映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2004-10-20 恋のダウンタウン

gakus2004-10-20

 ケネス・ブラナー主演のユーモラスな人間ドラマ「舞台よりすてきな生活」(12月公開)について。

 子供をうまく描けずスランプに陥った、子供嫌いの劇作家(ブラナー)が、向かいに越してきた足の不自由な少女と交流を重ねるうちに、愛情を感じるようになる…という物語。ブラナーふんする主人公の理屈先行のダメ男ぶりや、赤ちゃんが欲しいという妻(ロビン・ライト・ペン)との対立がユーモラスかつリアルで、男と女の体温差をうまくとらえているなあと感じた。感傷的になりすぎない結末も好感度大。

 ブラナーが執筆している新作の演出家がゲイで、ペトゥラ・クラーク/PETRA CLARKEの大ファンという設定。この人、何かにつけて彼女の歌を口ずさんでおり、自宅でのパーティのシーンでは、あまりに有名なヒット曲『恋のダウンタウン』のリミックスバージョンがかかっている。1960年代に大活躍したペトゥラ・クラークのナンバーは、その全盛期がスウィンギンロンドンの時代とは微妙にズレているせいか、グルーヴやブルース・フィーリングなどのロック的な形容詞とは掛け離れた、ソフトなものが多い。そんな柔らかみが、この映画の肌触りとうまく調和している。エンディングでは『GROOVY KIND OF LOVE』がフィーチャーされ、ペトゥラの屈託のない歌声が気持ちよく響く。後味良し。

 ジャケはちょっとヒネッて、ペトゥラ・クラークに多くのヒット曲を提供したコンポーザープロデューサー、トニー・ハッチ/TONY HATCHと彼のオーケストラの楽曲等を集めた、日本オリジナルの編集盤『GROOVY GEAR』。『恋のダウンタウン』がインストで収録されています。何より、ジャケがイカす!