映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-09-06 終わっても終わらない

gakus2006-09-06

 ガエル・ガルシア・ベルナル主演の「キング 罪の王」(11月公開)は古典悲劇を思わせる現代劇。海兵隊を除隊した私生児の若者(ガエル)が、まだ見ぬ父を訪ねるものの、父は牧師として尊敬される家庭を築いており、彼を冷たく追い払う。それに対する怒りが火をつけたのか、ガエルは父の実の娘を誘惑し、やがて本気の恋に落ちてしまうが、それによってとんでもない展開に…。なかなか見応えのある内容。「ブロークン・フラーワーズ」でTHE KINKSのカバー曲を店内で流していた花屋の女の子(1月23日の日記参照)役のペル・ジェームズが、ヒロインにふんしていたのが嬉しいオマケ。

 この映画、エンドクレジットが始まってから最初はスコアが流れるのだが、その後、続けてボブ・ディランの『COLD IRONS BOUND』がフィーチャーされる。これがちゃんと訳詞が字幕で出る親切な作り。“自分が存在しないかのような気分゛"“空を覆う血のような雲"などのフレーズは、鉄のように冷たい部分が心にある主人公の暴走を観終った後ではズシリと響く。

 おもしろいことに、エンドクレジットが終わって画面が暗くなっても、この歌はしばらく鳴り響いている。フランス映画ではよくあることだが、アメリカ映画(一応イギリス合作)では珍しい。作り手の側に、この曲へのこだわりがあったであろうことが察せられる。

 ジャケはその『COLD IRONS BOUND』を収録したBOB DYLAN、1997年のアルバム『TIME OUTOF MIND』。

キング 罪の王 [DVD]

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