映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2005-03-22 線を消すために

gakus2005-03-22

 アジア発のロック・ドキュメンタリー「シャウト・オブ・アジア」(4月23日公開)を観る。

 韓国の人気アーティスト、カン・サネがアジア各国をまわり、それぞれの国のミュージシャンと交流。映画はこの旅を追いかけながら、国境という意識について考えさせる、芯のある作り。カン・サネの両親は北朝鮮の生まれで、故郷に帰れない悲しみを強く抱いている。この映画を撮った監督の玄正行は在日二世で、そういう点でも国境という意識は強い。そんな視点の足場の確かさも手伝い、音楽は国境を越えるという部分が、ここでは明確に伝わってくる。一本の線に区切られたあっちとこっちの隔たりが、どれほど大きいものか。映画は真摯にそれをとらえており、“線”が引き起こした傷あとに、時に泣かされそうにもなる。

 お涙頂戴というわけではなく、むしろ各国のアーティストたちの格闘する姿勢にグッときたという部分が大きい。歌わなくてはいけない歌があるから、歌い続ける。その姿勢を保ち続けることは、人間的に強くなくちゃできないよなあ、と。隣の家の人との交流さえ面倒くさがる自分のような人間は、まず身近なところから“線”を消していかないと。

 映画の中で、カン・サネはまず日本に行き、そこで忌野清志郎と会う。武道館公演の模様が映し出され、そこで清志郎が歌っているのが『憧れの北朝鮮』というナンバー。そういう曲があることは噂では聞いていたが、“♪北朝鮮にはタダで連れて行ってくれる、海辺にいれば拉致してくれる〜”といった感じの風刺の効いたナンバーで、聴いていて笑ってしまったが、それでもマジメなメッセージがこもった曲だった。『COVERS』をリリースしたころのRCサクセション時代の姿勢と変わらない、清志郎の姿勢。これも真摯なり、と感じる。

 ジャケは1995年、清志郎がタイマーズを率いて発表した『復活!!THE TIMERS』。タイマーズに関しては、かなりラジカルで攻撃的だった。そういえば、ここ数年清志郎の新譜を買っていない。この映画を観て久々に聴いてみたいな、と思った。

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