映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-05-09 迷惑なほどロマンチスト

gakus2007-05-09

 アメリカでは客を呼べる人気俳優、しかし日本ではビデオスルー作品の常連オーウェン・ウィルソン主演のコメディー『トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合』を観る。

 仕事も住家も失って、新婚ホヤホヤの友人夫婦(マット・ディロンケイト・ハドソン)のもとに押しかけた無職男デュプリー(オーウェン・ウィルソン)。彼はディロンとは昔からの大親友ではあるが、男同士特有の無軌道な遊び気分が抜けず、ディロンも強気に出られなくて、新婚生活を楽しみたいケイトを大いにいらだたせる。そんな前半から一転、ケイトがデュプリーの意外な良さに気づき始めるや、ディロンが妻の父で勤務先の社長(マイケル・ダグラス)から嫌なプレッシャーをかけられ、ストレスをためこんでイヤなヤツになっていく。そんな親友のためにデュプリーは一肌脱いで…という話。リアリティを感じたのは、前半のディロンのキャラで、結婚前と結婚後で友人との付き合い方が変わってきちゃうのは、わかる、わかると頷くこと多し。とくにバカをやる友人とは。そんな具合に、妻帯者としてはアタタタと思える描写が多く、エロ・ビデオを捨てろと妻に叱られるシーンは笑っていいのやら…。

 デュプリーは自転車競技と詩作、オードリー・ヘプバーン、バター・プレイ(意味を知りたい方は観るべし)、そしてバカ騒ぎをこよなく自称ロマンチスト。そんな型破りな性格だから、良くも悪くも閉鎖的になりがちな新婚夫婦の生活と相容れないのは当然といえば当然で、そこに笑いが生じる仕掛け。それはともかくデュプリーは30代後半の人間らしく80’sの音楽が好きなようで、セックスのBGMにTONE-LOCの『FUNKY COLD MEDINA』を起用。自分のミックス・テープにはTHE CLASH『STRAIGHT TO HELL』が入っていたりする。

 他では、新婚生活を邪魔されて不機嫌になったケイトに、ディロンが謝りにいくシーンで流れるのはTHE STAPELE SINGERS『GOT TO BE SOME CHANGES MADE』。スタックス・ソウルの典型といえる、この歌のように“変化が必要”というケイトはデュプリーに恋人をあてがおうとするのだが、これが逆に大事件を引き起こすことになる。

 破局の危機を迎えた友人夫婦のために一肌脱ごうと、家出したディロンをデュプリーが捜索するシーンでは、THE CULT『LOVE REMOVAL MACHNIE』が流れる。これも彼のミックス・テープに入っていそうなナンバーですな。ジャケは、この曲のシングル盤、1987年リリース。