映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-05-02 ニルヴァーナが聴こえない

gakus2006-05-02

 カート・コバーンの死の謎に迫った内容であり、妻コートニー・ラヴが上映妨害したことで話題となった1998年製作のドキュメンタリー映画「カート&コートニー」がDVD化された。で、観てみたんだけど、なるほどコートニーが妨害工作をしたのも頷ける。

 ニック・ブルームフェルド監督(この後、シャーリズ・セロン主演の「モンスター」の元となるドキュメンタリー「アイリーン」を撮る)が関係者を訪ね歩いて、カートの他殺説を追及していく内容。はっきりと言及はしていないが、そこにコートニーがなんらかのかたちで関わっていた…ということが証言から浮き彫りになる。

なかでも驚くのは、コートニーの実の父親が“あの女ならやりかねん”みたいなことを言ってること。さすがにブルームフェルドも“実の父親なのに、なぜそんなことを?”と問うのだが、この父ちゃんの娘への発言は罵りの色をおびてくるばかり。さらにカートの暗殺を依頼されたとことがあるというミュージシャンや、カートの家でベビシッターをしていた少女が出演し、嫌悪や侮蔑、恐怖などのコートニーに対する悪感情をあらわにする。まったくもってビッチ扱い。

 コートニーが殺人に関わっていたかどうかともかく、興味深いのはカートとコートニーの間の溝。証言ではコートニーは華やかなスター・ライフに憧れていたが、カートは大嫌いだったという。そして何より明確な違いはコートニーが本作の中では“グランジ”という単語を、ある種のプライドを持って使っていること。カートはその範疇に括られることを嫌ったのは有名だが、コートニーはそうではないようで、“あんたにグランジの何がわかるの!?”というようなことを堂々と言ってのける。

 カートのことを描いた映画ながら、ニルヴァーナの曲が一曲も使用されない。これもコートニーからの圧力だとか。

 ジャケはHOLE、1991年のファースト・アルバム『PRETTY ON THE INSIDE』。このころのコートニーは、まだスマッシング・パンプキンズビリー・コーガンとつきあっていたはず。

カート&コートニー [DVD]

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