マガリケムシヒキ

雑木林の林縁の草叢で、スイバの花にぶら下がっているムシヒキアブの仲間を見る。
交尾行動をしているとは分かっていたが、近づいて見ると交尾行動をしているメスが黒いアブを捕まえているのだ。
長い口吻を黒いアブに突き立てている。


交尾中のアブは頭の上に伸びている長い毛から見て、マガリケムシヒキ(ムシヒキアブ科)。
ハエやアブ、小型のチョウやガなどを捕まえては強靭な口吻を突き立てて獲物の体液を吸い取る肉食性のアブ。
幼虫は土の中で成長し越冬する。
幼虫も肉食性、ミミズやダンゴムシ、土中にいるコガネムシ類の幼虫も捕食するという。
捕まっている黒いアブはアメリカミズアブ(帰化昆虫)だと思われる。

アオメアブ、シオヤアブ、ムシヒキアブ、それにヨコヅナサシガメなどが獲物を抱えこみ口吻を突き刺して体液を吸っているシーンは幾つか持っているが、繁殖行動中の捕食シーンは初めてだ。
獲物の体液を相当吸いとったのだろうメスの腹は弾けんばかりに膨れ上がっている。

足場が悪く風も吹いていたので、欲しかった真正面からの貌のアップなどは撮れずだった。

ムシヒキアブ、シオヤアブは獰猛な肉食性昆虫、縄張り意識も強くテリトリーに侵入してきたものを無差別に攻撃すると言われている。
時にはスズメバチにも向かっていくようだ。
ITOUさんの菜園では時季になるとムシヒキやシオヤをよく見掛ける、スズメバチやドロバチの仲間も来る。どんなシーンが見られるかこれから先が楽しみだ。

5月下旬に写真仲間たちと写真展を開く。
当番の日が決まりましたとAさんからメールが届く。
今年は早めに出品作のプリントをしなくてはなるまい。