそう、あれは気づいたら後で綿毛になっていて!

坂根タンポポが沢山咲いて黄色かったカーテンが、いつのまにか真っ白な綿毛のカーテンになっていたという!

森山|水をやるのを忘れていただけなんですけどね。でも水を替えないでドライフラワーにするということもできますね。

坂根|展示のときは、部屋の内側に色のある花をさして、外側にはカスミソウを挿したら、そっちは森みたいになって、カーテンというよりランドスケープのような感じでした。

森山|ランドスケープに憧れを抱いているところがあります。京都の庭や Per Friberg(スウェーデンランドスケープアーキテクト)の作品は本当に尊敬します。

坂根|作品名は draped flower ですが、これはどういうことでしょうか。

森山|ドレープされた花。Drape は動詞で、ドレープ(襞)をつくるという意味と私は捉えています。


テキスタイル建築のこれから

坂根|布から空間を考えるようになって、建築の見方も変わってきましたか。

森山|ますます建築が好きになりましたし、新しい発見も増えました。先日グンナール・アスプルンド設計のヨーテボリ裁判所に行ったのですが、カーテンレールの取り付け方が建築全体と呼応していて、建物をよりいっそう魅力的にしていました。以前はそういう見方をしませんでしたね。

坂根|以前オランダに行った時、レム・コールハース設計のクンストハルでインサイド・アウトサイドがデザインしたカーテンレールが綺麗に天井に曲線を描いていて驚きました。

森山|あのプロジェクトはインサイド・アウトサイドが割と早い設計段階から関わっていたと聞きました。そういう風に、プロジェクトの根本的なところから加われることが出来ればより実験的なこともしやすくなりますね。

坂根|今後、どのようにテキスタイル建築の可能性を考えていきますか。

森山|この前、マッツエックというスウェーデンの振付家が振り付けをした「Orphée」というダンスが多く取り入れられたオペラを観に行ったのですが、あるシーンで、シルクハットをかぶった二十人くらいの人達が突然ハンカチをパッと出して、全員同時にひらひらひらと落とすシーンがありました。

 そのハンカチが群れて落ちた瞬間、舞台の空気がふわりと劇的に変わったんです。誰かがハンカチを一枚だけ落とすのは日常生活であるかもしれないけれど、二十人くらいの人達くらいがいっぺんに落とすってなかなかないですよね。その二十枚くらいのハンカチが空気抵抗を受けて同時にゆっくりと落ちる光景は、ハンカチの存在自体よりもそこに空気が存在することを表しているようでした。それを目撃したときに、自分は彼のような素晴らしい振付けはとても出来ないけれども、もしも何か私ができることとしたら、そのハンカチがどんな素材か、どういう色か、どういう大きさなのかを真剣に考えることだと思いました。

 たとえばそれが絹だったら、光を反射しながらツルンと落ちるけれど、麻だったら割とパサッと落ちて、それが 100 回洗った麻だったらもうちょっと柔らかく落ちるとか。ハンカチ一枚でも重力と出会ったとき、その質の違いから空中でどう振る舞うかに差が出るのだろうと思いました。数時間に及ぶオペラの中でたった数秒の出来事でしたが、その瞬間は舞台に魔法がかかったようでした。オペラを振付家として全体から考える人がいれば、たった一瞬舞うハンカチの落ち方から全体を考える人がいてもいいかもしれない。どちらにしろ、そこで観客が体験する空間は一つです。

 建築においても同じように考えています。様々な視点があることを肯定的に捉えていきたいと思っています。いろいろな人と共同しながら、素材の可能性を発見していければ素晴らしいな、と思います。

坂根|これからもとても楽しみです。今日はありがとうございました。

(all images from AKANE MORIYAMA)

2011-06-10

[]Pyramids for The Future JA82号掲載

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若手建築家として鎌谷潤+山道拓人による提案「Pyramids for The Future」JA82号に掲載されております。

是非、書店等でご覧になってください。

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JA 82 Toward a New Cityscape 日本の都市空間 2011

若手建築家による50の提案

東日本大震災を受けて、これからの都市再生を引き受ける世代である45歳以下の若手建築家50組たちによる「オルタナティブたり得る魅力的な都市空間のアイディア」を主題とした都市空間の提案を紹介している。

■目次をみる

2011-06-09

[]地下のレストラン

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山道拓人がレストランの改修に参加しました。詳細

地下のレストラン(池袋a.p.t cafe)

