聴覚から悶絶

gakus2005-10-01

 昨日記した「インサイド・ディープ・スロート」の元ネタである、元祖ハードコア・ポルノ「ディープ・スロート」のDVDリリースが11月25日に決定。この映画の監督ジェラルド・ダミアーノ監督は「インサイド〜」で「ディープ・スロート」を“いい映画とは思わない”とミもフタもなく語っているが、喉にクリトリスがある女性という大胆な設定を艶笑話に持ってゆく陽性のタッチは捨てがたい。そして何より、この映画、音楽がメチャクチャかっこいいのである。

 濡れ場のほぼすべてにオリジナル音楽がかふせられているが、映画のためだけにしておくのが惜しいほど見事なポップ・ソングがズラリ。ほとんどが歌付きで、ソフトロック調の美しいコーラスを持つ曲もあれば、横乗りの腰の座ったロックナンバーや、悶絶ファンキー・チューンもある。とりわけ大好きなのは、ハモンドとギターが激しくうねりまくる『LOVE IS STRANGE』。グイグイとグルーヴするこのドライヴ感には、即物的エロ・ビジュアル以上に興奮させられる。スペンサー・デイヴィス・グループの『I'M A MAN』、ジョージー・フェイムの『SOBODY STOLEN MY THUDER』に匹敵する凄まじさ。パフォーマーもわからず、決して演奏はうまいとはいえないが、そこがまた謎めいていて味。

 昨年サントラがリリースされたが、ラウンジ・ポップのファンに重宝されているように、この音楽だけで映画の内容を推測するのは困難だろう。というわけでヒロイン、リンダ・ラヴレイスのエロくも愛らしいビジュアルがイカす、その再発版CDのジャケを。ここには「ディープ・スロート2」の音楽も併録されている。音質はよくないが、それを補ってあまりある充実した内容。アナログで欲しい…。