映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

メールは

こちら

はてなアンテナに追加→

2005-11-09 きっと明日は

gakus2005-11-09

 「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家ポール・ハキスが初監督を務めた「クラッシュ」(2006年1月公開)は、人種のるつぼというべきLAの断面を見つめた群像劇。白人&黒人、ヒスパニック系、ペルシャ系、東洋系などの人間がぶつかり合う、すなわちクラッシュしながら、それぞれに理解し合い、認め合い、時には裏切られるさまが描かれる。

 わずか2日間の出会いと、それが人間に引き起こす作用を見つめた映画。ある理由から人種偏見を持つようになった警官(マット・ディロン)、そんな彼を嫌い配置変えをしてもらうものの困った事態に陥る相棒(ライアン・フィリップ)、ハイソな生活が染み付き異人種を恐れ見下してしまう人妻(サンドラ・ブロック)、野心的な検事であるその夫(ブレンダン・フレイザー)、家族を顧みない黒人刑事(ドン・チードル)などなど、それぞれのキャラに味がある。皆が皆、劇中で幸福な結末を迎えるわけではなく、問題を先延ばしにしてしまうものもいるが、そこがまたリアルで好感が持てた。

 結末近くでフィーチャーされる女性ボーカルのバラッドは、とりわけ印象的。サビの部分の歌詞から察するに、『IN THE DEEP』という曲と思われる。後から知ったが、歌っているバード・ヨークという女性シンガーは、女性警官役で出演もしていたらしい。つーか、IMDBによると、この人、歌手より女優としてのキャリアが長いようです。

 この歌に続いて、ラストシーンとエンドクレジットをつなぐのがSTEREOPHONICSの『MAYBE TOMORROW』。これはシミる。“明日になれば、はっと帰る道が見つかるだろう"という歌詞がメランコリックなメロディーに乗って、希望とも諦めともとれる胸の内を象徴しているかのよう。というわけで、ジャケは、2002年リリースの、この曲のシングル盤。STEREOPHONICSは、ここ一年ぐらい頻繁に耳にしているような気がする。

クラッシュ [DVD]

クラッシュ [DVD]