昼間はランチ、夜は結婚式の二次会やパーティ、DJイベント、ライブなど様々な、想定を超えた使い方を喚起するために、都市の外部空間のようなデザインとしています。出来上がったあと何度か足を運ぶと、お客さんは上手に使っておりました。騒ぐ人、くつろいでる人、手摺に手をかけタバコを吸う人、階段部分で話込む人、歌う人。そこで見られる人々の振る舞いはまさに都市空間そのもの。デザインがあくまで背景になって訪れる人が自由に振る舞える、動きを生む空間を目指しております。

designed with Masahiro Nakamura,Hiroshi Yamada,Moe Nishimura

2011-04-17

[]浅草のオフィス Office in Asakusa

designed by 山道拓人(g86)+鎌谷潤(g86)+日高海渡+西川日満理

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SOUNDWORKSHOP.JPという音楽関連ソフトの教則コンテンツを一挙に配信するディーゼルワークショップ社の内装の設計施工の第一期である。飲食店が入るビルの一室で、柱型や避難階段、及びもともと入っていたパブの衣装部屋の凹凸が室内に現れていた。そういった都市の様々な条件が生み出したいびつな形をうまくトレースすることで矩形の部屋に整理することを考えた。また、この会社の新たなウェブサービスの製作時期と施工の時期が重なるためにオフィスの稼働を止めないように工期を分けて半分づつ施工する事、将来オフィス移転用に自分たちで組み立てと分解が出来る事、特殊な寸法を持った機材や商品などをたくさん格納できる事が求められた。様々な与条件から立ち上げた壁に ディスプレイやスピーカーなどが至るところに配されるという、この企業に相応しいアクティブな空間となった。

It is the first stage of the design construction of the interior of the company that delivers the music contents. It is a room in the building that the restaurant enters. The ruggedness of the clothes room(there was pub), the pillar, and the fire escape stair appears indoors. I designed rectangular room by tracing the distorted shape that various conditions of the city. There some condition I have to keep. -not to stop the operation of the office -would include a lot of machine parts which has unique size and the commodity, etc. -would be assembled for themself for the office move in the future. It became an active space that the display and the speaker were distributed here and there.

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top

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meeting space

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workspace

2011-04-01

[]g86雑誌掲載!

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建築新人 002/建築新人戦オフィシャルブックにg86が掲載されました。

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建築新人戦とは、3回生までの建築系学生が作品を競い合うコンテストである。ルーキー発掘の場として、大学間の対戦・交流を通して自らの学習環境を問い直すきっかけとして注目されている。本書では昨年の受賞作・審査過程の紹介他、第一線で活躍する建築家へのインタビューなど、建築学生へのメッセージが満載。

■目次

・ARCHITECTURE in the Raw /参

・OPEN STUDIO/宮本佳明建築設計事務所

・インタビュー 大西麻貴

・海のむこうで/スイス

・インタビュー 加藤翼

・TAKASHI SUZUKI BAU

・インタビュー 山崎泰寛

・10boks 建築新人のための10冊

・1980 BEYOND ARCHITECTS

岡部修三/ながやまのりこ/藤田桃子市川紘司/g86

建築新人戦2010ドキュメント

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関係者のみなさまありがとうございます!

2010-11-25

[]建築同人誌「ねもは」完成!

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建築同人誌「ねもは」が発売されます。

第一回目の特集は「絶版建築ブックガイド40

現在では入手困難でありながらそれでもなお現在に建築を考える上で有用となるだろう建築絶版本40冊の見取り図となっております。

著者は同世代の方たちで突破力のある多彩な顔ぶれとなっております。

山道拓人も著者として参加しております。

編集:市川紘司

編集協力:菊地尊也、岡村和明

大橋秀允、乙坂譜美、平野晴香

エディトリアルデザイン:加藤拓郎

表紙写真・アイコン曽良あかり

印刷・製本:株式会社佐々木印刷所

協賛:復刊ドットコム

執筆者一覧

阿部篤,市川紘司,大橋秀允,大室佑介,岡村和明,長田達朗,斧澤未知子,加藤拓郎,加茂井新蔵,菊地尊也,黒川大輔,佐久間雄基,山道拓人,島矢愛子,鈴木克哉,関野阿希子,高橋良輔,千葉光,千葉美幸,辻琢磨,中井茂樹,西村祐人,橋本健史,林盛,連勇太朗,森田悠詩,吉本憲生

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まずは12月5日(日)に大田区産業プラザPiOにて開催される第11回文学フリマにて「ねもは01号」を頒布いたします。(ブース「エー28」)

詳しくはhttp://nemoha.web.fc2.com/までアクセスしてください。

2010-10-30

[]g86によるオフィス改装計画“OS2.0”

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OS2.0:g86によるオフィス改装計画の第二期。

The first second of renovation plan by g86.

