映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2007-08-15 アツい時期

gakus2007-08-15

 都内では11月にレイトショーで公開される予定の『ノヴェム』は、地味な公開ではあるが、なかなか面白い佳作。1973年に、わずか6日間しか存在しなかったロックバンドの正体を追う擬似ドキュメンタリー。

 ことの発端は現代、ひとりの大学生が当時のオープンリール・テープと8ミリ・フィルムをガレージセールで入手したこと。テープにはノヴェムというバンドのレコーディング音源が、そしてフィルムにはレコーディング時の映像が収められていた。彼らの音楽に魅了された現代の大学生は、同じ大学の学生バンドだったノヴェムの秘密を探りながら、この音楽を世に紹介しようとする。

 この映画そのものは、ノヴェムの映像と、現代の学生たちの奔走、彼らを含む関係者のインタビューで構成されている。そこから浮かび上がるのは、1973年の大学生も現代の学生も、確実に熱いものを心に秘めているということ。モキュメンタリーというトリッキーな構成ではあるが、これはむしろ青春映画の佳作として記憶しておきたい。

 ノヴェムは9人組で、劇中のナンバーは、そのメンバーにふんした役者たちが自分で作曲したとのこと。意外にも、よい曲が多い。時代性を反映してか、フォーキーで内省的なナンバーから、スワンプ、ファンクなど多彩な音楽が聴けるが、自分的には、さりげない土臭さが漂うあたりに、ジョージ・ハリスンのこのころのソロ曲を連想した。彼らの通っている大学の名前がハリソン大学、レコーディング・スタジオの名が“ダークホース”だったりしたせいもあるが。

 劇中では、彼らが焚き火を囲んで戦争や暴力について討論する映像も登場する。そんなひとつとして、当時リリースされたばかりのジョン・レノンの曲“WOMAN IS THE NIGGER OF THE WORLD"を聴いてどう思ったか…なんてことについても議論が交わされる。学生のころは確かに時間だけはあったから、こういうことについて真剣に考えたよなあ…。

 ジャケはJOHN LENNON & PLASTIC ONO BAND、同曲の国内盤7インチシングル。これは1981年に再リリースされたもの。