映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2004-07-12 鼻血ハリソン

gakus2004-07-12

 「ハリウッド的殺人事件」をDVDで再見。世間的には、あまり評判よろしくない映画だが、個人的にはお気に入りの一本です。

 主人公の刑事コンビは、ともに副業に忙しく、殺人捜査のかたわら、かたや不動産売買で、かたや俳優になるべく悪戦苦闘している。そのコミカルなノリと、殺人事件解決までのサスペンス、どちらもが中途半端…という評をよく耳にする。が、このユルさのなかの主人公コンビのボンクラぶりに、妙な味わいがある。コメディーとはいえ、バカバカしい笑いがあるわけではなく、むしろクスッとさせるオフビート調。ハリソン・フォードジョシュ・ハートネットの人気スター共演ということもあって、ハリウッド調のバカ笑いできるコメディーというイメージも強く、そこがこの映画の不幸だったのではないか、と思う。

 監督のロン・シェルトンは男の情けない部分を上手に描ける人。「さよならゲーム」「ハード・プレイ」「ティン・カップ」等のスポ根映画を撮らせても本来の目的である試合の勝利ではなく、みっともない姿をさらしながら何かを得る人間の姿を描き続けている。なぜか日本では劇場未公開だった前作「ダーク・スティール」も汚職刑事の意地が熱い社会派映画で、好感が持てた。「ハリウッド的殺人事件」でも、夢には程遠い暮らしを送りつつも鼻血を垂れ流し、ブザマな格好で殺人犯を追う刑事像が印象的。ちなみにDVDの特典映像にはメイキングが収録されているが、鼻血メイクのままインタビューに答えているハリソン・フォードの姿は、なんだか微笑ましい。

 ハリウッドが舞台ということもあり、カメオ出演者の顔ぶれは豪華。モータウンを牽引したスモーキー・ロビンソンもタクシーの運転手役で顔を見せる。ミラクルズを率いて一世を風靡したスターで、モータウンの副社長でもあった人物がタクシー運転手役というのがブラックな笑いを誘う。

 写真は、60’Sモータウンの人気者テンプテーションズ/TEMPTATIONSが1965年にリリースした2ndアルバム『THE TEMPTATIONS SING SMOKEY』。タイトルどおり当時彼らのほとんどのナンバーをプロデュースしていたスモーキー・ロビンソン作の曲で構成されている。モータウンフリークという設定のハリソン・フォードふんする刑事の携帯電話の呼び出し音となっていた大ヒット曲『MY GIRL』を収録。そういえば映画「永遠のモータウン」の本編中、この曲のイントロを生み出したギタリスト、ロバート・ホワイトのファミレスでの思い出話は泣けました…。