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机下の領域を激安カーペットでトレース

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The area under the desk is traced with the super-discount carpet.

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1.0でルーズに使われ始めた空間に、明確に使い方に制限を与える事で単なる居室を構造化することを試みます。

I tried to structurize the room used loosely by clearly giving the usage the limitation.

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wall:visual

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desk:object

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floor:infrastructure

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二次元→疑似三次元三次元といったレイヤーが重なります。

infoscape with the three layer.Two dimensions→Virtual three dimensions→ Three dimensions

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単なる居室であっても、溢れる物同士にソートをかけた状態が保持されることで、情報の塊が立ち上がります。

Even if it is a mere room, the mass of information stands up by keeping to sort on the overflows.

[]g86によるオフィス改装計画“OS1.0”

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OS1.0:g86によるオフィス改装計画の第一期写真。

The first stage of renovation plan by g86.

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作業部屋として使われていた空間を本格的にプラットフォーム化したいということで既存の2000mm×700mの大きな作業机(模型写真左上)のメモリを

最大限拡張していくことを考えました。最終的には周長12メートル(!)、6倍にヴァージョンアップされました。

既存の机からスタートする,机に囲まれる,様々な向きを持つ,両側から使える,足下をあけるために角を留めにするetcからリンゴの皮むきのような形になりました。

We discussed how to maximize the memory of an existing huge desk 2000mm×700m (on the left of the model photograph) .

Finally, the version was improved to six times(12 meters!)

Starting from an existing desk. Enclosing by the desk. Various vector. Using from both sides. Corners coming across 45° to open the floor space.etc

It became shape like the paring of the apple.

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仮想GL:空間を上下に分割します。

Virtual GL divides the space into two dimension.

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物の持つ傾向性:時間軸上での変化の可能性、身体との関係性を手がかりに「重くて黒いもの」(プリンター、テレビ、アンプ、スピーカー、椅子、ギターetc)と「軽くて色の付いたもの」(本や、模型材料etc)を整理しています。

進行中のプロジェクトや、所有物を検索できるようになります。

"Heavy,black" (printer, television, amplifier, speaker, chair, and guitar etc) and "Light,colored" (book and model material etc) are arranged.

It comes to be able to search the ongoing project and belongings.

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犬の視点:仮想GLに孔が穿たれたように見えます。

このプロジェクトは使いながら手を加えられヴァージョンアップしていくものとして計画されています。

Dog's-eyeview:It seems to be made window in virtual GL.

This project is planned assuming that keeping the version improving.

2010-07-25

[]Archi Summit 2010 STOCKHOLM

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→拡大はこちらをクリック

先月ストックホルムで行われたg86によるARCHI SUMMIT 2010 "Legacy vs Android"のレポートです。

上の地図は、このサミットの成果物であり第二ステージによって抽出された議論の焦点をプロットし作成された「Navigation chart of discussion : 議論の航海図」です。

参加国: Japan, Mexico, Sweden, Australia, Italy, Spain



1st stage -presentation-

第一ステージとして、いま現在各国でなされている建築論や都市論などについて6カ国のプレゼンター達が順次スライドレクチャーを行いました。

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Sweden

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Anna Teglund, Henrik Bejmar (Sweden)

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(fig:アスプルンド市立図書館及びコンペティション1等案)

Competition

アスプルンドの市立図書館レガシーといえるもの。増築コンペは中止になった。しかし市民はコンペの勝利までのいきさつを知らず、市民をふくめた議論(democratic process)もなかった。議論が十分ではない。

ランドマークといって新しく建てられる高層ビル(これも議論が不透明なまま計画が進んでいる)だが、ランドマークは必ずしも高層であればいいわけではない。アスプルンド図書館のように高層でなくてもランドマークになっているものはすでにある。

