映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2008-07-20 バットマンが大変なことに!

gakus2008-07-20

 今週末アメリカで公開された『バットマン』シリーズ最新作『ダークナイト』が、とんでもないヒットを記録している。週末3日間だけで何と1億5千万ドル! 今年最高だった『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でも1億2千万ドル(しかも週末4日間で)なんだから、いかに化け物的なヒットかわかると思う。

 これだけのヒットになった理由のひとつには批評の高評価が挙げられるが、実際本作は見応え十分で、今までのアメコミ映画が子供向けと思えてしまうほどヘビーなパンチを繰り出してくる。今回の悪役は、すでに知られているとおり、これが遺作となったヒース・レジャーふんするジョーカー。ティム・バートン版『バットマン』でジャック・ニコルソンが演じていた、ハイテンションのあの怪人である。かねてから予告編で、このキャラは大々的にフィーチャーされていて、最初は"ジョーカーで売るのは、いくら何でも無理があるんじゃないの!?"とも思ったけれど、見たら納得。ある意味、主役。そして究極の悪役といえるかもしれない。欲望に突き動かされる犯罪者なら理解できるバットマンにも、この動機を持たない悪党は把握できない。

 今回のジョーカーは、何かに対して復讐心を持っているワケではなく、かといって金が欲しいわけでもない。ただただ世界が滅ぶのを喜んでいるのである。理由なき犯罪。これは最近の現実の犯罪傾向とリンクしているようで、見ていてゾッとさせられた。

 ヒース・レジャーはこの役を演じる上で、セックス・ピストルズ、PILのジョン・ライドンを参考にしたという。憎まれっ子、世にはばかるを地で行くライドンだが、この人と同様にジョーカーは恐ろしくカリスマ性がある。あれだけ広いアメリカだ、ともすればクールに映るジョーカーに影響されて愉快犯的な破壊犯罪を起こすヤツが、ひとりぐらい出てきてもおかしくないんじゃないか。

 劇中でこの男に影響されてしまう正義漢の弁護士(アーロン・エッカード)は、やがてもうひとりの悪役トゥー・フェイスとなる。この弁護士、コイン投げでいろんなことを決める癖があるんだけど、『ノーカントリー』のハビエル・バルデムを嫌でも思い出す。そういえばこの映画でも“最近の犯罪は理解できない”ということがひとつのテーマになっていたな。

セックス・ピストルズ、今年のサマーソニックに出るらしいけれど今度の再結成は何が目的なんだろ? 前回の再結成のときは"伝説を壊す”という名目があった。自分も来日公演を見に行ったけれど、とても楽しいライブだった。そもそも"楽しい”なんて形容詞で語られてはいけないバンドだったのだから、伝説を見事に壊してくれたと思う。で、今回はどうよ!? やっぱ"Money"?