老いのかたち(36)

古い友人のKさんから個展を開くという案内状を頂戴する。

彼の詩情豊かな作品を拝見しに行きたい、今もなお絵筆を握っている八十翁の貌も見たい。
そんな思いがあるものの、会場が愛媛県松山市となんとも遠いのだ。
昨年夏頃までだったら車をぶっ飛ばして出掛けただろうに、出掛けられずにいる。
老いの進みは行動範囲をますます狭くしていくのだ、寂しくなる。
こんな寂しさが極まったら、老いのかたちはどんなふうになっているのだろうか。

玄関先のルリタテハのサナギがぶら下がっている同じタカサゴユリルリタテハの終齢幼虫がいるのを見付ける。
何処からこのタカサゴユリまでやって来たのだろうか。