映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2006-05-06 世代代理戦争

gakus2006-05-06

 レンタル店から借りてきたトミー・リー・ジョーンズ主演のコメディー「チアガールVSテキサスコップ」(劇場未公開)を観る。

 殺人事件を目撃した大学のチアリーダー5人組を守るため、カタブツのテキサス男であるレンジャー隊員(トミー・リー・ジョーンズ)が、彼女らが共同生活をおくる家で共に過ごすハメに。トミー・リーは外出禁止を言い渡してケータイも没収し、規則で彼女たちを縛り付けるが、一方で朝っぱらから“ヴァギナ”などと口にする今時の娘っ子たちに大いに振り回され、生理用品や脱毛クリームの買い出しもすることになる。しかし、彼にも別れた妻の間にできた同じ年頃の娘がいて、彼女とどう話していいのかわからないなどと打ち明けているうちに、たがいに理解し認め合うようになる。

 トミー・リーふんする主人公は、うるさいロックがお嫌いのようで、女性ボーカルのナンバー(曲は不明)を鳴らす女の子たちのラジカセをガチャリと止める。彼の好みはウィリー・ネルソンで、大学教授とデートした際のムード音楽としてこれを使っている。

 まさに超オルード・スクールと現代っ子の対決。トミー・リーが5人娘と共同生活を始める際に、最初に流れてくるのはC.C.R.の古典『BAD MOON RISING』。“トラブルの予感がする”という詞は、まさにトミー・リーの心の声か。一方、彼の目を盗んで女の子たちが出かけたバーでは今どきのガレージ・ロックTHE DONNAS『WHO INVITED YOU』が流れてくる。“あんたなんか招いてないわよ!”と、音楽で代理戦争が繰り広げられているみたい。

 また冒頭、いきなりセドリック・ジ・エンターテイナーふんする元囚人の神父が説教していて、O’JAYSの『LOVE TRAIN』が神の愛を伝える曲であるかを説いている。この人、エンディングでもリトル・リチャードネタで笑いをとるなど、出番は少ないがなかなかブッとんだキャラ。「BE COOL」で共演したクリスティーナ・ミリアン(ここではチアリーダーの中核的存在の役)とは中盤でチアリーディング合戦も演じている。チアリーダー役の女優は他に、「フレディVSジェイソン」で地の利があるという理由でジェイソンをクリルタルレイクに運搬した肝っ玉ヒロイン、モニカ・キーナや「BULLY」のケリー・ガーナーなど。

 あと、忘れちゃいけないオープニング曲、CLASH『I FOUGHT THE LAW』。“LAW WON”は皮肉というより、ここではトミー・リーの辣腕ぶりを犯罪者の側から見たように雄雄しく響く。

 ジャケはC.C.R.とDONNAS、どっちにしようか迷ったが前者を。『BAD MOON RISING』収録、1969年のアルバム『GREEN RIVER』。自分ももどちらかというとオールド・スクールなので…でもウィリー・ネルソンは好きじゃないよ。