映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-11-22 横断注意

gakus2007-11-22

 アカデミー賞のウワサもボチボチ聞こえ始めている今日この頃、これはソコソコ良い位置に付けられると思われている『アメリカン・ギャングスター』。監督にリドリー・スコット、主演にデンゼル・ワシントンラッセル・クロウという顔ぶれだけで、オスカー狙いと勘ぐれなくもない。それはともかく、歯応えのある実録ギャング映画でありました。

 麻薬王フランク・ルーカスと麻薬捜査官リッチー・ロバーツという実在の人物にクローズアップしたこの映画。1970年代に麻薬ビジネスで頭角を現したルーカスは、目立つ行動を避けて捜査の手を巧みにかわしていた。そんな彼に目を付けたロバーツは、汚職まみれの警察機構の妨害に遭いながらも、執拗にルーカスを追い続ける。男対男の攻防、そしてすべてが終わった後に訪れる無常。ある意味、最近のマテーィン・スコセッシ作品以上にスコセッシ的な快作。『ディパーテッド』がアカデミー賞をとったばかりだから、賞レースでは不利な闘いを強いられるだろうけれど、個人的には『ディパーデッド』以上に高い評価を与えたい。

 舞台が60〜70年代ということで、音楽もそれに即したヒット曲が使用されている。フランクの手引きで、ミルク間に詰められたヘロインがアメリカに運びこまれるシーンではSAM & DAVEの“HOLD ON I'M COMING"がフィーチャーされ、フランクの台頭と良質のドラッグの流布を象徴するかのように鳴り響く。さらにブツがアメリカへと運びまれるシーンでは、『110番街交差点』の主題歌で、『ジャッキー・ブラウン』のテーマ曲としてリバイバル・ヒットしたBOBBY WOMACKの“ACROSS 110TH STREET"を使用。犯罪の危険な匂いに、よく似合う曲であることを再認識した。どちらの曲も今でこそソウル・クラシックだが、当時のブラック・ミュージックのいかがわしさがよくわかる、ナイスなセレクトでした。

 ジャケは1972年リリース。ボビー・ウーマックによるサントラ盤『ACROSS 110TH STREET』。

アメリカン・ギャングスター [DVD]

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