映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2007-12-06 姿は見えども声はせず

gakus2007-12-06

 ハーモニー・コリン、『ジュリアン』以来9年ぶりの監督作『ミスター・ロンリー』(2月公開予定)。実はこの監督、かなり苦手なので腰が引けていたのだが、そのせいか意外に面白い映画となっていた。

 マイケル・ジャクソンの物真似で、路上で稼いでいる青年(ディエゴ・ルナ)が、マリリン・モンローサマンサ・モートン)の物真似芸人に誘われ、ソックリさんたちが共同生活をおくる古城へ移り住み、彼らと共に“地上最大のショー”を企画する。しかし、明らかに世間とズレているソックリさん集団が大衆のハートをつかむはずもなく…。後ろ向きととれなくもない結末のメッセージには、それなりに年取った身にはいささかキツかったが、これは想定範囲内。ソックリさんたちの日常に含まれる、現実離れした芳醇な寓話性は評価したい。

 さて、この映画で面白いのはマイケル・ジャクソンのナンバーが一曲も使用されていないこと。主人公のパフォーマンのシーンは無音状態で、帽子を押さえて腰をクイクイさせたり動作が静寂の中で展開する。権利料が高かったのかどうかはわからないが、この不思議な味が寓話性を高めているので結果オーライか。代わりに、“MAN IN THE MIRROR"“ BEAT IT”“THRILLER”“YOU'RE NOT ALONE”などの曲名が、章のタイトルのようにテロップで現われる。

 ジャケはマイケル・ジャクソン、“MAN IN THE MIRROR”の国内盤シングル。リリースは1988年。