映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2006-11-25 小刻みにREBEL REBEL

gakus2006-11-25

 パンク・ムープメントがひと段落した1970年代末ロンドン。当時の音楽シーンをとらえたドキュメンタリー「ラフ・カット&レディ・ダブド」が来年1月に公開されるが、これが個人的にはなかなか面白く、興味深く見ました。

 音楽シーンとはいえ、ここで取り上げられているのはチャートにランクインするようなシーンというよりは、もう少しアングラ寄り。セックス・ピストルズは解散し、ザ・クラッシュはメジャー化してしまった時期である。ライブハウスにたむろす若い連中は、商業主義を非難し、SHAM 69はバカみたいで、クラッシュは終わったと言ってのける。で、出てくるのがパンク勢ではSTIFF LITTLE FINGERS、UK SUBS、ネオ・モッズ方面からPURPLE HEARTS、スカではTHE BEAT、ニューウェーブ関連ではA CERTAIN RATIOのライブがフィーチャーされ、彼らはインタビューにも答えている。他にジョン・ピールやファクトリーを創設して間もないころのトニー・ウィルソンのインタビューもあり。

 現在も続くイギリスの音楽シーンの面白さは、矢継ぎ早に面白いアーティストが出てくるところにあると考えているけれど、この映画からもその一端は確かに見てとれる。クラッシュやシャム69が脚光を浴びたのは、このころのほんの2、3年前のこと。それが早くも非難の対象となるのは、2つ3つ下の年齢層には、もはやリアリティがないものとして見られているということ。結局、彼らは自分なりのリアリティを、新しいバンドに投影することになり、次々と時代の代弁者が生まれてゆく。もちろん、マスコミに扇動されて盛り上がるムーブメントもあるけれど、それにしてもこういう草の根的な部分があってこそなのではないだろうか。

 ライブのフッテージではSTIFF LITTLE FINGERSの『SUSPECT DEVICE』と『ALTERNATE ULSTER』に燃えた! 後者では後半暴動状態になるのだが、この映画では当時、ギグの会場で頻発していたスキンヘッズによる暴走行為についても語られている。それと、PURPLE HEARTS! 動いているこの人たちを見たのは初めて。ネオモッズ関連の映像資料は少ないので、これはかなり貴重なのでは。

 ジャケは、そのPURPLE HEARTS、1980年のデビュー・アルバム『BEAT THAT!』。当時のアナログ盤には入ってなかったけれど、現行のCDにはこの映画の中でプレイしていたシングル曲『MILLIONS LIKE US』が収められています。