映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2008-09-04 SOUL SURVIVOR

gakus2008-09-04

 いよいよ12月に日本公開される、マーティン・スコセッシ監督、THE ROLLING STONESの ドキュメンタリー『シャイン・ア・ライト』(12月公開)。ストーンズ・ファンなら間違いなく満足できるライブ・フィルムであります。

 会場のニューヨーク、ビーコン・シアターは2千人クラスの古い劇場で、スタジアムやアリーナが当たり前のストーンズにしてみればライブハウス程度のスケールか。何にしても、こんな緊密な環境でストーンズのステージを見ることができる、この日のオーディエンスが羨ましい。映画はその準備段階から始まり、ステージセットについて打ち合わや、スタジオでのセッション風景が収められている。一方で、撮影に必要なセットリストが貰えなくてイライラしているスコセッシの姿もカメラは捉えていて、スコセッシがあのカン高い早口声でまくしたてるのを聴いていると、それだけで笑えてしまう。

 コンサートが始まると、あとはサントラ収録の曲順通りにパフォーマンスが進むので、セットリスト面での驚きはない(ただし、2枚組サントラの最後4曲は劇中ではキチンとは聞けず)。とはいえ、キースが“JUMPIN' JACK FLASH”のイントロを鳴らしつつ姿を現すと背筋がゾクゾクする。相変わらずステージ狭しと走り回り動き回るミック。ライブの時点で63歳なのに贅肉ナシ。”LOVIN' CUP”ではホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトとデュエットを聴かせるのだが、二重アゴでプヨプヨしているジャックは見た目だけなら完全に引き立て役。

 大スクリーンで見る以上、当然メンバーの顔のシワもやたらと目立つ。しかし、スコセッシは60過ぎてなお、そこに胸を張って立っている彼らの姿をとらえる。曲の合間に過去のインタビュー・フッテージが挿入されるのだが、デビューして2年目ぐらいのミック・ジャガーは"あと1年ぐらいはバンドが続くかな”などと言っているが、おそらく80年代ごろのフッテージと思われるが、そこで彼は"60歳になってもやっているか?”という問いに”

もちろん”と答える。ドラッグによる度重なる逮捕の報道も挿入され、いつ潰れてもおかしくなかったことが暗示されるが、彼らはデビューから40年を経てもステージにいるのだ。

 以下、気づいた点、気になった点を箇条書き。

 ★先述、”LOVIN' CUP”の際にはミックもジャックもアコギを持って歌う。さらによくよく見ると、コーラスのブロンディー・チャップリンもギターを持っている。つまり、この曲の演奏時にはギター弾きが5人いるということ。サウンドの厚みの秘密が、ちょっとわかったような。

 ★キースがボーカルを取る2曲で、彼はコートをはおっているのだが、そこには『パイレーツ・オブ・カリビアン』のバッジが!

 ★”SOME GIRLS”の時にミックもギターを持ち、リフを弾くんだけど、このときキースがちょっと引っ込み気味。ミックを立てようとする男気を感じるのは自分だけ!?

 ★”JUST MY IMAGINATION”を聴いてたら、前のライブ映画『LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER』を思い出した。そういえば、日本では『AT THE MAX』が劇場公開されていないから、ストーンズのライブ映画が劇場で見られるのは26年ぶりなんだよね…。

 ★”FAR AWAY EYES”のときにキースが一番の後、コーラスのフレーズを間違えて笑ってごまかし、ミックが一瞬ムッとする。で、二番のサビではキースはロニーにからみ、コーラスを入れないんだけど、そこにミックが寄っていって一緒に歌わせ、肩に手まで回す。このシーンも、ちょっとジーンときた。

 ★演奏時の映像に何か別の映像を混ぜることなく、高純度のライブ・ビジュアルを見せる本作だが、一曲だけキースが歌う”CONNECTION”の最中にのみ、最近のキースとロニーのインタビューが重なる。インタビュアーがふたりに尋ねる、"どっちがギターが上手いか”という問いに対するキースの答えがイイ!

 ★気がつけば、最近の曲、全然やってないんだよね…。一番新しい曲で”SHE WAS HOT”だけど、これにしても、もう25年前の曲じゃないか! 70年代の曲が多いのはスコセッシの趣味に合わせてのものか!?

 ジャケはROLLING STONES、1984年のシングル"TOO MUCH BLOOD"US盤。セットリストがわからずスコセッシが選曲予想をしているときに、これをやる可能性があるものに分類していたが、残念ながら聴けず…。

muramura 2008/09/11 01:52 勝手に気になったこと追加させてください。
ゲストのバディ・ガイが、
たぶん曲の構成がわかってなくて、
バンドが少々翻弄されつつもバディ・ガイに合わせてあげて、
歌い出しを(確かキースが)目配せで伝えていたのが、
なんだか微笑ましかったです。

gakusgakus 2008/09/12 01:00 あの掛け合いはなかなかスリリングでした。バディ・ガイの声量に明らかに負けているミック
がハーモニカで健闘しているのが印象的でしたー。