映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-03-02 サミュエルVSヘビ 第2ラウンド

gakus2007-03-02

 LA出張中。お仕事終了後、本日封切りの『BLACK SNAKE MOAN』を観る。サミュエル・L・ジャクソン主演で、このタイトルだと『スネーク・フライト』を連想してしまいそうだが、もちろん続編ではありません。

 サミュエルがふんするのは、老境に差しかかって妻に逃げられたマジメな農夫。そんな彼が、ある日、殴られ道に倒れていた小娘(クリスティーナ・リッチ)を助ける。この娘は幼少期の性的虐待から色情症となってしまい、軍人の恋人(ジャスティン・ティンバーレイク)が任務で彼女の元を離れて以来、誰彼かまわずやりまくっていた(彼女のムラムラの瞬間にヘビの声のような音が重なる)。それを知ったサミュエルは、彼女を鎖で拘束して監禁し、更生させようとするという、“逆『完全なる飼育』”ともいうべきモンドな話になっていく…はずなのだが、その後の展開は意外にシリアス。『ハッスル&フロウ』の監督クレイグ・ブリュワーらしい、オフビートなセンスと生真面目さが一体となった珍味的作品でありました。白髪・白髭まじりのサミュエルの老け役にも驚いたが、クリスティーナ・リッチがやたらとスリムかつセクシーでエロいビッチになりきっていることにもビックリ。

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 さて、サミュエルは昔はブルースマンだという設定。ここではギターを弾きながら、トラディッショナルなブルースを4、5曲みずから歌っている。キーの高い音は苦しそうだが、低い曲は渋いボーカルを聴かせる。で、そのうちの一曲がタイトルにもなった『BLACK SNAKE MOAN』。自分になついてきたクリスティーナを前にして、この曲を歌うシーンは呪術的な、いかがわしさと怪しさがとりまく、えもいわれぬ雰囲気。

 そういえば、サミュエルお約束の“マザファッキン”というセリフ、今回はマジメな役だから出てこないなあ…と思っていたら、終盤でなるほどの登場。見てのお楽しみということで…。

 ジャケは『BLACK SNAKE MOAN』を1927年にヒットさせ、この曲の代表的なパフォーマーとなったBLIND LEMON JEFFERSONのベスト盤。

追記

『ブラック・スネーク・モーン』の邦題で日本公開決定。