映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2008-03-05 救いナシ

gakus2008-03-05

 アカデミー賞主演女優賞ジュリー・クリスティがノミネートされたことで注目された『アウェイ・フロム・ハー/君を想う』は、アルツハイマー病に冒された妻と、その夫の愛の葛藤を描いたドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』(5月公開予定)でおなじみの女優サラ・ポーリーが初監督を務め、アリス・マンローの小説の映画化に挑んだ。

 結婚44年目で、妻(クリスティ)にアルツイハマーの兆候が見え、夫(ゴードン・ピンセント)は断腸の思いで彼女を施設に入れる。ところが面会禁止の最初の一ヶ月を過ぎると妻は彼のことを忘れており、しかも別の老人に恋をしていた。“昔、浮気したことへの報復だろうか”などと考えつつ、彼女が恋している男の妻(オリンピア・デュカキス)と話し合ううちに、こっちでも恋が芽生えたり…。そんな話なので、恋愛感情の切なさこそ漂えど、難病モノの湿っぽさはほとんどない。

 エンドクレジットではクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの(というか、ニール・ヤングの)“HELPLESS”がk.d.ラングによるカバーで流れる。当然アルツハイマー病に“救いがない”と歌っているようには聞こえない。年をとろうが、ボケようが、人間ってえのは救われないねえ…という雰囲気が出ていて素晴らしい。こんな視点の映画、日本では作れないだろうな…。

 ジャケはCROSBY, STILLS, NASH & YOUNG、“HELPLESS”を収録した1968年のアルバム『DEJA VU』。