映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-11-21 街へ出よ

gakus2007-11-21

 アダム・サンドラードン・チードルの共演による『再会の街で』(12月公開)は、ひょっとしたらお正月映画のベストかもしれんなーと思った心あるヒューマンドラマ。

 ここでのサンドラーはいつものコメディー演技を封印。9.11同時多発テロで妻子を亡くしたとき以来、幸福だった時期を封印してしまった、心を病んだキャラクターを演じている。一方のチードルが扮するのは、NYで成功した歯科医。大学時代のルームメイトである、そんな彼らが再会し、再び交流を持つようになったことから物語は転がり出し、その友情は、やがて精神を癒す道へと彼らを向かわせる。

 見るからに精神を病んでいるサンドラーは映画のドラマチックな要素を支えるキャラクターではあるが、共感を誘うのはむしろチードルの方。普通の生活の中で知らぬ間に鬱積しているストレスを体現したかのようなキャラで、サンドラーと同様に、彼もこの友情を通して心の健康を取り戻していく。

 原題が“Reign Over Me”と聴けば、THE WHOのファンにらピンとくると思うが、案の定、彼らの名曲「LOVE, REIGN O'er ME」からタイトルが付けらている。その証拠に、このナンバーはクライマックスでの起用された上に、エンドクレジットではPEARL JAMよるカバー・バージョンが使われている。主人公のふたりも、ある意味“愛に支配された”というか、愛に束縛されたキャラクターなのだ。

 最初に予告編を見たとき、アダム・サンドラーが『ブロンド・オン・ブロンド』のジャケのBOB DYLANに似ていると思った。ディランの曲はここでは使われていないが、ロック・クラシックがいろいろとフィーチャーされているという点で、レイドバック的要素を含んでいるのは間違いない。サンドラーがアナログ・コレクターであるという設定もグー。

 サンドラーとチードルは学生時代にバンドを組んでいて、BRUCE SPRINGSTEENの『THE RIVER』のナンバーをカバーしていた。ここでは、このアルバムから「Out In The Street」と「Drive All Night」の“外出推奨ソング”2曲が使用されている。引きこもっていては、やっぱりダメなのだ。

 また、PRETENDERSのデビュー・アルバムを手にしたサンドラーが“70年代の香りがする”と言っていたが(チードルの“それは80年代初めのアルバムだ”というツッコミがまたいい)、輸入盤独特の難ともいえぬ匂いを80年代初めに体感した人間としては、サンドラーの気持ちもわかるような気がする。ちなみにこのアルバムからは、KINKSのカバー「Stop Your Sobbin」が、サンドラーとチードルのスクーター2人乗りシーンでフィーチャーされている。

 ジャケは、そのTHE PRETENDERS、1980年リリースのデビュー・アルバム『PRETENDERS』。一曲目のクリッシー・ハインドの吐き捨てるような四文字言葉は、今聴いてもシビレる。