映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-09-13 Girlfriend in a coma

gakus2006-09-13

 I know, I know it's serious〜と歌うまでもなく大変なリース・ウィザースプーン。日本劇場未公開のままビデオスルーとなった「恋人はゴースト」のお話です。

 サンフランシスコの救急医療室で研修医を卒業し、晴れて救急ドクターの仕事に就いたヒロイン、リース・ウィザースプーンが交通事故に遭う。で、場面は変わって、彼女の借りていた部屋の新しい住人となる青年(マーク・ラファロ)。思い出したくない過去を抱えているらしい彼の前に、突然リースのゴーストが現われ、“私は死んでない”と主張。調べてみると、確かに彼女は死んでおらず昏睡状態が3か月も続いていた。そこでマークはリースの魂を元の体に戻してやるために悪戦苦闘する(一応タイムリミットがあって、生命維持装置が今にも切られようとしている)。そのの過程で、ふたりが恋におちるのはお約束。ロマンチックだけどそんなに嫌味じゃない、いい映画でした。アカデミー賞女優主演作というのに、なんとももったいない…。

 原題は「JUST LIKE HEAVEN」。以前、全米公開されたときにも記したと思うが、やはりCUREの曲名からとられていたようで、冒頭にまず女性ボーカルによるカバーがかかる。そしてエンドクレジットでは今度は本家が登場。ギターの切ないフレーズが、後味を引き立てる。

 劇中の曲の使い方は笑えるものが多く、交通事故の寸前、彼女はTHE CARSの『GOOD TIMES ROLL』を聴いている。出世もしたし、仕事を終えてこれから飲みに行くという設定なので、確かにGOOD TIMES ROLLだったが、彼女がボリュームを上げようとしてかがんだときに対抗車が激突するというなんともブラックな展開。

 また、ゴーストの存在にに半信半疑のラファロがオカルトショップに脚を運ぶシーンのBGMはSCREAMIN' JAY HAWKINSの『I PUT A SPELL ON YOU』。店員はホーキンスみたいな呪術師かと思わせる。しかし出てきたのはボーッとしたヒゲ面の青年(「バス男の」ナポレオン・ダイナマイトこと、ジョン・ヘッダー! この後、要所要所でいい味を出す)。まだゴーストを信じられないラファロが車を飛ばしているときには『JUST MY IMAGINATION』のカバーが。そして、リースと恋におち、昏睡状態の彼女の体を奪おうという無謀な賭けに出るシークエンスではROBERT PALMER『BAD CASE OF LOVING YOU』(これもカバー)がガーンと鳴り、ラファロがシスコ名物の坂道を飛ばしてバンを暴走させるシーンを盛り立てる。まさにバッド・ケース・オブ…。

 ところで、エンドクレジットを見てえっ!と思ったのが、セカンド・ユニットのディレクターを務めているデビッド・R・エリスの名。はい、この秋必見の「スネーク・フライト」の監督です。IMDBにも載ってないし、同名異人かとも思ったが、確かに先述の暴走バンのシーンは、この人が撮っても不思議ではない。で、DVDは音声解説付きだったので、そのシーンだけ見てみたら、やはりあのデビッド・R・エリスでした。助監督が友達だったから、この撮影に参加したとのこと。車椅子の患者をバンが轢きかける、人権団体の方が観たら怒りそうな描写は彼のアイデアだったとか。やるなあ…。

 ジャケは、その暴走バンのシーンに流れる『BAD CASE OF LOVING YOU』のオリジナル収録、ロバート・パーマー1979年のアルバム『SECRETS』。