・ノーマン・フォスターが勝ったスルッセンプロジェクトのように、進行の経過が不透明なものが多い。

Green Capital 2010

サステイナブルシティなど、スウェーデンでは都市開発において先進的な環境取り組みが行われており、EUが今年から開始したEuropean Green Capitalに第一回受賞都市として選ばれた。

satellithe city

スウェーデンの郊外には移民達が多く住み、サテライトシティとして市街地からは森林(green bridge)により隔たれている。

 サテライト同士はハイウェイによってつながっているがそれ以外の(商業的、文化的な)コネクションはない。

 このサテライトをどう良くしていくか、中心市街地との関係を良好にするにはどうしたらいいかが長年問題になっている。

FUTURE PERFECT

ストックホルムで今年5月から始まったプロジェクト。

 毎回レクチャーを行い、各キーワードに沿って議論を展開して行く予定のもの。

 (LINES vs CYCLES, PRIVATE vs PUBLIC, FOSSIL vs SUN, GLOBAL vs LOCAL, US vs NATURE, ECONOMY vs EVERYTHING, EGO vs ARCHITECTURE, MAXI vs MEGA, DESIGN vs DISCIPLANIARITY, STOCKHOLM vs STOCKHOLM, LIFESTYLE vs MORPHOLOGY, SWEDEN vs WORLD)

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Mexico

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Alfredo Alvarez (Mexico)

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(fig:プレゼンより)

THE MAYAN HOUSE

・伝統的な家の工法が素材がブロックやコンクリートに変わったけれど続いていている。都市より地方に多い。

でもこうした工法がもっと大きなスケールで地方だけでなく使われるといいと思う。

CLOLONIZATION 

ヨーロッパ文化とのミックスによりドラマティックな都市計画の変化がみてとれる。

FINE ARTS PALACE-LATINOAMERICAN TOWER

・現代建築と伝統建築の対立(グローバリゼーションの影響が始まっている)

MEXICAN COLORS

・ルイス・バラガンがメキシコアイデンティティー(色彩など)を建築にもたらした。

CENTRAL BIBLIOTEC、UNAM

メキシコ大学の中の建物は現代建築でありながらメキシコの古代を表現しようとするなどの葛藤がみられる。

The Problems

建築家に建てさせるのは高いので自分たちで家を建てている人達がいまだにいて、都市計画の面で問題を抱えている。

Tradition and Identity vs Global economy and Globalization

・どうやってこの葛藤のなかで生きて行くか。

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Australia

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Andrew Lee (Australia)

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(fig:メルボルンのインフィル型開発)

Water

・貯水が深刻な問題になっている。オフィスビルの屋上を緑化し、都市農業によって水を再利用する提案などもだされている。

Fire

・火災も建築にとって深刻な問題になっている。

人口密度

メルボルンでは人口が増えて来ている。しかし人口高密度は建物を高層にしないでも解決できるのではないか。

・都市の中心部に建て込むのではなく交通網(Transport corridor)に沿って建物を建てていき、交通網の間をを埋めていくインフィル型開発が提案されている。 

 このインフィル型開発によると、1000ユニットの住宅につき3億ドル以上の経済的救済になる。

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Italy (+Swiss)

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Guido Brandi (Italy)

Swiss

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(fig:ATHでクリスチャン・ケレツにより行われた実験)

(留学経験をもとにイタリアに対し"So close so different"であるスイスについてもプレゼンした。)

アカデミックな視点でスイスは語られる。

 スイスにある有名な建築の学校はチューリッヒローザンヌ、メンドリジオにある3つなどがある。

 スイス建築学校では実際にどうつくるか、ディティールはどうなっているかなどの実務的な教育がなされている。

 ローザンヌのEPFLではSANAAが新しいメディアセンターをつくったがこうして資金を新しい建築をつくるのに投入できるのもスイスだからだ。学校の教育現場でも新しい構造技術がお金をかけて実験され、たくわえられてきた知識も豊富である。

Italy

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ルネサンス時代の輝かしい歴史が残る街に対しこれからの建築がどういった提案をしていくか。

workshop in Prato

ルネッサンス建築である議会場のリノベーションを提案するワークショップを行った。

 すでに空間のなかにある幾何学を研究し、現代的に解釈しなおしてリノベーションを試みた。

 また、議会場の外の広場に電光掲示板を設計し、政治の透明性をあたえる。(イタリアの問題のひとつは政治の不透明性)

 イタリアの若い建築家たちは新しいものをつくりたいがまず古くからあるものを理解しなくてはならない。

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Spain(+Chili)

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Matias Truzillo Grez (Spain)

Chili

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(fig:チリ大地震 2010.2)

チリ大地震マグニチュード8.8)によるダメージについて

建築建築家の視点からだけでなく、経済、政治、社会からどうあるべきかつねに問われる。

・14枚のパネルだけでできる住宅の提案。

2030年に世界の人口の75%がシティに住むという予測がされている。これは建築家にとっても大きな問題である。

Spain

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(fig:スペイン建築雑誌)

