映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2005-02-21 歓喜のフライト

gakus2005-02-21

 ロバート・アルドリッチの1965年の映画「飛べ!フェニックス」をリメイクした「フライト・オブ・フェニックス」(4月公開)はキャストこそ地味だが、なかなかがんばっているサバイバル・アクションです。

 油田作業員を乗せた飛行機が、事故によって灼熱のゴビ砂漠に不時着。助けも来ない絶望的な状況下、飛行士と石油掘作業員らは自分たちの手で飛行機を造り、脱出しようとするが、自然の猛威や仲間内のエゴが障害となり、作業は難航する…という物語。砂嵐と不時着のスペクタクルは豪快そのものだし、生存者たちの間に不信感や権力争いが生じる展開は緊迫感十分。とりわけ、ジョバンニ・リビジふんする飛行機設計士役の複雑なキャラが物語を巧くリードしている。

 アルドリッチのオリジナルに敬意を表したのか、1960年代のヒット曲が多くフィーチャーされている。オープニングはジョニー・キャッシュのカントリー・ソングで、油田ののどかな雰囲気を伝え、飛行機到着時にはジェームス・ブラウン/JAMES BROWNの『NIGHT TRAIN』がチャカポコとノンキなリズムを刻む。そして故障前の飛行機が飛び立つシーンでフィーチャーされる、スペンサー・デービス・グループ/SPENCER DAVIS GROUPの『GIMME SOME LOVIN'』の気持ちのいいこと!  スティーブ・ウィンウッドのパワフルなボーカルがサビに向けて勢いを増し、ゴスペル風コーラスの突入する盛り上がり。離陸時の開放感や、高揚感が嫌がおうにも高まる。もっとも、映画はこの後とんでもない展開になるのだけれど…。

 『GIMME SOME LOVIN'』はエンドクレジットでも流れるので、そこで改めてジックリ聴けるが、どうもリミックスされているらしい。1977年にジミー・ミラーがリミックスしたバージョンとも異なる、キーボードがオーバーダビングされたバージョン。これは初耳。エコーの効果で立体感が増し、サウンドにスッポリ包まれるような感覚に陥る。こういうのは音響設備のしっかりした映画館で体感したいものです。

 ジャケはその『GIMME SOME LOVIN'』をフィーチャーした1967年リリース、スペンサー・デービス・グループの米編集盤アルバム。