映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2006-01-23 理想の花屋

gakus2006-01-23

 週末にチラリと触れた、ジム・ジャームッシュの新作「ブロークン・フラワーズ」の音楽にいついて、ツラツラと。

 ビル・マーレーふんする主人公は、生活に不自由こそしていないが、ジャージ姿にくたびれ感を漂わせた独身の中年男。ある日、昔の恋人らしき差出人不明の手紙によって自分との間に子供がいたことを知らされ、真相を確かめるべく、かつて交際していた女性たちを訪ね歩くことになる…というお話。最初はこの旅に出るべきかどうか迷っていたマーレーの背中を押すように、マーヴィン・ゲイ/MARVIN GAYEの『I WANT YOU』が部屋のオーディオから流れてくる。

 映画の冒頭とラストにフィーチャーされるのは、ジャームッシュと親交の深いガレージバンド、THE GREENHORNESの『THERE IS AN END』。このバンド自体はよく知らないが、歌っているのは元THEE HEADCOATEESのHOLLY GOLIGHTLYで、ちょっとときめく。殺風景ながら生活感のあるジャームッシュの映像に、うまくハマッた。

 HOLLY GOLIGHTLYはソロ名義の曲も使われていて、『TELL ME NOW SO I KNOW』が、マーレイが立ち寄る花屋で流れている。この店員のお姉ちゃんの趣味なのか!? かわいいルックスが、そんな趣味と相まって店員さんの好感度アップ。

 ジャームッシュ作品の面白さはクセのある人物描写にあり、このお姉ちゃんのような、ちょっとしか出てこないキャラクターでも印象に残るが、他にもマーレイの旅をセッティングするお節介焼きの隣人(なぜかエチオピア音楽愛好家。演じるは「バスキア」「シリアナ」のジェフリー・ライト)から、主人公の趣味にまったく一貫性がないことを感じさせるそれぞれに個性的な元恋人たち、露出狂の美少女まで、忘れがたい方々が多数登場する。

 ジャケはHOLLY GOLIGHTLY、『TELL ME NOW SO I KNOW』を収録した2003年のアルバム『TRULY SHE IS NONE OTHER』。余談だが、『TELL ME NOW SO I KNOW』はKINKSのレイ・デイビス作で、オリジナルは公式には発表されていないキンクスのナンバー。このアルバムにはもう一曲、KINKSのレア曲のカバー『TIME WILL TELL』が収録されており、HOLLYのマニアックなガレージ愛好家ぶりをうかがわせる。

ブロークンフラワーズ [DVD]

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muramura 2006/01/25 01:13 またまた自慢めいて恐縮ですが、エチオピア歌謡、ここ数年ウチのヘビーローテーションでした。元舞台の音響係としては、あのジャームッシュに先んじてちょっと優越感。誰が呼んだか「エチオピアのJB」なんてのもいて、カッコいいんですよ。

gakusgakus 2006/01/25 02:47 そうそう、この映画のエチオピア音楽は意外にファンキーで印象深いんですよね。muraさん、ジェフリー・ライトの先を行ってましたね、さすがです。しかし、エチオピア音楽のCDなんて、どこで売ってるんすか?

muramura 2006/01/25 21:07 タネを明かすと、数年前から「エチオピーク」というエチオピア歌謡のコンピシリーズがリリースされていたのです。最近全然CD屋をチェックしてませんが、よくワールドのコーナーに並んでました。販売元サイトのアドレスです(http://www.metacompany.jp/special/ethiopiques/ethiopiques.html)全部で13枚出てるみたいですが、1/3は持ってるかも。

gakusgakus 2006/01/26 01:57 なるほど。13枚も出ているとは、けっこう人気があったんですな。ソマリア歌謡、アルジェ・ハウス、スーダン・テクノなんかも出ていても不思議じゃないような…。