Construction Crisis

スペインは20年ほど前から成長しはじめ、それにともなって現代建築が沢山建設され続けている。

・世界中の人達がスペインの人気建築雑誌(AV, El Croquis, 2G, a+tなど)を通して現代建築を知り、見に来る。

Modern Architects

・Madrid international convention center(m+t)

・sbioclimatic Towers(Abalos & Herrero)

・Guerrero House (Alberto Campo Baeza)

・Hemeroscopium House (Ensamble studio)

建築を想像したとき、例えばCampo Baezaなどの建築家建築のイメージが思い浮かぶが、それは建築家の視点として建築をみているだけであり、社会からの視点が常に問われていることを忘れてはならない(建築家のための建築になってはならない)

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Japan

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Sakane Minaho (g86, Japan)

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(fig:郊外のショッピングセンター)

Tokyo process

東京という街のプロセスメタボリズムの都市構造について。

・デザインのプロセスアルゴリズムデザインなど、設計手法についての議論が盛んである。

建築はどこにあるの?展(Where is Architecture?)プロセスを公開する展覧会

展覧会に訪れた人々がFlicker上の展覧会公式ページで会場で撮った写真を掲載するという、作品に空間と情報の両方で出会う展覧会が行われた。

Informatization

・g86はQRコードミュージアムによって、情報と空間の架橋を試みた。

Suburbanization

・Shopping Center、日本でも郊外の風景が商業空間によって蝕まれている。

つくばエクスプレスインフラによるスプロール現象

Legacy vs Android

・今回のサミットのために用意した"Legacy"と"Android"という二つのキーワードについて、いくつかの提案。

・Tokyo construction process (Legacy) vs architecture process(Android)

・physical space(Legacy) vs information space(Android)

・Regionality(Legacy) vs Shopping Center(Android)

・Power naturally existing vs Power human produce themselves

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2nd stage -discussion-

2nd stageでは世界地図を広げながら各国のレクチャーの内容について吟味しつつ鍵となっていきそうなテクストをプロットしていき、「Navigation chart of discussion:議論の航海図」を作成しました。

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(fig:第2ステージでの地図作成の様子)

以下はその地図をつくるにあたり行われたブレインストーミングの一部です。

・コンペティションが不透明である、それがコンペ案中止につながっているのではないかAnna Teglund, Sweden)

ランドマーク、bignessは必要ではない(Henrik Bejmar, Sweden)

・郊外問題は世界中で起きており、理由はそれぞれちがうがどれもスプロール現象について議論している。スプロール化インフラの拡大により助長され、インフラ経済や政治と結びついている。(Andrew Lee, Australia)

メキシコプレゼンアイデンティティに触れていたが、スウェーデンでは現代建築について、伝統的なスタイルやスウェーデンアイデンティティについてはあまり議論されない。スウェーデンは保守的でありながらも海外をみている。(Anna Teglund, Sweden)

イタリアプロポーション幾何学の知識があったが、そういうものはむしろスイスにうつっていき、イタリアではそういう教育よりファッショナブルな現代建築をみている。(Guido Brandi, Italy)

イタリアは国土が左右上下にのびており地形によってへだてられた場所に差異をもたらし、常に多様性を問題にしている。(Guido Brandi, Italy)

建築家がひきおこした問題か、政治経済がひきおこした問題か いずれにしろ建築家建築で解決する手しかないはず(Guido Brandi, Italy)

・各国からあつまって世界について集まって議論しているはずが(地図上で)アフリカ大陸ポストイットが一枚も貼られていない(Alfredo Albarez, Mexico)

・街と空間。ヴァチャルスペースとフィジカルスペースの関係の可能性。QRコードミュージアムは面白いと思う。(Matias Truzillo Grez, Spain)

Google社について。世界中のデータを集めようとしている。データのアーカイブ、どうやってアクセスするか、アクセスのデザイン、建築にできることは?(Andrew Lee, Australia)

iphoneなどインフラストラクチャーから派生するデザインの可能性(Andrew Lee, Australia)

・情報社会に対してもっとクリティカルになるべきである、それがグローバルとローカルのバランスを構築する(Minaho Sakane, Japan)

産業革命のときのように次のマテリアルの時代へうつっていくのか(Alfredo Albarez, Mexico)

・設計するツールがもたらすグローバリゼーションローカリゼーション(Minaho Sakane, Japan)

・社会、経済、政治、情報のシステムを建築をもって批評する。(Minaho Sakane, Japan)

