映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-08-23 ブルーにこんがらがって、ほどけて

gakus2006-08-23

 M・ナイト・シャマランの新作「レディ・イン・ザ・ウォーター」(9月公開)は、奇をてらった過去のシャマラン作品とは異なるファンタジー。時おり従来のショック演出も顔を覗かせるが、唐突さもドンデン返しもなくメルヘン風に話は進む。

 生活に疲れたアパートの管理人(「サイドウェイ」のポール・ジアマッティ)が、プールで見つけた“水の精”(「ヴィレッジ」に続いてシャマラン作品のヒロインとなったブライス・ダラス・ハワード)。この妖精を狼に似た凶暴な生物から助け、元の世界に帰すため、管理人はアパートのクセのある住人たちとともに奮闘することになる。ブルーを基調にした映像は、さすがコダワリのシャマラン映画と思わせる。ちなみに本人もアパートの住人役で出演。

 『TANGLED UP IN BLUE』『IT AIN'T ME BABE』とボブ・ディランのナンバーが劇中かすかに聴こえたと思ったら、エンドクレジットでは『TIMES THEY ARE A CHAINGING』の幻想的カバーが。このカバーは“水”が大きなエッセンスとなる物語にふさわしく、“あなたの時間が貴重だとしたら今すぐ泳ぎだしなさい、そうしないと沈んでしまう”という歌詞に、子供のコーラスをフィーチャーしたアレンジがハマって妙に感動的。あたかも水の精が歌っているような雰囲気がある(ちなみにA WHISPER IN THE NOISEというバンドによるカバー)。

 そういえば、水の精を帰還させる作戦の一環として開かれたパーティで、バンドが演奏していたのは『MAGGIE'S FARM』だった(歌い出したと思ったら場面が変わるが…)。ここまでしつこく引き合いに出すところをみると、シャマランはディランのファンなのかもしれない。

 ジャケは『THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN’』(邦題『時代は変わる』)収録、1964年の同名アルバム。

レディ・イン・ザ・ウォーター 特別版 [DVD]

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