映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-08-06 眠くて良いことなどない

gakus2007-08-06

10月に日本公開される『ナルコ』はフランス映画らしからぬ、気取りの少ないダメ男映画で好感が持てた。

 主人公は、不意に眠りに襲われる病気=ナルコレプシー(『マイ・プライベート・アイダホ』のリバー・フェニックスが患っていたアレ)に悩まされる男(ギョーム・カネ)で、悪戦苦闘しつつも何とか愛する人や友人と良い関係を築いていたのだが、病気のせいで職にも就けず、妻もさすがに生活に不満を抱き始める。で、この主人公は寝ている間にみた夢が他人を引き付けることを知り、それを漫画にして売ると言い出して、ますます妻を呆れさせる。さすがにウンザリしたこの妻は、彼の友人と不倫の仲に。一方、主人公の漫画の才能に嫉妬した精神科医が彼を殺そうと画策して殺し屋を雇い、哀れ主人公は一命こそ取り留めるが昏睡状態に…。物語は主人公のモノローグで展開。語り口が弾けてるので、テンポよく進む。

 で、音楽ネタだが、定番的なロックが多く使われていて、オープニングではTEMPTATIONSの『POWER』が映画のテンポのよさを象徴するかのようにファンキーに鳴り響く。後に妻となるヒロインとの出会いのシーンで流れるVELVET UNDERGROUND『FEMME FATALE』や、結婚後の愛の営みにかぶさるKINKS『ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT』はちょっとベタ!? また、後半、昏睡から覚めた主人公の姿にはSTOOGESの『I WANNA BE YOUR DOG』…といった具合。

 ニッチなところでは、主人公の回想で、ナルコレプシーによる女の子との失敗談が語られるシーンがある。キスしては眠り、フラレては眠り…という描写が続くシーン。いずれも場所はクラブで、最初はパンク(メタル?)にハマッていた時代、次はゴス時代、その次はユーロビート時代と、それぞれの失敗談が矢継ぎ早に語られる。ここでの選曲は、パンク時代がTRUST“ANTISOCIAL”、ゴス時代がVISAGE“FADE TO GREY”、ユーロ時代がDEAD OR ALIVE“YOU SPIN ME ROUND"。どの曲も短い描写だけど、主人公のファッションがモロにその時代のソレで、笑ってしまう。ゴス時代はTHE CUREロバート・スミス的白塗りメイク。

 ジャケはVISAGEのヒット曲“FADE TO GREY"を収録した1981年のアルバム『VISAGE』。