映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-04-18 冥王星のBGM

gakus2006-04-18

 昨日に続いて「プルートで朝食を」の話。

 昨日記したとおり、物語の時代=1950〜70年代のヒット・ポップスを全編に配しているが、主人公がオカマちゃんなので、その好みにフィットしたナンバーが並んでおり男っぽいロック色は希薄。したがって、スウィンギン・ロンドンを彩ったモッズ寄りのビート・ナンバーはほとんど聞けない。が、主人公が知り合う旅回りのロックバンドのナンバーはサイケ風。主人公の恋の相手となるボーカリスト(演じるはボノのマブダチでミュージシャンのギャビン・フライデー)は、見た目がアーサー・ブラウン風のイロモノ的パフォーマンスを売りにしていて、60年代的ないかがわしさ満点。

 70年代はもちろんグラムの時代で、ロックも中性的な匂いを漂わせる。ロンドンのクラブで主人公が踊っているシーンのBGMは、T.REX『CHIDREN OF THE REVOLUTION』。“革命の子供たちをバカにできないよ"という歌詞は、そのままIRAの不穏な動きのエピソードにかぶさる。革命つながりではパッファロー・スプリングフィールドの『FOR WAHT IT'S WORTH』が使われていて、テロリストと間違えられて逮捕された主人公のスパイ的幻想シーンにミュージカルのように重なっていた。

 グラムといえば元ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーが出演していて、ロンドンの路上に立つ主人公を拾う暴力男を演じている。見るからに好色そうなルックスにはかつてのダンディな面影はなく、指摘されなければ出ていることすら気づかないかも。

 女性ボーカルの曲が多く使われているが、手品師の助手となった主人公の奮闘シーンでダスティ・スプリングフィールドの『THE WINDMILLS OF YOUR MIND』(『華麗なる賭け』の主題歌としておなじみのアカデミー賞受賞曲のカバー)がアンニュイなムードを漂わせていた。ジャケはこれを収録したDUSTY SPRINGFIELD、1968年のアルバム『DUSTY IN MEMPHIS』。トム・ダウドらアトランティックの制作チームがプロデュース。