映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-03-08 ザッツ・エンタテインメント

gakus2007-03-08

 『主人公は僕だった』(5月公開)は設定の面白さでみせるコメディー。ウィル・フェレルふんするマジメで几帳面な米国税庁の税務監査官が、ある日突然、ナレーションのように自分の行動を語る他人の声を耳にするようになる。しつこくつきまとう声の存在にイライラさせられるフェレル。やがて“声"が近い将来に訪れる彼の死を予告し、フェレルは激しく動揺。実はこの声は有名な女流作家(エマ・トンプソン)のもので、フェレルは彼女にとって新作の主人公に過ぎなかったのだが……という不可思議なお話です。

 フェレルが死を恐れるにはワケがあって、彼はパン屋の女性店主(マギー・ギレンホール)と恋におちたばかり。税務官と査察対象者として出会ったふたりは最初はギスギスしていたのだが、惚れたフェレルに対して、彼女もしだいに心を開くようになる。そしてフェレルがギターを手にして何気なく歌いだしたWRECKLESS ERICの『WHOLE WIDE WORLD』が彼女の胸を打ち、恋仲へ。

 アメリカが舞台の物語なのに、なぜイギリスの比較的マイナーなアーティストの曲が?と一瞬思ったけれど、彼の運命を操っているエマ・トンプソンふんする女流作家がイギリス人であるという設定を踏まえると納得。ちなみに、フェレルが自分の運命がどうなるのか気にしながら、彼女から受け取った小説の結末の原稿をバスの中で読みふけるシーンではTHE JAM『THAT'S ENTERTAINMENT』が流れてくるが、このBGMもイギリス人の発想でしょう。ともかく、小説の読者には“ENTERTAINMENT”であっても、フェレルにはもちろんただ事ではない。

 ジャケはWRECKLESS ERIC、STIFFからリリースされた1978年のデビュー・アルバム。