映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-08-02 男女の世界

gakus2006-08-02

 昨日に続いて、今月公開の「キンキーブーツ」のお話。

 ドラァグクイーンがキーマンとなり、そこに向けられた偏見も描かれているので、性別ということに敏感になってしまう映画だが、ここではJAMES BROWNの泣きのバラッド『IT'S A MAN'S MAN'S MAN'S WROLD』もフィーチャーされる。キンキー・ブーツが完成して一同が祝杯を上げるシーン、ブーツのデザイナーでもあるドラァグクイーンがラジカセをオンにすると、流れてくるのがこのナンバー。男から見た女性へのリスペクトのような曲でもあり、これをドラァグクイーンがかけてしまうことに、ニヤリとさせられる。

 とはいえ、この歌詞もよくよく考えると、今となっては性差別的に聴こえなくもない。“男がすべてを作り、男が金を稼ぎ、他の男から物を買う これは男の世界"なんて歌詞が生まれたのは、ウーマンリブなんで言葉がなかった時代ならでは。

 別に、この曲とバランスをとったわけではないだろうけれど、JBファミリー最強の女性シンガーだった(と個人的に思っていますが)LYN COLLINS『Mr. BIG STUFF』も、このシーンのちょっと前ぐらいブーツ製造中のシーンで流れてくる。“大物さん、あんた何様のつもり?"というサビの部分は、心なしか痛烈。

 『IT'S A MAN'S MAN'S MAN'S WORLD』は、JB流のフェミニズムだったのかもしれないけれど、なにぶん自分の奥方を撃ち殺そうとして御用となった前科のある人のフェミニズムだから、怪しい部分もある。というわけで、この大ヒット曲を核とする1966年の同名アルバムのジャケを。