長尾エボシの備忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-09-11

映画「素晴らしき日曜日」「酔いどれ天使」

黒澤明監督「素晴らしき日曜日」。

貧乏すぎるカップルの一日。

前作「わが青春に〜」の後半やこの作品あたりから、

自分の知っている、いわゆる黒澤節がかなり出てきたような。

中盤、男のアパートあたりから、ずっと良かった。

もちろん拍手したよ僕は(観た人にしかわからないネタ)。

音楽の使い方が上手くなったような。

しみじみほっこりするいい映画でした。


黒澤明監督「酔いどれ天使」。

話的には古典というかベタになってしまっている気もする。

が、それでもなお、

何度観てもクライマックスの三船のシーンは印象に残りまくり、

うわやっぱすげー、なんていいながら。

岡田の登場シーンがえらい格好イイ。

医者の毒舌すぎるキャラ設定も好きです。

映画「わが青春に悔いなし」

黒澤明監督「わが青春に悔いなし」。

(ネタバレあり)


原節子主演の女性映画。

戦時中に作られた同じ女性映画の「一番美しく」と比べると、

終戦後のこっちの方がむしろアジテーションの意味合いが強い気がして面白く。

アメリカの価値観もかなり入っている気もして、色々カオスな印象。

自由と農民という取り合わせは、

なんかかちょっと不思議な感じもしました。


最初、政治問題軽く絡めた、

男二人に女一人の三角関係メロドラマなのかなと思って観てたら、

そうでもなく、結構大胆な展開の末、

後半、原節子農村へ行く、みたいな流れになるのだけど、

そこから、なんか映画の調子が明らかに変わる印象で。


映画は、原節子の鬼気迫る演技を、力強い演出と音楽で盛り上げ、

村八分農村生活!をダイナミックに描写しはじめる。

農作業が、農作業というよりも、なにかの修行にさえ見えてきて、

ラスト近く、

土砂降りの中での昔馴染みとの再会シーンあたりになると、

原節子はすっかり悟りを開いた武芸者のように。

旦那の墓参りしたいと申し出る昔馴染みの言葉に、

濡れている農作業着ゆっくり絞ってから、

およしなさい、と断固として言い放つ、その顔が凄い。

観てる方が、はわわー、ってなる。

正直、前半中盤が吹っ飛んでしまい、

後半の農村生活ばかり印象に残っています。


というわけで、黒澤作品にしては珍しく

なんだか微妙に観てて戸惑うところのある映画だった気もしつつ、

やっぱりしっかり面白かったです。

映画「虎の尾を踏む男達」

黒澤明監督「虎の尾を踏む男達」。

姿三四郎唐手兄弟の時でも思ったことだけど、

もうビジュアルでキャラが、パッと判る、

そういう技術が磨かれてきたような。

エノケン義経弁慶地頭梶原景時の使者、

みんな、一目でキャラが判る。楽しく鑑賞。