・2010年に建築家であることにどういう意味があるのか?(Guido Brandi, Italy)



サミットを終えて

2008年3月、東京銀座ギャラリー58にてg86は「アーキサミット東京春の陣」を行った。

その時は、リレー形式で様々な出演者と議論をするということを延々繰り返し、異なる出演者との対話の最後と初めに重なる部分を作って、最後にもう一度最初の出演者に出てもらい、議論を円環状に閉じることで、次のフリーディスカッションのための平面を作った。

今回は、それぞれの出演者の背負うコンテクストの違いや言語の壁もあったのでビジュアルに平面をデザインしていくことが必要だろうと考え、議論の航海図と題して世界地図上に議論の火種をプロットしていった。

第2ステージで行われた議論は、プレゼンから得られたキーワードをもとにブレインストーミングのように行われた。

この議論の中で繰り返し問われたのは建築建築でありながら建築をとりまく状況にどう打ち勝つか、ということだったように思う。

建築が操作可能な状況がどこにあるか。"Android"が私たちを蝕み世界をつくり変える前に、私たちにどのような"Legacy"があるのか。

スウェーデンには現代建築がまだ少なく保守的だが、都市はそういった厳しい建築規制のなかでも少しずつ変わりつつある。今年、Green Capital Europe2010に選ばれ、サスティナビリティを評価されたのも、スウェーデンが様々な技術者たちを投入し近年力を入れて新しい都市計画を進めてきた結果だ。これは"Legacy"としての都市構造である。

またグンナール・アスプルンドによるストックホルムの森の墓地は、土地拡張計画や新しい火葬場の設計、埋葬の徹底的なシステムにより生きる墓地としての世界遺産になっており、究極の"Legacy"といえる。

一方で世界中に店舗を展開するIKEAは、スウェーデンから生まれた そもそもIKEAは「フラットパック」といって商品を分解し出来る限り薄く梱包することで消費者自身が簡単に持ち帰るというシステムなど流通、梱包、製造のコストを徹底的に抑えることで一気に展開した。ショッピング施設そのものは青と黄色で塗り分けられた巨大でコマーシャルであり、一気にその土地のアイデンティティを奪う。世界各地で反復複製される生活様式とショッピング施設、まさにIKEAは究極の"Android"。

この"Legacy"と"Android"がもたらす世界の矛盾は、サミットの中で他の国の間にも見ることが出来た。

例えばメキシコは自国の建築に対してアイデンティティを求める一方で、スペインは世界が見つめる現代建築を次々と生み出しメディア建築を輸出している。ここには建築の地域性と情報化という矛盾した関係がある。

最終的にこの第2ステージで地図上に現れた様々な論点を、地図上で"Legacy"と"Android"という二つのキーワードに置き換えようとしたときに起きた圧縮は強引ではあったが、それぞれが例えば空間と情報のマトリックスにおいて、どう位置づけられるか考えることが出来たという意味では、重要な手法だったと思う。

これから、私たちの世界は想像以上に高速リンクしていく。そこに建築をどう繋ぎ止められるか、つねに頭の中に世界地図を広げ、矛盾に気づき、それを乗り越えて世界に新しいプラットフォームを構築していき設計の手立てとしていきたい。

2010-06-21

[]ARCHI SUMMIT 2010 STOCKHOLM-Legacy vs Android-速報!

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→拡大

先月、ストックホルムで行われたg86によるARCHI SUMMIT 2010 STOCKHOLM-Legacy vs Android-の成果物と速報。

参加国:Sweden、JapanMexico、Italy、Spain、Australia

上の地図はこの日、抽出された各国の議論の焦点をプロットした

「Navigation chart of discussion:議論の航海図」です。

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1st stage:まず最初に各国でなされている建築論や都市論などを順次レクチャーしました。

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2nd stage:世界地図を広げながら各国のレクチャーの内容について吟味しつつ鍵となっていきそうなテクストをプロットしていきました。

スウェーデンにおいては、究極のレガシーとしてのアスプルンドの葬祭場(世界遺産にまで指定される墓場の空間)に加え、究極のアンドロイドとしてのIKEA(日本の郊外にまで反復展開するメガストア)が展開しています。世界中の学生を前に、いきなり特定のトピックについて議論を始めるよりもまずはこの両極端の空間のあり方を起点に、どのような議論が世界に存在しているか自体を問うて行くワークショップとして計画しました。

ここで現れた議論の航海図をこれからもヴァージョンアップしつつ向かうべき建築の未来へ照準を合わせていけたらと思います。