映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2006-10-31 ただただ、地獄

gakus2006-10-31

 マーティン・スコセッシの新作「ディパーテッド」(1月公開)は、ご存知のとおり、香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク。基本的にほとんどオリジナルに忠実な話であるにもかかわらず、視点が全然違うことに驚かされる。

 警察に潜入したマフィア(マット・デイモン)とマフィアに潜入した警官(レオナルド・ディカプリオ)という基本線はまったく変わらないが、オリジナル版は彼らの苦しみを無間地獄に例えた生きている人間の話であったのに対して、こちらが命を落とすことを強調しているのは“死者”というタイトルからも明らかなんだけど、それにしてもガンガン死ぬもんだから、同じ設定でもまったく違う映画を観ているような気になる。描写的に明確な違いを挙げれぱ、オリジナルでエリック・ツァンが演じていた一見人の好いオッサンだが切れ者であるマフィアのボスのキャラで、ここではジャック・ニコルソンが「バットマン」のジョーカーばりのハイテンションで、アル・パチーノのごとく説教たれつつ怪演している。

 THE ROLLING STONES『GIMMIE SHELTER』をはじめ予告編で使われていたナンバーは、すべてここでも聴けた。子供のころのデイモンがニコルソンに話しかけられるオープニングのシークエンスから“ギミー・シェルター"で、ヤバいことが“おっぱじまる"雰囲気たっぷり。この曲は、デイモンと同棲している女性セラピストとディカプリオが密会するシーンで再びフィーチャーされる。ストーンズのナンバーでは他に、ディカプリオとセラピストがバーで飲んでいるシーンで、『LET IT LOOSE』が聴こえてくる。また、結末近くでディカプリオがデイモンに手渡すCDRが、この曲を収めたアルバム『EXILE ON MAIN STREET』のジャケがついていて、改めてスコセッシのストーンズ好きを確認。

メイン・ストリートのならず者

メイン・ストリートのならず者

 他は、予告編で使われていたVAN MORRISON『COMFORTABLY NUMB』がラブ・シーン他でのフィーチャー、DROPKICK MURPHYSのパンキッシュなアイリッシュ・トラッド風ナンバーも2度ほど聴こえた。ジョン・レノンの『WELL WELL WELL』がニコルソンの部屋で流れていたり(この場面ではレノンを引き合いに出したセリフもアリ)、BAD FINGER『BABY BLUE』が発砲シーンで流れていたりと、アップルモノも完備。ジャケは、このBAD FINGER『BABY BLUE』を収めた1971年のアルバム『STRAIGHT UP』。

ディパーテッド 特別版 (初回限定版) [DVD]

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